IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

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前々から考えるだけは考えていた、【セレニアの前世時代の知り合い】とのダブル主人公の作品です。
転生主人公の前世を知る、セレニアと同レベルの捻くれ者が同じIS世界に転生してきていて再会するというストーリー概要。


注:続編とか新作という訳ではないのですけど、諸事情あって色々な作品が更新止まっている状態にありましたので中途半端な部分までですけど、気晴らし用にと割り切って頂けたら助かります。


IS学園の言霊少女と前世先輩(序盤だけ)

「えー・・・・・・えっと、織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 その一言挨拶から始まった、IS学園を舞台とする物語。

 今日はその日から六日が過ぎた日曜日。新入生たちにとって最初の休日を迎えた日でもありました。

 

 ――皆さん、はじめまして。私の名前は異住セレニア。

 現代日本で普通に交通事故死して、ライトノベル【インフィニット・ストラトス】の世界に原作あんまし読んだことないのに生まれ変わらせられてしまった、元男子高校生だったのに気付けば女の子になっていた、最近では珍しくもない平凡極まるチートなしTS転生者の一人です。神の御子にのみ許されてた奇跡も安売りされる時代になったものですよね。

 

 さて、この世界【インフィニット・ストラトス】は、ISと呼ばれる女性だけが使える次世代ロボット兵器の登場によって世の中が変わって女尊男卑の社会になったIF設定を持つ近未来日本が舞台となってる、『本当の強さとは何か?』を問うテーマの作品になってるらしいのですけれども。

 

 

「・・・・・・しかし驚きました・・・。

 まさか本当に、《『なんの経験もない熱血ド素人少年』が入学初日に『現最強お嬢様キャラ』に挑発されただけのことでケンカ売って、入学直後に公式試合を教師から公認される》・・・なんてトンデモ展開を本当に見れる日がこようとは・・・・・・ビックリです」

 

 

 ・・・・・・こんな捻くれ思考をする、ひねくれ者な私にとって相性悪いことこの上なく。

 物語舞台の学園に入学してから一週間たった今も慣れることができずに、こうして散歩しながら気晴らししている場違いKY転生者としてボンヤリ過ごしている次第でありましたとさぁ・・・。

 

 いやはや、今まで一応ながらも世界観に合った人格や考え方になれるよう努力してきたのですけど、やはり本場は違うようです。まだまだ努力不足みたいですね~。まだまだ精進が必要そうです・・・・・・って、あれ?

 

「・・・なんか揉めてる人たちいますけど、ケンカですかね?」

 

 心の中で苦笑した直後に、少し離れた場所で言い合いしている若い男女カップルさんたちの姿を発見しました。

 それ自体は別に珍しくもないものです。この世界【IS】の設定では、十年と少し前に起きた『白騎士事件』によって圧倒的力の差を見せつけられたことから世の中が男尊偏重から女尊男卑へと「比較的穏やかに変化していった」とされているそうですけど、そんなのは社会全体を合計した場合のお話。小さな揉め事や衝突は無数にありましたし、今もあり続けてます。

 もっとも、それらが無かった時代なんて一つも無かったのが人類の歴史ってモノですので、だからどーって訳では全くないのですけれども。

 

 なので私が注目したのは、彼ら彼女たちではなく、『彼らを取り巻く人々』の方。

 より正確には、遠回しにカップルさんを見ては迷惑そうに眉をひそめたり、ニヤけた顔で見下した表情浮かべたり、隣にいる奥さんと陰口言い合ったりしながら、全員同じように見物するだけで仲裁に入ろうなどとは誰もしたがらない人々の方ですかね。

 

 きっと自分も、後ろから見る人がいれば同類の一部にしか見られないのだろうなと夢想した瞬間、妙におかしくなって失笑してしまいました。・・・ああ、やっぱり今日の私は前世の記憶の方が強くなってるんだなと理解したからです。

 

 こういうシーンを見た時、“彼らだったら”どう言ったかが、なんとなく頭の中で思い出と共にリピートされたような、そんな気がしましたから。

 

 きっとそう・・・私たちの―――“オレたち馬鹿ガキ共の馬鹿リーダー格もどき”だったなら、きっと

 

 

 

「こういう景色を見るのも、息抜きにはなるもんだな。

 『他人の愚行を見下す自分も所詮は愚民の一人だと気付かない愚かさ』とかなんとかいう、一般的道徳屋どもの定番商品に浸ってみるのも偶には悪くない」

 

 

 

 ・・・・・・思わず唖然とさせられました。

 私が脳内で思っていたことが近くから聞こえたから――ではありません。

 ただ単に・・・私が思い浮かべた本人と、全く同じ声、全く同じ口調、全く同じ容姿、全く同じ年齢と姿で、ご本人様自身が堂々と公園のベンチに偉そうな足組んだ姿勢でふんぞり返って、カップルたちを見下す周囲の人たちを見下す声とセリフを大声で場の全員に聞こえるよう言い切ってしまえる“全く変わらない行動”と共に私の視界に現れてきやがったからですよ!

 十年以上前から一度も会ってなかった相手が、十年以上経った今になっても、十年前と全部が全部まったく同じ状態のまま今の自分の前に現れたら誰だって驚きますわ! こんなもの! なんですか!? タイムトラベルですか!?

 こっちの世界にきてから会ったこと一度もない相手なんですけど、最近のドラえもんは世界線の壁すら越えれるよう設定変更されてたんですかね!? 正味な話として本当に!?

 

 相手をよく知る一人として、思わず周りの人たちが危ない人が現れたから関わり合わないように視線会わせず去って散る中で、一人だけ立ち続けてしまった私に面白そうに野次馬たちの背中を見送っていた彼も気付いて「・・・ん?」と不思議そうな声を出し。

 

「――ふむ? コッチの世界で出会ってきた奴等とは反応が違うな・・・・・・ひょっとしなくてもご同類かな?

 まぁ俺って前例がある時点で一人だけと信じれる理由もないことだし、別におかしくは全くないのだが」

 

 ハッキリと明確に『コッチの世界』とか『前世』とかの単語を使って独り言ブツブツ言い出しちゃってる辺りに、もうほとんど正解間違いなしな状態になった訳なのですけれども。

 

 この人が本人だった場合には、間違いなく続きがある訳でもありまして。

 

「・・・『前世』とか『コッチの世界』なんて単語を使って独り言いっても、キチガイとか危ないヤツとか見る目を向けてこねぇか・・・。

 しかも、それでいて黙ったまま落ち着き払って見てくるだけ。周囲の連中から変な目で同類扱いされても大して気にしてるようにも見えないとなると、単なる御同類って訳じゃなく、俺の知り合って事になるわな。ごくフツーに考えて」

 

 アッサリと自分の言葉をブラフに使って、こちらの素性を洗い出すのに使ってくる当たり、本気でなんも変わってない性格と姿に驚きよりも呆れの方が強くなってこざるを得なくなってきた私。

 

 とはいえ、それは相手の方とて違う理由で微妙に同じ感情と感想を有していたらしく、軽く見開いていた両目を細めて、片手を顎に当てて超わざとらしい考える人ポーズを取りながら私の方をジッと見つめて。

 

 

「だが、こんな銀髪ロリ巨乳で年下ガキ美少女と知り合って、善良な近所のチクリ魔オバさんから通報された経験や、パンダカー呼ばれた記憶はねぇんだよなぁ~。

 とすると、前世とは姿形が変わってるタイプの生まれ変わりって事になるんだろうが、今までの話聞いて俺の知り合いにお前さんと同じ反応返しそうなヤツの候補はおらん。

 お嬢ちゃん、お前さん昔は一体どんな姿をしてたかオジサンに教えてもらってもいいか? 教えてくれたら飴はやらん、最近では警官どもがウルセーからな。マックも奢ってはやらんが俺が助かる。

 俺だけ得する慈善事業をしてもイイと思えるぐらいに親しかったヤツなら教えてくれ。そして、嫌なら帰れ。b~y、いい歳して不良ゲンドウ糞親父司令官」

「・・・・・・エヴァファンの人に怒られますから、やめときなさいって全くもう・・・・・・」

 

 ハァ・・・と、ため息と共に十数年ぶりの再会を十数年前と同じように果たした私と相手の男の人。

 もう名前も思い出すことが出来なくなっていた―――ではなく。

 

 【前世の時から名前聞いたことなかった渾名だけ知ってる知り合いみたいなモン】と自分たちは呼び合っていて、赤の他人からはツンデレとさえ呼んでもらえたことのない、又聞きで知らされた人たちだけが一般論で「ケンカするほど仲がいい」とかカテゴリ訳されていた相手。

 

 通称【先輩】

 その人の昔も今も、そして多分これからも一生このまま変われなさそうな捻くれぶりを健在のまま再会した姿が、今のこの人。

 

 相変わらず名前を聞くことが出来ない、聞こえてこない、何だかよく分からない不思議な男性の正体だったのでありました。

 

 

 

 ・・・・・・言霊少女一人だけが紛れ込むはずだったIS世界の混沌に、もう一人の言霊少年が混じってしまった今この時。

 さらなるカオスは加速し始める―――。

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総合評価:11751/評価:8.25/未完:74話/更新日時:2019年11月06日(水) 00:00 小説情報


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