IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

65 / 115
幾つかの作品を並行して書いているのですが、とりあえずは最初に言霊ISです。

本来なら少佐VSシンとの戦いを描いた回を投稿したかったのですが、何人かの方に試作品を読んで頂いたところ自分のシンに対する理解の浅さが際立っていたので、後に番外編として追加で書かせて頂きたいと思い、普通に開戦の続きを書かせて頂きました。

作者の未熟さと我侭に突き合わせてしまってばかりで本当に申し訳ございません。

追記:
いま読み返したら解り辛かった部分の補足説明です。
湾への入り口がエクスカリバーⅡが座礁したことで大型艦に乗ったままでは逃げられなくなってますが、小型艇なら十分に脱出できるスペースが残してある状況です。
ただし、その事に気付いているのは前方ではなく後方にも目を配れる位置にいる奴らだけで、残りは目前の脅威に対処療法で挑んでるだけです。
セレニアにとっても予想外の壊乱ぶりなため、結構彼女も慌ててます。何かと計算違いが生じやすい頭脳労働タイプの女の子がセレニアですから。


60話「惨劇の昼。満願成就の夜は我らの直ぐ目の前に迫ってきている!」

「フ~ン♪ フ~ン♪ フフフフ~ン、フ~ン~♪ 

 死をもたらそう、敗北とともに。

 勝利をもたらそう、君のために。

 最後の戦いに今この点呼は鳴り響く~♪

 我ら既に闘争準備は万端なり~♪」 

 

 戦闘開始から更識簪はずっと戦域の外周を飛び回りながらホルスト・ヴィッヘルのリードを歌いながら、V1ミサイル改を適当に撃ちまくっていた。目的は敵艦の撃沈ではなく航行不能を狙っての破壊である。

 乗艦だけを使えなくして乗員だけを生かしたまま後方へと逃げ去らせる。いや、追いやる。安易なヒューマニズムによる人命尊重とは真逆に位置する非人道的な戦術。

 

「遠方から遙々やってきた遠征軍艦隊。それらの内、物資食料その他を満載した艦だけ残して乗員はほぼ全員を生き延びさせて自ら裏切ったはずの本体へと合流させる・・・、ふふふ。友よ、彼女はーーマルグリット君は本当に日本人なのかい?

 アレは、生まれる場所と地位と時代とを間違えでもしたら本気で世界を一変させかねない戦争の火種に成りかねんぞ?」

『彼女は特別だ。いや、特殊であり異端でもある。生まれついての特質を成長するに従って、歪みを大きくし続けていった。

 彼女はあまりにも純粋すぎるのだよ。矛盾しているのを承知の上で、何かを信じて貫いて。叶うはずのない夢と信じ続けて、叶えるための努力を諦めながらも続ける事をやめようとはしない。

 アレは『そうあれかし』と叫んだところで何も変わることなどないと呟きながら、目前に立ちはだかる課題の処理について思案する、与えられない道を自らの思考で探し続ける道を選んだ求道者だ。誰も彼女を止めることなど出来はしないさ。それこそ殺さない限りは足を失おうと腕をもごうと這ってでも前に進んでいく気しかない事だろう。

 あの生き方を貫けるのは私の知る限りでは、彼女の他にもう一人だけ。我が愛しき女神だけだよ』

「キミの趣味趣向に口を差し挟む気はないが、ノロケる相手ぐらいは選んで欲しいねぇ~」

 

 気楽な調子で自分との会話を楽しみながら簪少佐と、水銀簪は破壊をもたらし続けていく。生き延びようと逃げた先にある確定した死の運命へと人を追いやるためにV1ミサイル改を創造しては撃ち続ける作業を繰り返していたところ、唐突に後方から轟音が響いてきて何かを撃ち上げる音が聞こえてきた。

 

 振り返り、振り仰ぐと、空には軌跡を描きながら天高く飛翔していく一本の煙。

 

「信号弾とはこれまた古くさい物を持ち出してきたものだ。彼女にはそう言う趣味でもあるのかね?」

『少なくとも、無いことは無いのだろうな。彼女の言動には時折時代を感じさせる物が混じっていた。もう一人の女神には見られなかった特徴だ。同じ純度と同量の魂をもった存在だろうとも、中身の質には変化が生じるものだ。

 その程度で私の愛が揺らぐことはないとは言え、個性を無視するのは愛を語る者として些か以上に不適格と言うべきであろうな。大事なのは見た目でもなければ性格上の些細な相違点でもない。私が彼女を愛していると言う一点のみが重要なのだよ』

「それがストーカーとどう違うのかは戦争愛しか知らない私の把握しうるものではないがね。ひとまず後退の合図が上がったことだし小休止といこうじゃないか。戦争中にだって休み時間は必要だ」

 

 セレニアは、信号弾の色により命令伝達を行うために最低限度の符号を用意してあった。今回のそれは後退と帰還を指示する色。倫敦の時とは違って今は指揮官ではなく最前線の兵士として参戦している少佐は現在のところ命令無視する確たる理由を持ち合わせてはいない。

 故に指示には従う。この後におもしろい余興があることを知らされている。ただそれ故に。

 

『いいのかね? 敵の艦を残しておいてやっても? 沈めてしまった方が窮鼠猫を噛むの暴挙に出てくれて君好みの展開になりそうだと思うが?』

「それは私も考えないではなかったがね・・・とりあえず、“今は止めておこう”」

 

 曖昧な表現を用いて答えてから、少佐はあくどい笑顔に狂気じみた戦争狂の笑みを浮かべると一人ごちるように呟き捨てる。

 

「最後の希望を奪われた兵士たちが死をも恐れぬ死兵となって挑んでくるのを、機関銃の一斉掃射で薙ぎ払うのは定番だがね。今回に限っては寄り面白くなる仕掛けを敵司令官殿みずからが仕込んでおいてくださっている。

 私のとは異なる、呪われた髑髏の旗を仰いで戦ったことがあるであろう大隊戦友諸君以外の朋友よ。君は今度は何を魅せて私を悦しませてくれるんだい? 楽しみだな~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アズラエル予備役少将閣下! 脱出用の小型艇の準備が整いました。早急に本体へ合流しましょう!」

「そうですよ閣下! 今は敗れて敗北の泥を被らされましたが、生きている限り雪辱の機会は必ず訪れます!」

「その通りです閣下! ご決断を! 一刻も早く我らに退艦命令を! 敵が迫ってきております、急いで!」

 

 部下どもの・・・否、バカどもの進言じみた保身的発言にウンザリしつつも、アズラエル自身、退艦及び撤退以外の選択肢が残されていないことは把握していた。選び迷っているわけでなければ、プライドに固執して逃げ出せなくなっているわけでもない。

 ただ単に、彼には撤退許可を出す権限までもは与えられていなかった。それだけのシンプルな理由だったのだ。

 

 言うまでもなく彼らは御曹司であり、Ⅱ世組だ。艦隊指揮権にしても一時的に父親から預けてもらっているに過ぎなかったし、親たちから完全フリーパスで許されてるのは日本国の蹂躙だけだ。

 戦闘時にどれほどの命令をしても良いのかにしても、頭でっかちで七光りでしかない彼らには正しく理解できていなかったのである。

 

 更には、各分艦隊司令官たちとの兼ね合いが大きな厄介事として親から押しつけられていた。彼には彼らに対して『要請』以上の行為に及ぶ権限が事実上与えられていなかったのである。そしてそれは、各分艦隊司令官たちにとっても同様の事情があったのだった。

 

 

 ーー実の所、今回の作戦開始に先立って行われた作戦会議時に於いては、遠征艦隊の規模はもう少し小さいものだったのだ。ジャミトフからもロックウェルからも了解を得た妥当な数だったはずの艦隊が、多すぎて味方同士の移動に支障を来すほどの大所帯になってしまったのには理由があった。各種企業からの参戦枠が予想以上に多すぎたのである。

 

 結果、彼ら財団所属の高級士官たちのほとんどが軍官僚だけあって座る椅子の順位にこだわり、『同格司令官多数の中で最高位に付くべき士官を戦闘における手柄立てで決めるべきである』として場を収めるのに使った口実が、今更になって毒としての効力を付与させてしまっていたのだった。

 

 あくまで経済面での次代を担うことを期待されていた彼らをして、最前線へと送り込んできたのは父親の世代。

 この愚考は、安全な本国から一歩も出ようとせずに前線を遠く離れた後方から戦争をコントロールしようとした経済官僚出身者ならではの内向きの思考が原因だったと断言できる。

 彼らは十年と少しの間に特別扱いされ過ぎて、親でさえ世間にスポイルされてしまっていたのだった・・・。

 

 

 

 平和な時代には役人の中でも特に際だって権力が集中しやすいのは官僚であるが、ISと言う武力によって始まった新秩序を維持し続けるために政権側が選んだ選択肢がISを産業として根付かせることであったのは間違った選択とは言い切れなかったであろうが、それを実行段階で敗残者と見下す男たち――特に官界関係者の財界人――に任せてしまったのは間違いなく過ちであったと断言できるだろう。

 

 十年と少し前から始まったIS時代。この間に行われた改革や変革、政治的変動は歴史に残るほど大きなものであり、永久に忘れられることの無い大偉業だと世間からはもてはやされてきた。

 

 IS運用協定、通称アラスカ条約の締結。

 IS委員会の設置、IS学園の設立に第一回モンド・グロッソの開催。

 

 どれも歴史的な大イベントであり世間から女尊男卑政党が諸手お上げて賞賛されるに値する偉業でもあった訳だが、その実これらを平行して行うために使える人員が彼女たちの手元には存在してはいなかった。

 四方八方に手を回して頭数だけでもかき集めると、見栄えだけを良くしてからテレビの前で新政権の樹立と新時代の到来を歌い上げた当時の女性大統領はある意味では賢明だったのかもじれない。嘘で生まれた時代を笑顔で賞賛している人々には、欲しがっている形で嘘を与え続けてやるだけで十分すぎると判断していたのだから・・・。

 

 世間が絶賛する、古くさく黴の生えた法律から新しき時代に合わせて柔軟に変化させたと嘯いてきた法改正の乱発。見た目だけは派手な政治ショーではあっただろうが、空っぽの中身を覆い隠すためにも華麗に着飾る必要性があっただけのことである。

 

 

 法律でも条約でも何でもいいが、何かを決めただけで施行されるわけではない。実行段階で数多くの課題をクリアーせねばならず、その際に必要となるのは少数精鋭部隊のISではない。

 ただただ地味な努力と下積みを経て成熟し得た凡人たちの集団ーー泥臭い地味な作業を実行してくれる人員こそが何よりも貴重で重要なのである。

 

 結成したばかりの女尊男卑政党にはそれがない。その為に彼女たちは事の始まりからずっと男たちへ借りを作りながらの政権運営を強いられねばならず、そのストレスが過剰なまでのIS操縦者育成及び実質的な特権階級への昇格を強行させた理由の一つにもなっていた。

 

 彼女たちは急ぎすぎたのである。『白騎士事件』とISを利用して自分たちが中核をなす男女混合政党を作り、時間をかけて女性政治家や官僚を育成しながら最終目標として女尊男卑社会を造り上げることはこの場合不可能ではなかったのに・・・。

 

 そしてそれが今、男であるアズラエルの足を引っ張っていた。各種企業はいずれもIS産業の発展において重要な基幹部を成しており、業種も重なる部分が少ないため与える特権の質と量で調整が利き、事実上同格の司令官が同じ戦場に集中しすぎてしまう異常事態を招いてしまっていたのだ。

 この状態では誰か一人が逃げ出したところを背中から撃たれても非難は出来ない。他の同格指揮官たちが良しとしてしまえばそれまでだからだ。

 

 治外法権じみた特権にまで足を引きずり込まれ、泥沼の底の底へと沈み込んでいきつつあったアズラエルに救いの手を差しのべたのは非常に意外な人物。

 

 長らく海の底で機雷の敷設作業に当たっていたペアのラウラをセレニアの元へ返した後で、ふと頭上の会場を見上げた“彼”は喜びを満面に浮かべながら呟いていたのである。

 

 

「金的だ! 凄いぞ! 艦を陥せる! 城落としならぬ艦陥しだ! ひゃっはーーっ!」

 

 ・・・訂正。呟いてないですね彼。どこからどう見ても叫んでますよね彼。

 

 とにもかくにもセレニアに命じられた湾内への出入り口を小型艦以外は通れなくしといて欲しいという願いを叶え終えた彼は、ぶっちゃけ暇してたのである。

 あと、手柄が欲しい。手柄首が欲しい。首を手柄として持って帰らなければ覆面ゲルマーン師匠(そう名乗っているらしい)に合わせる顔がないと、内心では相当に焦れていたのである。

 

 そんな彼の前に今、見上げた先の目前に。パイロットにとっては最高の栄誉、金的が隙だらけの腹を見せて動きを停止していたのである。

 これを討たねば日の本男子に非ず! 男が女に対して、婦人に対して男ざまを見せならぬ時に凡百の市井の男共のようにしか振る舞えなかったとあっては己への恥辱に他ならない。

 それでは惚れた女子の前に立ったとき、俺は男として起てん!

 

 

 ・・・・・・時代錯誤ここに極まれりである。いったいこの男、どこまで行くつもりなのだろうか? 完全に思考法と価値基準が大日本帝国志願特攻兵もどきになってしまっている。

 

 この世界線だと忘れられがちではあるが、織斑一夏という少年の思考には妙に帝国海軍めいた点が幾つも見受けられていた。

 

 特に、異性に対して示すべき男の在りようと言う考え方は、謂わば力の示し方如何でしかないと考える当時の時代が青少年たちに強制して要求した価値基準そのままなのである。

 

 それが鬼畜米英相手の戦の中で眠りから目覚めた本来の一夏の謀反であったのか、あるいはただ単に戦闘の高揚感に当てられて性的欲求不満を解消できる対象を求めていただけだったのか、後になってから判別できる者などいるはずもないことだが、とにかく今の一夏は興奮していた。そして戦いに血を滾らせていた。

 それこそ魂からの雄叫びが海よ割れろと叫んでいるかの様に。

 

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!!

 魂ィィィィィィィィィィィィっ!!!!!!!!!!!」

 

 ーーいや、お前それ国が違うし、時代も違う。

 武将は武将でも戦国じゃないと思うのだが・・・あと、国籍がセカンドと被ってないか?

 

「気にするな! 些細な違いだ! 大切なのは俺の魂を熱く滾らせてくれる敵と戦いとオッパイがそこに在るか否か。それだけである! うおおおおおおおおっ!!!!!」

 

 注:そこには全部無い。

 

「征くぞ!

 旋風! 暴風! 爆裂! 大烈! 激烈! 撃滅瞬殺抹殺必殺!!

 嵐よ起きろ! 海よ震えろ! 今こそ俺は、天をひれ伏させる!!

 秘技! 《ディープブルー・ワーンサマー!!!!!》

 (訳:蒼き深海から飛び立つ猛禽・禁断の災禍。注:語呂も合っていないがノリで叫ぶタイプのためツッコむだけ無駄である)」

 

 無意味な叫びとともに一夏は右手に妄想力を集め出し、凝縮させていく。

 男の邪な想いだけで綴られた純粋な性欲が禍々しい紫色の妖気となって彼の周囲に纏わりだす。

 

「死風! 海割り斬!!(ワンピース風。カッコいいと思うキャラはゾロ)」

 

 負の情念を纏った刃を一閃。あっさりと海が割れた。ーーその刻、モーゼの涙が見えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーそのころの海上では。

 

 ドォォォォォォォォォォォッ!!!!

 

 

「な、何があったーーーーーーーーっ!?」

 

 アズラエル大パニック。

 どっかの世界線では日本みたいな国に攻め寄せて数で圧倒できた彼だったはずだが、この世界線には異常者が多い。多すぎる。余りにも多すぎる異常者たちのエゴの前に立ちふさがるには彼の悪意は些か以上に細やか過ぎたのだ。

 せめて自分一人の絶望を理由に地球人類抹殺計画を練られるレベルじゃないと、ガチな変態と戦争狂共の相手は出来ません。

 

「う、海が割れましたーーーっ!! スクリュー無事なのに回ってるのに海上に出ちゃってるから何の役にも立ってませーーーっん!! 沈むことすら出来ないーーーっ!!

 もうヤダ、この国! 超常現象のオンパレードじゃん! 聖書の世界創世どころじゃないじゃん! 滅ぼせるじゃん世界なんて、この力があったらさー!

 お願いだから世界観違いすぎる別時空からこんにちはしてくるんじゃねぇっ! 招いていないお客様共ーーーーーーっ!!!!」

 

 操舵主がそこいらにあった適当な椅子に掴まりながら必死の表情で報告と感想を上げてくる。

 彼が知る由もないことだが、今この場にあって一番正確な論評をしたのは彼だった。彼しかいなかった。変態と戦争狂と妖怪と狂気の暴将が乱立して攻め寄せてきてる海域にあっては常識人は非常に希少価値の高い存在であったが、残念ながらその価値を理解できる唯一人の人物はIS学園にこもったまま出てきていない。

 今この場に降り立ったのは、元妖怪で現暴将である。どっちもヤバさでは同レベルなので訪れる未来に変わりはないのが悲運の中に見つけた細やかな幸福であっただろう。たぶん。気づけたかどうかは知らないけどな。

 

 

 

 ーースタッと。

 

「ひっ!? な、なんだお前は?」

「・・・礼服、拳銃、銃剣なし、軍刀なし。護衛兵有り!

 なぁ、大将だろお前。大将首なんだろうお前!? だったら首置いてけ! 雑兵の首に興味無し! 価値もなし! ただ大将の首だけを所望候え!」

「ひっ! ひ、ひぃぃぃっ!!!??

 わ、わかった! 降伏する! 投降して罪に服するから命だけは! 命だけはどうか! ・・・な? 判るだろう? ここは国際法に則ってボクの命だけでもどうか・・・」

「・・・・・・民百姓を砲筒で吹っ飛ばしておいて、己が身に危険が迫れば命請い・・・前言撤回だ。貴様の首はいらん。命だけ置いて冥土へ逝けいっ!!」

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!! だ、誰か助けーー」

 

 シャキィィィッン!

 

 ・・・・・・ぼとり。

 

「躯を持って去れい。糞だろうと人は死んだら死体という名の物になる。どんなに憎かろうとも、死ねば同じ死体だ。丁重にお返しいたす。弔ってやれい。では、さらばっ!

 とぉぉぉぉぉぉぉっう!!!」

 

 ジュワッチ! ・・・思わずそんな掛け声を出してそうなポージングをしながら飛び去っていった一夏を見送った旗艦ブルーコスモスの艦長は、即座に乗組員すべてに退艦命令を発令し撤退。

 

 こうして日本再占領作戦一日目の戦闘は終了する。

 本来ならまだまだ戦えたはずの米艦隊が戦力の再編成を口実に一時後退したからであったが、敵司令官マイントイフェルの狙いは戦場とは別の所にあった。

 

 

 

 

「さて、生まれたときより労働という物をしたことがない若様方に苦労の味を知っていただくとしようか。なぁに、死の恐怖を前にすれば誰だって必死ぐらいにはなれるものだ。問題はないさ。

 少なくとも、自分一人だけでも助かるために誰もが皆、命がけで働いてくれるようになるはずだ。処刑台から一歩でも遠くにある地獄へ続く暗い穴へと落ち行くためにね。

 くっくっくっく・・・・・・」

 

 太洋をまだまだ血に染める予定らしかった。

 

つづく




電池容量の関係から書けなかったのですが、本来の流れだとアズラエルが退艦許可を出せなかった一番の理由は艦の腹の中に大量に積んだままになってる陸戦用EOSが無傷のまま残っていたから、と言う物でした。

戦車を改造したもののため戦闘機よりかは安価で手に入り易く、コネもあるので大量に受注して持って来たところ、いざ何もさせずに捨てようと言う段になって急に大損した気分に陥り決断を鈍らせ、「あれだけあるんだ。上陸さえできればきっと・・・!」と言う自己正当化のための妄想に逃避していたからと言った風にです。

また、彼がアメリカ人でありながらノルマンディーを想起できなかったのは、女尊男卑政党が政権を握ったころに士官学校に入学した世代であり、IS絶対思想を植え付けるために世界中のあらゆる歴史上で起きた事件が「あの時ISさえ存在していたら・・・!」な感じに書き換えられていたためだったと言うオリ設定があったりしました。

今作世界だと女性は悪ではありませんが、女尊男卑思想による急速な改革は絶対悪扱いになってしまいますよね。
男尊女卑も女尊男卑も平等に大嫌いな作者故ですので御目溢しのほどを(深々と土下座)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。