IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

53 / 115
クリスマスに一夏が勝って、マイントイフェルが亡国に勝利してから数日後の話です。

マインさんの勝利は今のところ公表されてはおりません。やりかたもそうですが、ナチス軍人らしく映画風に編集中です。新年のハッピーニューイヤーと同時に公開して「幸先が良い」と言う風に思い込ませるのが狙いの一つだからでもあります。

また、今話はこれまでの集大成として登場キャラクターたちも成長していることを顕わす会でもあります(登場人数少ないですけどね)。
最後の一人は成長じゃなくて性長しちゃってますが、お気になさらずに。


48話「混迷しまくるIS世界」

『もー、いーくつ寝ーるーとー♪ おーしょーおーがーつー♪

 お正月までー、日本保つかな~♪』

 

 ーーこの上なく不吉すぎる歌を歌いながら年末を迎えるための飾り付けを行っているのは、我らが愛すべきIS学園在校生全員のみなさん。

 《エクスカリバー撃墜事件》を皮切りに退学届けを出される方が続出・・・と言うほどではなくとも一定数は出ていたのですが、流石に一ヶ月以上たった今になって出て行く方は誰もいません。

 

 ・・・それどころか楽しんでます。思いっきり。

 

 この非常時に祝い事なんてと渋る織斑先生を説き伏せたのは、彼女たち全員が署名と血判を押した嘆願書。

 

『戦争もISバトルもやろうと思えばいつでも出来る! 実際、今年はそこいら中でやりまくってたじゃん!

 年中いつでもどこでも出来る平凡なイベントなんかよりも、一年に一回しかできるチャンスがない年末の方が価値はある!

 って言うか! 来年の年末まで日本残ってるかどうか分からないんだし、やらせろ!

 日本最後かもしれない年末を!!』

 

 ・・・・・・昨今の女子高生は逞しすぎるでしょう、いくらなんでもさぁー・・・・・・。

 

 

 

 

 ーーちなみにですが現在IS学園を含む学園島は鎖国状態です。移動を制限したのではなく物理的に不可能にしてしまいました。

 

 民間人が利用できる中では唯一本土と学園島とを繋いでいた交通手段、電磁リニアをIS使って爆破しちゃったんですよね、ついこの前に・・・。

 

『本年、×月×日午前十二時丁度を期して我々IS学園は本島と学園島とを繋ぐ移動路、電磁リニアの駅をISを用いて完全破壊する。

 これは明確なアラスカ条約違反である。本作戦を実行後、学園島に残留し続けている者たちは世界中から犯罪者のレッテルを貼られ、愛する家族の待つ日本国本土にすら帰れなくなるであろう。

 IS学園は、この決定に異議ある者に学園島からの退去を求める。異議ある者は申し出てくれてかまわないが、返答には銃口を持ってする所存なので覚悟してから来るように。以上』

 

 先月の終わり、正式に学園長の地位を収奪した轡木十蔵学園長から出された警告メール・・・いや、たんなる脅迫文か。

 あるいは爆破テロの予告状が届けられてから数週間後の昨日には本当に爆破しやがりなさったんですよね、あのジイサン・・・。海賊の首魁とはよく言ったもんだなぁと心の底から感心しつつも呆れ果てもしました。ここまでやるか、と。

 

 もちろん、こんな暴挙を突然の思いつきで実行できるはずもなく、彼が海賊の真似事をはじめた辺りから準備を進めていたみたいです。

 

 なんでも、自分に残された最後の余光と呼ぶべきコネと権力で食料物資その他を買いあさり、学園島に貯め込みまくっては金を散蒔き、買えるときに買えるだけ買っといたんだとか。

 おかげで学園島の住民たちが飢える心配は当分無さそうです。

 

 ーーとは言っても、そこは平和ボケした現代日本人。本当に撃って来るわきゃないと高をくくっていたらしい女性団体の代表さんが学園の前まで支援団体引き連れてやってきて、

 

「わたくしは『女性の権利を獲得する会』の代表で、森染圭子と言いますの。当然、ご存じでしょう? なにしろわたくしの経営する動物医師学校は学園島だけでなく日本全国へ優れた人材を供給する優秀なーー」

「撃て」

「はっ、閣下。了解です。

 主砲発射!目標、森染動物医師学校! 撃てーーーーーーーっ!!!!!」

 

 チュドーーーーーーーーーーーーッン!!!!!!

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 がちゃこん。

 

「次はアンタ自身だ。イヤなら、とっとと儂の島から出て行け口だけババア」

 

 全力逃走していかれた彼女が今どこでどうしているかについては、本土との行き来ができなくなった学園島在住の私には知る由もなく。

 

 

「いやー、しかし平和だったときは何よりも大事だったお金が、今では紙切れ同然かー。国の信頼がなくなるってこう言うことを言うんだねー。知らなかったよー」

「あら、それを言うなら私の母国も先日戦争の出費で経済破綻したから、お金の価値が暴落しまくってるらしいわよ? 紙幣の額面通りに物が買えてた頃が懐かしいわ・・・」

「本当だよねー。今だと学園島限定でしか使えないカードでやりとりしているもんね。

 デュノアさんが発案したらしいけど、やっぱり会社経営者の娘は私たちと頭の出来が違うわー」

「『物資を買うのに一枚残らず紙切れをドブに捨ててやったわ!』って学園長が大声だして笑ってたときはどうなるかと思ってたけど・・・あの人を単なる『学園内の良心』とか思ってた自分が恥ずかしいわ・・・」

「そりゃ、あんた。認識不足だったってことでしょ」

「そのようね。あっはっはっはっは!!!」

 

 

 ・・・・・・逞しいにも程があるだろオイ・・・。

 

「あら、セレニアさん。ごきげんよう、今日も良いお天気ですわね」

 

 グラウンドの隅で絵を描いていたらしいオルコットさんが、私を見つけて挨拶してくれました。こちらも頭を下げて挨拶を返し、なにを描いているのですかと尋ねたら「空です。青い空」と、彼女は穏やかに微笑みながら淑女のお嬢様らしい答えを返してくれて。

 

「聞いた話ですが侍の国日本では、義に殉じた志士の血は、死した後に碧色になるのだとか。この空の碧さは南海かどこかの海で散ったIS操縦者たちの血によって成っているのかもしれませんわね。

 そう考えるとなんだかロマンチックな気分になって・・・萌えて参りませんか!?」

「ごめんなさい、私オタクレベルは中途半端で厨二は卒業していますから、そう言うのわかんないッス」

 

 つーか、分かりたくないッス。いやマジで。途中まで漂わせてたお嬢様らしさはドコ行った?

 

「おう、セレニアにオルコットか。こんなところで奇遇だな」

「あら、織斑さん。珍しいですわね、グラウンドの方にいらっしゃるなんて。

 てっきりあなたはテニスウェア姿でアンダースコートをヒラヒラさせてるのを見るのがお好きだとばかり」

 

 辛辣な返しを穏やかな日常会話の調子で挨拶代わりに送るオルコットさん。

 ・・・この会話が日常・・・ってことはないですよね? ないですよね? お願いだから無いって言ってください!心が痛いから!主に原作と原作者様に対する謝罪の気持ちとで!

 

「勘違いしてもらっては困るなオルコット。俺はアンダースコートが好きだからテニスコートに通っている訳じゃあない。

 たまたまテニスコートの直線上に学生寮があって、セレニアがカーテンも閉めずに着替えをしている姿がハイパーセンサーさえ使えば見られるから行ってるだけだ。バカにするな」

 

 !!??

 

「あらあら、それでしたら早くおっしゃってくだされば宜しかったですのに。

 わたくし、セシリア・オルコットは百合母娘の執筆者。寮中に仕込んだ隠しカメラと隠し部屋と覗き穴はすべて管理管轄しておりますので、ご要望がありましたらいつでもどうぞ。歓迎しますわよ?」

 

 ちょっ!? あ、おま・・・!!!!

 

「よし、俺もいいかげん入会するか。オルコットが主催する『セレニアたちを愛でる会』に。手に入れた素材の用途は、自由に使っていいんだったよな?」

「ええ、構いません。誰しも自らが欲する物を手に入れるために努力し、努力の末に手に入れた物を自由にする権利があるのですから・・・」

「肖像権は!?」

「「日本の刑法が有名無実化した今の情勢で、尊重してもらえるとでも?」」

 

 反論できねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!

 

 特に戦乱の引き金引いた私に反論する資格が無さすぎるぅぅぅぅぅぅっ!!!!!

 

 

「うっ、うっ、うっ・・・。触られてもいないのに穢されちゃった気分です・・・誤解な上に自意識過剰でごめんなさい・・・」

「いや? 俺は普通に穢していると思うぞ? 主に白い液体で深夜の三時頃に」

「ええ、そうですわね。実際、わたくしの方も似た感じですわよ?

 具体的には原稿用紙三百ページぐらい全編にわたって肌色面積多すぎな百合色の学園青春群像劇を舞台にして」

「いくらなんでも多すぎますよ! コミケでも精々百ページの総集編が良いとこなのに、なにを描き留めまくってんですか貴女は!?」

「仕方がないのですわ! だって・・・そこに百合があるのですから!!」

 

 そんなモンはドコを探したってねぇぇぇぇぇぇぇんだよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

 

 荒い息を付いてツッコミ疲れた身体を癒している私をおいて、問題なく会話を再会しているIS操縦者にして代表候補と専用機持ちのお二人。

 ・・・くそぅ。今更になって学生としての体力差が障害になるとは・・・体力バカなんて大嫌いです、絶対勝てませんから。

 

「ところで、オルコットは本国に残してきた資産はどうしたんだ? 確か会社を経営しているんだろ?」

「動かせない資産は売れるだけ売りに出し、金の延べ棒や宝石、鉱山などの固定資産へ回しました。

 不動産はまだ迷い中なのですが、少なくとも戦火に見舞われることが確実な土地は価格に関係なく早い内から売りに出し、今は日本本土の空き地をダミー会社に買収させてる最中ですわね。

 今時大戦で直接的被害を免れられそうなのは戦勝国アメリカと、わたくしたちの守る日本だけでしょう? だったら戦火から立ち直った母国で戦後復興にいそしむよりも、新天地日本で大成功を納めて第二の故郷にしてしまった方が効率的と言うものです。

 古来よりイギリス人は、片道切符しか買わないのですわよ」

「・・・・・・それって、スコットランド人じゃなかったっけか・・・?」

「政略結婚で一応そちらの方の血も入っておりますわ。歴史の長い、伝統ある英国名門貴族の家柄ですので」

「さすがは元侵略者で現王族の関係者・・・フランス人とは相性悪そうだな」

「ふっ。相手がスーパーなシャルロットさんか、マザコンでパワーアップしたラウラさんでなかった場合は瞬殺しておりましたわね」

 

 ーーはい。不穏当だからやめましょう、この話題。カットカット、全面カット!

 

「しかしな、セレニア。自分たちの先祖が何者なのかはみんな気になるものなんだぞ?」

「そうですわよ、セレニアさん。たとえばわたくしたちイギリス人は、みんな大好きアーサー王の敵対者ゲルマン民族の末裔だとか。

 日本でも大人気な劉備が尊敬していたご先祖様の劉邦が年とって耄碌した挙げ句暴君にさえ成らなければ三国志必要なかったのにとか。

 そう言うの気にするお年頃になったのですわよ? わたくしたちは」

「どんな年頃ですかそれ!? とにかくダメです!禁止です!この話題、きーんーしーでーすー! わかりましたか!? いいですよね!?」

「「うぇーい・・・」」

「そこ! 残念そうに返事しない!」

 

 特に英国貴族のお嬢様! あんた近ごろ行儀悪すぎなんですよぉぉぉぉぉっ!!!!

 

 ぜぃ、ぜぃ、ぜぃ・・・・・・つ、疲れた・・・。ボケ対ツッコみ戦闘二連戦は、体力ない私には辛すぎましたよね・・・。次からはもう少し自重しましょう・・・。

 

「まぁ、そんなのはどうでも良いから置いといてだ」

「そうですわね。些細な些事ですし、ここからの本題の方が遙かに重大事ですわ」

「・・・・・・」

 

 私の全力ツッコミ&疲労困憊=どうでもいい&些細な些事。

 

 ・・・・・・・・・泣きたい・・・・・・。

 

 

「どちらにせよ、これ以上の戦乱は続けられないし続けさせるわけにもいかんだろう。主に日本が。具体的には日本の物資流通問題が」

「ですわよね。現時点でも日本は相当に無理して国民相手に見栄を張り、無いものを有ると見せかけているだけなのですから、遠からずバレて破綻しますわね確実に。

 所謂、『ギリシャの経済破綻してたの国民には隠してましたよ。バレちゃって世界恐慌だわーい』事件の再来ですわ」

「・・・そんな名前はじめて聞いたんですけど・・・まぁ、概ねその認識で合ってます」

 

 はぁと一息ついてから、私は前世でみたテレビ番組の討論を思い出しながらウンザリした気持ちになりつつ、現在のと言うか日本が土地柄故に被らざるを得ない問題について軽く考えてみました。

 考えだしてしまうと切りがない問題なのですが、とりあえずまずは大前提を壊す必要があると思いますので、そこから行きましょう。

 

 それは日本の安全保障政策は、別に食品の質を守るための法律ではないと言うところからーー。

 

「本来、日本の安全保障政策は日本人の仕事や収入を守るために作られたものではなくて、リスクを分散し世界中どこで戦争が起きても供給源が途絶えることの無いように、100の今を守るためではなくて絶対に必要な分は確保し続けることを目的としてたんですよね。しかしーー」

 

 今時“大戦”で彼らの苦労は、すべてご破算になってしまいました。分散しようにも世界中どこに行ったって戦争なり内乱なりしている状態では貿易国日本は干上がる以外の選択肢が存在していません。

 

 いえ、むしろ今時大戦で日本は戦わない道を選んだことで、さらに被害を受けたのかもしれないのです。

 

「先年までに発表されてきた米国農務省の穀物需給を見てみたんですが・・・『白騎士事件』以降、生産量がほとんどすべての分野で毎年毎年あがっていました。

 世間がIS技術だ何だと騒ぎ立ててる中にあって狸おやじの議長さんは抜け抜けと農業技術の向上に精を出しておられたみたいですね。

 国防委員ちょ・・・こほん。元国防長官で元大統領閣下が軍備とかIS産業とかを絶賛するのを隠れ蓑にしてね。

 ・・・ふふふ・・・してやられましたねぇ~もぐら議長閣下。今に・・・今に必ずなんらかの形で嫌がらせを・・・!!!」

「落ち着けセレニア。おまえも最近少し変なんだから、落ち着いて冷静になって俺にスカートめくられてることを自覚しろ」

「はっ!?」

 

 い、いけない。危ないところでした。危うくトランス状態になってしまうところでしたね。落ち着かなければ。・・・なので、とりあえずスカートは元の位置に戻してください織斑さん。訴えますよ? 法廷じゃなくて自称わたしのお嫁さんに。

 

「恐縮恐縮」

 

 どっかの楽士さんみたいな軽口を叩きながら距離をとった織斑さんを軽くにらみつけながら、私は説明の続きを再会します。

 

「大戦により、世界中で物が足りなくなる。これは一時的に不足するのではなくて、戦争による被害で生産するための土地や技術者、資源などを根こそぎ使い尽くしてしまうからです。

 それでも国は戦争を続けるために必要最低限な生産力は残そうと努力しますし、土地さえあれば栽培できる物も多数ある。

 世界を征服する気のない、地球連邦政府の参加加盟国として全国家を一つのテーブルに着けさせて、平等に対等に話し合える場を持てさえすれば十分すぎる成果がすでに約束されているアメリカにとって日本の価値はISだけでした。

 IS学園はともかく、日本政府は自国の保有する技術の売り込みに乗り出すことなく機会を失い、もはや誰にとっても価値のない技術を無駄に蓄え込んだ零細小国の島国に成り下がってしまいました。

 アメリカに日本の価値を認めさせるにはIS学園が・・・いいえ、私たちが米軍相手に戦って圧勝し、大量の流血と死体の山を築き上げることで世界中に戦争の恐怖と私たちの力を見せつけ、降伏する。それしか他に今となっては策がありません。完全に出遅れましたから・・・」

 

 現代日本で同じ事を言えばキチガイとしか思われない台詞を私が吐くと、お二方は首肯しながら頷いて「だよなー(ですわよねー)」と、軽い調子で返してこられます。

 その様子が戦争慣れしすぎて擦れた結果だとしたら・・・私はもう、どう責任をとればいいのか分からなくなりそうですよ・・・。

 

「半端に勝って降伏したのでは、本土にいる日本人が納得しない。

 価値がなくなって経済的にも悪化した今の日本政府に、今まで通りの生活水準を保証するよう求めるのは無理がありすぎるんだが・・・。おそらくは求めるんだろうなぁ~、あの極楽トンボどもは」

「そうですわよね~。

 自身が当事者にならずに済むのであれば、誰よりも勇敢に悪と戦い討伐する勇者になれるのが人間であり、今の日本人は特にその傾向が強いように感じられますもの。

 おまけに戦術的勝利と戦略的敗退の区別も付かない方々にとって、戦いに勝利した側の自分たちが負けた相手に頭を下げて降伏しますから許してくださいは承伏しかねる事でしょうし。

 更には戦勝国であるはずの自分たちが、生活的に今より苦しくなりでもしたら・・・」

「絶対に戦争しかけろって言い出すだろうな、昨日まで「平和的な解決手段を」呼号してた、銃一発撃ったこともない連中が。

 俺たちが日本を守るために戦ってくれたんだと勘違いしまくって感謝してくる、苦労知らずな日和見どもが」

「しかも日本は民主主義国家。国民の大多数が票を入れれば、その政治家の主張が正義として誇張されて喧伝される。

 票を求めて市民に迎合したがる実績のない政治屋志望の新人さんたちは大勢おられるのでしょうね・・・」

「もし仮に、その新米政治業者が票ほしさに市民と迎合し、法律を改正してIS学園に戦争参加を強制してきたら。

 どっかの魔王様はためらうことなく学園を去って、ISに乗れない魔王様を知らない新入り君は魔王様を引き留めない。その代わり、魔王様個人のために戦っている俺たちへ誘いをかけてくることだろうな。そうしたら・・・」

「魔王様のいなくなった日本に未練のないあなた方と、未来を損失した国家に融資して無駄金にしたくないわたくしたちも国を出る。

 その後、魔王様は平穏無事にどこかの山村で子供たち相手に歴史でも教えて余生を過ごすこともあり得なくもありませんが・・・・・・」

「ああ、それだとちょっと・・・な?」

「ええ、それだと些かばかり・・・ね?」

 

 

 

『わたくしたち(俺たち)が全然おもしろくない。腹の虫が治まらないから、そのクズ政治業者を根切りに(ターキーに)してやるぜ(してさしあげますわ)』

 

 

 

 怖っ!? この人たち怖!? て言うか、お前らかよ問題の最重要懸念は! その可能性は考えてなかったよ! 考える方がどうかしていますしね!

 なんでわざわざ平和な世の中になった後で個人のために国を殺すの!? なに考えてんの!? なに考えてんの!?

 なに考えたらそう言う結論に達しちゃうわけですか戦争大好きなキチガイさんどもーーーっ!!

 

 

「まぁ、そんなバッドエンドは誰も期待してないだろうし、俺たちも迎えたくはない。

 是非とも日本国民の皆様方には、俺たちが築き上げた天まで届く屍の塔を御覧頂き、平和の尊さと戦争の悲惨さ勝利のむなしさをトラウマ込みで噛みしめていただき、勝利後の降伏条約締結までは大人しく黙っていていただこう。

 なぁに、条約さえ調印しちまえばこっちのもんさ。なにせ連中、調印交渉している間に何一つ言ってこなかった訳だからな。棄権は事実上の賛成と見なされるのは常識だぜ?」

「うっふっふ・・・。ですわよねぇ~? しかも条約調印の場にわたくしたちが特別な立ち位置で参加しているであろう事は明らか。それ即ち、条約違反はわたくしたちの顔に泥を塗ったも同じ事。

 あ~ら、大変。わたくし百合母娘の美しすぎる純愛を日常にしすぎて、薄汚い性格の方は豚と見分けがつきそうにありませんわー♪

 ああ、これも全てはセレニアさんとラウラさんの母娘愛が美しすぎるため・・・美しさは罪であり悪を生む・・・。

 愛で滅んだ国のひとつに日本の名が書き加えられるなんて・・・芸術はス・テ・キ♪」

「次の打ち合わせの際にもってく手土産は、日本国総理の頭蓋で作った杯で決まりだぜ」

 

 

 

『くっくっく・・・うっふっふ・・・うぇっへっへっへ・・・・・・』

 

 

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!?

 

「ちょ、ちょっと待ってください織斑さんにオルコットさん。

 冗談ですよね? 今さっき言ってたの冗談ですよね? 冗談なんですよね!?

 なんで黙ってるんですか!? なんで私の顔見てくれないんですか!? せめて一言だけでも答えをくださいよ!! どっちなんですか! どっちなんですか! いったいどっちが本当の本気なんですかーーーっ!?」

 

 

 なんか(たぶん、と言うか確実に)私のせいでスゴいことになっちゃいそうです! 怖いです! きついです! 予想してたのと全然違う展開に私の頭もこんがらがっちゃっていつも以上に役立たなーい!

 

 助けてドラえもーん!!

 

 

 

「呼びましたかな、我が愛しき女神よ。万能の世界改変者、ここに推参」

 

 呼んでねぇよ!? ある意味では同じ事出来そうだけどさ! 絶対ろくでもない叶え方するだろお前! 具体的には汚染された聖杯的なやり方で!

 

 

「お母様! 今、ラウラをお呼びになりましたよね!? メインヒロインよりも可愛くて萌えるマスコットキャラならラウラのことです!」

 

 なんか愛娘が図々しくなってるーーーっ!? なんで!? どうして!?

 これが成長と言う名の時が刻む残酷さと言うものかーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そうね、確かにその通りよセレちゃん。

 私たちは時とともに成長し、子供は大人に、大人は老人に、そして取り返しようのないものだけが無限に積み重なってゆく。それが人が生きるという意味なの。

 でもね、セレちゃん? それが分かる様になった今の貴女は、前よりずっと成長している。止まっていたときが動き始めたのよ。

 今なら貴女も正しい選択が出来ると私、信じているから・・・!!」

 

「お嬢様ー、準備できたよー。もう押してもいーい?」

「ええ、もちろんよ本音ちゃん。やっちゃって頂戴」

「よーし、いっくよー。ポチっとな」

 

 

 

 

 ジャジャーーーッン!!!!

 

 

 

 

『終わる世界に光りあれ! 更識の隠し持ってきた遺産の力すべてを持ってしてさえ十分間しか確保できない全世界同時生中継での「私オンステージin全裸!」

 聞こえるか! 地球の重力に魂を縛られた愚かなる愚民どもよ! 私、更識楯無が全裸を見せることで貴様等の倫理観を粛正してやる! 私の誇る究極の全裸を眼に焼き付けながら逝くがいい! 

 食らいなさい!「い、やん、脱ぐーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」』

 

 

 

 

 

世界中の視聴者たち『ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!』

 

 

 

 

 

 その日、世界の人々の心は、恐怖とトラウマでひとつになった。・・・一時的にだけね?

 

 

つづく




「い、やん、脱ぐー!」=「フィン・ファンネル」

御後がよろしくない様で・・・。チャンチャン。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。