IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

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急遽考えた話なためか内容滅茶苦茶で文字数とかも考えずに書いちゃった為にハチャメチャになってしまいました。取りあえず投稿してご意見いただければと思います。

・・・半端な知識でこう言うの書くもんじゃないですね・・・猛省の必要性大です。

弁明:ゴップ議長の肩書「アメリカ政府上院議会議長」と言うのは実在しません。
 私も指摘されて初めて気が尽きましたが、正しい表記が分からないのと修正する箇所が膨大過ぎるのでこのままで行かせて頂きます。
 ご迷惑をお掛けしますが、ご理解頂けると助かります。


28話「黒幕たちと食堂で昼食を」

 地球連邦軍ゴップ大将。後に連邦議会議長に就任。実質的に地球連邦の支配権を掌握するに至った腹黒ジジィ。自称「民に寄生している官僚や政治家」。

 絶対的に近い権力を有していながら地球人類全体の未来をニュータイプとは異なる形で考えている不思議な人。孫娘偏愛の疑い有り。

 

 自由惑星同盟政府国防委員長ヨブ・トリューニヒト。後に同盟議会議長に就任。裏と表、双方から同盟と宇宙全体を手中にせんと企てていた巧言令色の徒。自称は特になし。

 不敗の魔術師ヤン・ウェンリーをして「何があっても絶対に傷つかない男」とまで評され、事実として彼を傷つけられた唯一の人物は死が間近に迫り未来を損失したロイエンタール提督ただ一人だけ。

 美辞麗句による人心掌握術の達人でもありますが、その一方で彼を支持してきた民衆を一貫して軽蔑してきた疑い有り。

 

 よく言えば歴史の黒幕たち。

 悪く言えば物語の主役たる英雄たちの引き立て役。

 エースパイロットや宇宙艦隊司令官が主役の作品では、政治家の役割なんてその程度のものです。

 

 ーーが。私はどうにもこの二人を嫌いになれたことが、前世今生を通じて一度もありません。

 それは彼らがあくまで制度を利用しただけの政治業者に過ぎず、ルドルフ大帝のように国の制度そのものを我欲のために別物にしてしまうには至らなかったことが一つ。

 

 そしてもう一つは・・・彼らの武器が只一つ。“言葉”だけしか持ち合わせていないと言う、私自身の自己正当化を兼ねた卑劣な理由から・・・・・・。

 

「ーーいや、堪能させてもらった。やはり日本食というのは、何度食べても素晴らしいものだね。素直に感服させられるよ。

 できるならば私も生前、生きてる間に食べてみたかった」

「ああ、そう言えば君の世界では、既に日本は無くなっていたのだったな。それどころか文明の中心は遙か昔に地球を離れて、人類は宇宙に巣立っていったとか。

 ・・・そんな時代になってもまだ人類が戦争を続けていると知ったら、ニュータイプたちも考えを改めてくれたのかもしれんな。やれやれ・・・ままならんものだね、まったく」

 

 食事の後で交わされる二人の大物政治家同士の会話・・・の体をとった私への自己紹介。

「前世が戦争やってた時代の人間で、こことは違う世界に生まれ育った転生者で、互いが互いとも別々の時代と世界観から来た異世界渡航者でもありますよ」というわけですね。お疲れさまでした。

 

「まったくもってその通り、議長の仰るとおりですな。

 私の世界では地球は二大超大国の全面核戦争で滅びたとされています。それが宇宙へ人類が進出するきっかけになったのだ、と歴史には記述されておりましたから。

 この青く美しい宇宙に只一つの人類の宝を核で汚染し尽くすとは・・・間違いようもなく当時の人類は頭がどうかしていた。

 この世界に核戦争の危険が存在していないことは、誠に持って喜ばしい限りですよ」

「・・・・・・つまり私に、御二方へと感謝を捧げろと・・・?」

 

 ここまで沈黙を通し、議長たちも無理には発言を強要してこなかったが故に発言してこなかった私が、この非公式会談で最初に言った一言目。それが今の言葉です。

 

「ほう? そんなつもりはなかったのだが、そう聞こえたのかね?」

「そうとしか聞こえませんし、そう取るようにあなた方が仕向けてきました。だから御要望にお応えしただけです」

「と言うと?」

 

 不快そうな気配もなく、いえむしろ楽しそうな面白そうな笑顔で私を見つめて問いを投げかけてくる国防長か・・・国防委員長の顔に悪寒を覚えつつ、私は柄にもなく肩肘張って正面から彼の質問に答えをお返しします。

 

「この世界の現在の情勢、これ東西冷戦をモチーフにあなた方が用意した仕込みの結果でしょう? 核ミサイルをISに変換することで世界大戦の危険度を最大限減らした末の。

 これってつまり現在の世界平和は「核の抑止力」によって保たれている「恐怖の均衡」の上でのみ成り立つ平和を再現して示した結果なんですよね? 私だってバカすぎない程度のバカです。分かりますよ、これくらいヒントを頂き続ければ」

 

 ははははと、楽しそうな笑い声が食堂の一角に響きます。

 ここは「キャノンボール・ファスト」が行われる会場の近くにある平凡な庶民向け食堂。間違っても外国の大物政治家がお忍びで来るような場所ではないのですが、

 

「我々にとっては、プライベートも仕事の範疇になってしまっているからね。本当の意味で自由な時間を確保しようと思えば、こういった非公式会合の場以外にはないのだよ。

 自由な時間を自由に過ごす。民主共和制を奉じる国の国民にのみ与えられた贅沢だ。悪いが好きに過ごさせてもらうよ」

 

 と、堂々と断言してから好きに注文し始めてしまい、私は本当に置いてけぼりに。

 暇だったので天井近くにおいてあるテレビを見てたら大会が始まり、始まった直後に所属不明ISが乱入したとかで放送中断。以後は普通にニュース映像流れてます。

 

 それを見ていた委員長が補足説明として、私の予測を補完、肯定してくれます。

 

「ああ、ご想像通り襲撃者はオータム女史だよ。クローンだがね。

 まぁ別におかしな話じゃない。もともと彼女は亡国機業が研究開発していたクローンの内の一体。代わりは幾らでもあるし、無くなれば作れるんだろう。

 もっとも、金はかかるから、その分をこちらに請求するようになるまで時間はさして掛からないだろうが・・・ほら、また一体倒された。

 あれ一つで日本円にして数百億はするのだが・・・まさに、所詮は機業とは名ばかりの武装テロ組織だったな。お粗末極まりない経理業務だよ、本当に」

「壊されることを承知の上で教えてあげないのですか? 「今のIS学園は魔窟だ」と」

「教える理由も必然性もないからね。なによりも、どうせ最後には全員電気椅子送りになるんだ。今の時点で減らしておいても問題ないと思わないかい?」

「・・・・・・」

「それと先の君の発言は些か礼を失していると思うのだが。

 オータム君の一件を逆用し、我々にメッセージが届くよう仕込んだのは君だろう? 

 その君が今更人道主義を気取るのはフェアじゃないと思うのだが、どうだろうか? 私の言は間違っていると思うかね?」

「・・・いえ、まったく。仰るとおりです、国防委員長閣下。私が浅はかでした。お許しください」

「いや、自分が間違えていたと自覚してくれたのならそれでいいんだよ。大人には子供の間違いを正す義務があるのだから」

 

 平然と表情筋一筋すら動かさずに返してくる委員長の態度に、私は内心舌打ちします。せっかくこちらの持ち札の一つ「お前の正体を知っている」を晒したにも関わらず効果なしとは・・・やはり交渉では相手が悪すぎますね。私程度が逆立ちしたって適う相手じゃありませんでした。反省。

 

「オータム君に撃ち込まれた一発目の弾丸。あれはペイント弾に偽装したミステリアス・レイディの一部だろう?

 液体状にして本体から一部を分離させ、ISコアを用いて通信機能の受信だけをONにしたまま彼女を逃走させた。その後に彼女が地下で死体で見つかり、回収していく先に日本における亡国機業の拠点があると踏み、ついでとして操縦者の更識君から日本政府と上役の伊納君に報告してもらうことで我々にも伝わるようにする。

 たいしたものだよ、本当に。その年の少女にしては異常なくらいに冷酷に徹している。オータム君の命は最初から度外視して、戦争相手の本心を掴むことに専念するとは。

 君はあれだね、元ナチスSS隊員とかじゃないだろうね?」

「違います。断じて違います。あんなのと一緒にしないでください!」

 

 思わず声を高めて反論してしまう私。相手もこの反応は予想外だったのか、些か驚いた顔をしてらっしゃいます。

 まぁ、ナチスSS隊員が身内にいるのを知ってるのは私だけみたいですしね。当然の反応でしょう。

 

 ――正直私も、彼女の前世がふつうのナチスSS将校だったなら、あそこまで激しい反応はしませんでしたしね・・・。

 

「うん、実に良いね君は。平和のためにはなにが必要で、なにを排除しなければいけないか。万民平等の世界平和など詭弁、それこそまさに巧言令色。美辞麗句で塗り固められた偶像に過ぎないと分かった上で世界平和構築を目指して思考し続けている。大変すばらしい。非常に我々好みの人材だよ。

 ーーそんな君だからこそ、我々は今日ここへ招かせてもらった」

 

 その途端、委員長の表情が一変・・・しませんでした。

 重々しい口調も演出の一環であるらしく、とりたてて態度も声音にも真剣味は感じられません。いえむしろ入れようと思えば入れ放題な感情制御の術を心得ていることを見せつけられた後だと逆効果でしかない。全然相手の言葉に信頼が置けなくなりましたよ今ので。

 

 そんな私の心理をまたしても先読みして、満面の笑顔で委員長から一言。

 

「こういう人間が我々だよ、セレニアちゃん。

 相手と向き合うのに仮面を付けたままでは失礼極まる。まずは自分から「これから行う会話の中で私は仮面を付けて話します」と予め宣言したうえで仮面を付けて話し始めることこそ、対等な相手と対峙する時の礼儀作法と言うものだよ」

 

 最低だ!心の底から最低の一言だ! 共和制国家の政治家が絶対に言ってはいけない発言でした!辞任してください! いえ、辞任させてください合衆国上院議長!

 

「ーートリューニヒトから大まかな説明はしてもらったが、私からも補足説明させてもらいたい。

 ああ、それとだが今日のことは内密に頼むよ? 表向きアメリカはIS学園地下で行われた不正規戦について追求している立場を取っているからね。その国の代表が追求相手の国で牛丼食べているのは体面上、非常によろしくないんだよ。

 君にはどうか理解してもらいたい」

「・・・イヤだといったら拉致されるのでしょう? そこで天丼食べてる地味な貴方のSPさんに。

 専用機持ち相手に生身で勝てる力は皆無なので、大人しく従わせて頂きます」

 

 はっはっはと、先ほどより更に大きくなった笑い声。地味な女性SPは動かないで天丼食べ続けてます。プロですね、変な所で。

 

「やはり分かってしまうか。その通り、あの地味で目立たない女性は私のSPであり、我が軍最強のIS操縦者だ。実力でも実戦経験の数でも彼女はナターシャ君を超越しているよ。

 無論、君のところの化け物たちには遠く及ばないだろうがね」

「こんなところに先に来ていて、会談が始まってからも気にせず天丼食べてる民間人女性がいればイヤでも気づきますよ。本当にただの一般人なら、貴方たちが話を切り出した理由が分かんなくなりますし」

「いやまったくその通りだ。君の言うことは一字一句意味があるのだな、感服したよ」

 

 愉快そうに笑う議長も、その横でデザート代わりに味噌汁すすってる委員長の笑顔も、私には不気味でしょうがありません。

 猛獣の檻に裸で放り込まれた感じとは、こういう状態を指して言うのでしょうか? 胃が痛すぎるので早く帰りたいこと風の如しです。

 

「IS操縦者に見目麗しい女性が多いのは単にモンド・グロッソが世界規模で行われている技術見本市で、彼女たちはコンパニオンガールの役割も兼ねていたからなのだが、いつの間にやら強い女性は見た目も美しいと言う偏見が世間に根付いてしまった。出来てしまったものは仕方がないので、折角だからと利用することにした訳だ。

 お陰で重宝してるんだよ? 彼女を見てくれだけでIS操縦者とは認識しにくくなるし、破壊工作をする上でIS専用機は最高の存在だ。

 なにしろ外観上はアクセサリにしか見えず、赤外線や熱感知にも反応しない。まさに究極の爆破テロ要員と呼ぶべき存在がIS専用機持ちだと、私は確信しているよ」

 

 議長の言葉は篠ノ之博士の思想を完全否定するものであり、私の思想と完全に一致しているものであり、おそらくは「戦争によって世界中を戦場にしたい」と恋い願っている亡国機業が思いついていないであろう思想でもありました。

 

 「IS専用機は戦闘よりも要人暗殺にこそ向いている」

 IS学園に入学してから学ぶ課程で私が抱いた感想がそれでした。

 

 町中で専用機を展開、混乱する民衆を尻目に適当な建物を破壊してから離脱、ISを解除し避難民に紛れ込んで安全地帯まで脱出。難民キャンプでも同じ事を行って政府への不審を煽り、警備の人員が薄くなったところで居館を襲撃。暗殺し終えたら民間人に戻って再び脱出。

 多分これで世界は、戦争へと突き進むでしょう。政府が信頼を失い機能を停止させ、指揮すべき要人が暗殺をおそれて引きこもってさえくれれば戦争危機は近づくばかり。

 勇気ある政治家が前に出てきたら、支援者に紛れ込んで専用機持ちが消せばいい。

 別に一機や二機のISも、一人や二人の操縦者も、大望のためなら惜しくありません。

 

 一人も死なない戦争なんてない。一人も死なせないで終わる戦争なんてない。悲しいですけど、それが常識で現実。こればかりは如何に不敗の魔術師でも覆せません。事実として覆せませんでしたから。

 

 だからこそ私は亡国機業に対してこう言いたいのです。

「まずは戦争について学びなさい」とーー。

 

「君の推測したとおり、我々はこの世界を東西冷戦に見立てて作った。

 まず『白騎士事件』を『セミパラチンスク核実験』に見立てることで「戦争はもう不可能になった」事を“既成”事実として世界に思い知らせ、世界にISを戦争抑止の力と見なすよう働きかけた。

 当初に想定した通りISを戦争の抑止力と見た世界は、IS軍拡競争に拍車をかける事となった。表向き平和利用を謳いながらも各国は、裏でISを使った戦争を想定した実験開発を行い始めたのだ。

 ーー言い訳になってしまうが、これでも一応警告はしたのだよ? 『福音事件』を『ビキニ被災事件』に例えてね。アメリカという超大国が軍事利用を前提としたISを作って「IS戦争を考えていますよ」とアピールしてみたのだ。結果は芳しくなかったがね。

 ISが世界中に分散された状態でISを使った戦争を行えば世界の破滅だ。今さっき説明した手法で暗殺やテロ行為を繰り返せば容易に国は滅びるからな。それだけは断固として防がねばならなかった。

 と言って、東西に限らず二陣営に大別しては我々の世界と同じ未来を辿りかねないと思い、あえて核の分散を早めてISを各国政府と民間の各国研究機関に届けさせた。

 ーー篠ノ之博士は確かに天才的頭脳の持ち主ではあったが、どうにも他人を見下す傾向が強すぎる。我々はああいうタイプを操ることに長けているのでね。操縦は容易だったよ。

 核とは違い量産が利かず、替えも利かないISが戦争の主軸になると考えた世界各国は冷戦時代のような悲惨な事態を招くことなく、IS技術の漏洩を防ぐために緩やかに穏やかに各国それぞれが鎖国に近い体制を取り始めた。

 我々はひとまず安堵したよ。「これで地球人類の存続を確定させられる」と」

 

 長広舌を終えて一息つき、議長は私をひたと見据えて意地悪い口調と笑顔で問いかけてきます。

 

「ーーさて、ここで問題だ異住君。我々が日本に設立させたIS学園は、冷戦時代におけるなにをモチーフにして、どんな役割を想定して作られたと思うかね?」

「・・・・・・」

 

 私は黙り込みます。分からないのではなく、分かりたくない。拒絶したかったのです。誰よりも私自身が出した答えを私自身が全力で否定したい。そういう願望が私の中でせめぎ合い、嘘をつきたくない私と激論を繰り広げます。

 

 戦いの結果、勝利したのは私の理性ーー嘘はつかずに素直に話す、です。

 

「・・・・・・『スプートニクショック』・・・・・・」

「正解だ。流石だね、セレニアちゃん。そうであるからこそ我々も君とならば話し合う気になれる」

 

 委員長が茶碗から顔を上げて賞賛してくれます。・・・が、口元に人参ついてるから取りなさいよ色男。「百万人を魅了した微笑」が間抜け面になってるぞ。

 

「東西両陣営の核開発の行程を戦争放棄した日本にやらせることは第三次世界大戦勃発の危険性を孕んでいたので、あえてIS学園を如何なる国からの権力にも屈しなくていい特権を与えることで解決しようとしたのだが・・・残念ながら現在の日本人には荷が重すぎたらしい。

 予想にも期待にも反して弱腰で事なかれ主義の、妥協と譲歩を繰り返す戦争の危機を助長する対応に徹されてしまった。

 これは我々にとっても予想外な事態であり、失態でもあったよ。無論、君の推測も外れる事になった訳だが」

 

 先日私が叔父さんに話した件を今更に突いてくる狸爺を軽く睨みつけると相手も軽く笑い返し、話を先に進めてきます。

 

「『フルシュコフ第一書記のアメリカ非公式訪問』『ソ連によるU2偵察機の撃墜』『ベルリンの壁崩壊』『キューバ危機』・・・我々はIS学園に世界最高戦力を最大数保有させることで様々な役割をこなせるだけの力を与えた。少なくとも我々はそのつもりだったのだが・・・。

 しかし実際にはIS学園の方針は情弱で軟弱すぎた。

 柔軟性に欠け、大胆さにも厚顔さにも乏しい。トリューニヒトから聞いた商売国と似た性質を持っているのではないかと期待していたのだがそれもなし。

 正直に告げよう異住君。私は日本に激しく失望させられている。本音を言ってしまうならば、こんな国が存在して民主主義国家をお題目に掲げていることが我慢出来ない程にだ」

 

 ハッとなって議長の顔を見た私の目に映ったのはーー平素と変わらず感情の読めないのっぺりとした議長のヒラメ顔。本当は怒っているのかいないのか、私には判断できません。

 つか、ホントに表情変わりませんねこの人たち・・・。なに? 心をどこかに無くしてきたんですか? 探してきなさいよ、何もない無の空間にでも。

 

「君は感情が表に出やすい子だな。とても可愛らしいよ」

「まったくですな。表情が動かせないだけで感情を抑えよう、隠そうという意図が全く見えない。政治家には向きませんが、一人の人間としてなら非常に好感が持てるタイプの女の子だ。それに見栄えも良い。

 私も男なのでね。不細工な同性よりかは、可憐な異性に優しくしてしまいそうになる」

「・・・それはどうも」

 

 注:私はあくまで元男です。これは譲れません。

 ーーそんな風に余計な思考に少ないリソースを裂いたのが、私の敗因。

 

 委員長は不機嫌そうにコップの水を飲み干す私に、不意打ちの形で爆弾を投じて来やがりました。

 

 

 

 

 

「――そう言う不機嫌さを隠さない所は、彼を見習ったのかな? セレニアちゃん。

 君からはどうも、私のよく知る魔術師の匂いがするのだが――」

 

 

つづく




オータムさんが人間じゃなかった件は、アニメ版での肉体変形が元ネタです。あれを自己解釈で人工生命体だからという事に勝手に変更しました。
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