IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
本編が終わった後には前からやりたかった鈴・セシリアルートのガチレズ展開とか書けたら良いなーと思っております。
尚、次に引き継がせないためにも血を流し尽す勢いで書いてますのでキツイかもです。読む場合にはお気をつけ下さいませ。
追記:
書き忘れておりましたが今話を投稿する際に『投稿話数』と言うのを見つけましたので(今まで存在自体に気が付かなかったアホ作者)次からは有効活用して投稿させて頂きますね。
――ぶっちゃけ、不便過ぎたがために出さなかった企画が多いので・・・(汗)。
ーーーズガガガガガガガガガッ!!!!!
『撃て!撃て!撃ちまくれ! 敵は一人だ! 一発でも当たればエネルギーが削れて有利になれる! 艦隊全体が勝利するためにも捨て石になる覚悟を決めるのだーーっ!!』
・・・敵艦内に潜入した俺は、マシンガンを花束代わりに持ってくる米海兵の皆様方による歓迎会に付き合わされ続けていた。
当たり前の話だが、『白騎士事件』勃発前より戦艦は造られ続けているし、国が保有する全ての艦船をIS搭載前提の新型に機種交換するぐらいならIS産業がやる必要そのものがない。
当然、この船の内部も戦艦らしく狭苦しい。つか、IS展開したままだとつっかえて進めなくならないか? この場所って・・・。
避ける為に動き回れる空間的余裕がない艦内での戦闘は、廊下に銃兵を隙間なく敷き詰めて携行火器で迎え撃ちさえすれば問答無用でISのエネルギーは削りまくられてしまう。壁やら天井やらも突き破るには鈴の衝撃砲ぐらいは必要だ。
ISバリアを削ることに特化している俺の零落白夜は、あんまし使い道がなかったりする。
おまけに何故だか出っ張っている肩アーマーとかのせいで当たり判定がデカいし、白式の艦内戦闘ものスッゲェ戦いづらいかも。
「ま、そう言うときには必要とする物資を現地調達だな」
俺は『孫子の兵法』にあるセオリー通りに現地で徴発してきた『ソレ』を手に持ち、脚部のバーニアで軽く短距離ダッシュ。
ーーーダッ!!!!!
『なっ!? アイツ、船室の扉を盾代わりに使って突撃をーーーーぶふぇっ!?』
グシャっ!!
『た、隊長殿ぉぉぉぉぉぉっ!?』
「邪・魔!!」
ブォンッ!!!
「ぐべばぁっ!?」
ブシャッ!!!
・・・適当な船室から引っ剥がしてきた鉄製の扉を盾代わりにして弾を防ぎつつ、短距離ダッシュで走り抜けることで敵兵たちを挽き潰し、ダッシュを終えた直後の着地ざまに突撃進路上から外れてたから仕止め損ねた生き残りを裏拳使って頭部をズバン。脳髄ぶちまけながら即死させてやった。
ISで人を殺すのに銃一発撃つ必要はない。パワーアシストシステムを使えば生身の人間なんて素手でも問題なく殺戮することができてしまう。
その危険性をわからせるための戦である以上、俺は躊躇せねばならない理由を微塵も見いだすことができなかった。
戦国時代に使われていた攻撃用の盾である『板盾』は、IS武装としても十分有用そうでなによりだ。戦艦内ならどこででも手に入れられるし補給にはこと欠かん。
手に持つための腕部と、ダッシュするブースター付きの脚部だけ展開してればいいのだしエネルギー節約にもなって一石二鳥である。
戦における補給の基本は現地調達。ハイテクもいいが、時にはクラシックな殺り方も悪くはあるまい。
「さて、次だな」
俺は再び走り出す。飛びはしない。単機で敵地侵攻しているため無駄遣いできないのだ。節約できるところでは節約しなければならない。
兵士の移動は歩くか走るかのどちらかだけであるべきなのだ!
『なっ!? 貴様、そんな所から・・・・・・(ズバァッ!)ぐはぁっ!?』
『おのれ卑怯者め! 姿を現せ! ーーー(ブォンッ! グシャッ!)ふげぇっ!?』
・・・・・・ISを展開したりしなかったりと状況に合わせて切り替えながら進んでいく俺は、時にダクトの中から飛び出して切りかかったり、現地調達した発煙筒投げた後、声の聞こえた方向に船室の扉投げて押しつぶしたりといった、生身の人間にはあんま参考になりそうにもないゲリラ戦術を行いつつ先を急ぐ。
なにしろ数が違う。卑怯だ何だのと言う表現は、圧倒的多数の中に単身飛び込んで暴れている相手に言うべき言葉ではないと思うのだが、言いたくなる気持ちも理解は出来る殺り方ばかりでいい加減ウンザリしてくるほどだ。
・・・祭りの最後を飾るのが楽しくも何ともない、胸くそ悪くなりそうな殺戮とは・・・これも人殺しで世を変えようとした俗物の負うべき業ってものなのかねぇー・・・。
「ーーーっと、イカンイカン。そろそろ徹甲弾撃てる奴らが出てくる頃合いか。やり方を変えにゃあな」
俺は走るスピードを緩めて、変化した戦況と戦場を分析してみる。
セレニアから聞いた話だが、ISバリアは受けたダメージによって消費するエネルギー量が変動する以外ではフェイズ・シフト装甲って名前の物に近い性質を持っているらしい。
一発当たれば同じ量減らされる訳ではない以上、完全に同一の対処法はできなくても場所と状況次第では同じ方法で対処されてしまう可能性が高いのだと。
具体的には当たるダメージで減る量は変わるが、早さがウリのISには当てること事態が難しく、自由に動き回れる広い空間や広大な空なんかだとダメージ量より当たること自体が問題となりマシンガンとかの掃射系武器がやっかいになる。
逆に、動いて避けるだけの余裕がないスペースとかだと当てることは考えなくていいから、通常装甲では防ぎようがない攻撃力を持った射撃武器が最大の脅威になってしまう。
場所が変われば条件も変わる。俺が書いてる『IS学園H×H』でも今まで何度も書いてきたバトル要素だ、忘れはしない。セレニアのデカパイを見る度に思い出してきた!
だが一方で、白式は悲しいほどに分かりやすい一芸特化型だ。変化する状況に応じて適応できるだけの器用さがない。
刀一本がメイン武装で、後は借りれば軽機関銃もてるだけだもんなー。
この装備であらゆる戦場に対応できるようになるためには、刃の無い刀で『タオ』を使って見えない刃をのばして敵を刺し殺せるようになっとく必要があるのか・・・どこまで俺は人間やめればいいのだろう・・・?
「ま、ここは正攻法として『奇襲』による不意打ちだろうな」
俺は断を下して卑怯卑劣な手段OKの方針でいくことにした。
真珠湾でのことから悪いイメージがついてる奇襲だが、桶狭間も一ノ谷も奇襲で勝ってるし(『逆落とし』は嘘話だが)池田屋事件だってパーティー中に奇襲しかけて京都大火を阻止してる。
忠臣蔵に至っては深夜に徒党を組んでの押し込み大量殺戮事件、火付盗賊改方はなぜ出動しなかったのか謎に思えて仕方がない凶悪事件だけど英雄譚扱いされている。
数で押して勝てるのならば、誰だって正攻法で行くだろう。しかし現実の戦争はそんなに恵まれた状況ばかりじゃない。使わなくていいなら奇襲も卑劣な手段も使おうとするバカなどいるはずがない。
数をそろえた騎馬武者突撃という正攻法を、大砲やら新式銃やらで近寄られる前に撃ち殺した鳥羽伏見の薩長だって卑怯と言えば卑怯だし、火で包んだ船を特攻させて敵兵を燃やしまくってる赤壁のときの劉備に『義』なんてものがあったとは到底思えない。
それでも彼らは英雄だ。そう言うことに、今ではなっている。戦のやり方に卑怯もヘッタクレもないことの良い証左だろう。
『ルール違反を犯した者には相応のペナルティが与えられるのが現実の戦争だ、勝つためには手段を選ばないのが戦争だなんて現実を見ていない』そんな戯言を恥ずかしげもなく言い立てる奴らの方こそ現実の戦争を見れていない。
時代が違うのだ。平和な時代の倫理観で動乱記を生きた人間たちの心理を勝手に決めつけるな、気持ち悪い。平和な世に生きる者たちと、戦で人殺さないと生きていけない時代の人間たちとでは違いすぎてて比べようがない。別世界に生きるもの同士を比べ合うのに手前勝手な基準だけを用いても意味なかろう。
力があれば法を犯してもよいことにはならないが、現実として強者を相手に正義が貫かれるのはいつだって強者が弱くなった後の話なのだから・・・・・・。
「ーーーと、言うわけで次はこれだ。扉盾もって進んでいって、十字路の直前でストップ。武器庫から拾ってきた手榴弾をポーイっと」
ーーーズドンッ!!
『くっ! 煙幕のつもりか・・・構わん! 撃て! 見えなくなっただけで消えたわけではない!』
「その通り。だからこそ俺は曲がる」
十字路の左右で待ちかまえていた徹甲弾撃てるんだろうデカい銃の持ち主(だと思う)を挽き潰すため、盾を横に持ち直してからブルドーザーみたいな感じでダッシュ。誰かは知らんけど潰した感触を感じたら逆ターン。反対側の通路に向かってブルドーザーダッシュ。これで(たぶん)大丈夫。
「さて、残ってるのはお前だけだけど、殺すぞ?俺は。いいよな?」
『き、貴様どうして我々の作戦を・・・』
「ん? どうしても何も、お前らからは覚悟が見えていたのでな。死ぬ覚悟で挑んできている以上は、捨て駒になってでも敵を共倒れさせようとする囮戦法は定石だろう。
そんな中での十字路先で、今まで通じなかった正攻法を律儀に守って待ちかまえていたら十字路が怪しく思えるに決まっている。
ついでに言えばーーーーーよっと」
シュッ!
ーーーーザクッ!!
『ぐわっ!?』
「伏せてある隠し扉かなんかの兵も、味方が全滅させられて勝ち誇っているところを不意討ちしようと狙ってくる。
人間を陥れるための罠を張るときには、獲物を狙う猟師の気持ちではなく、向こうも自分を見つめ返している奈落の視点で考えた方がいいぞ。破られること前提で二の手、三の手の罠を張っておいた方が絶対にいい。・・・俺もそれで貝木のオッサンには酷い目に遭わされたからなー・・・」
そこいらで切り捨てた米兵が持ってたから拝借してきたアーミーナイフを投擲して、悲鳴と肉を裂く音が聞こえてきたので、目の前にいるソイツが持ってる歩兵銃を持たせたまま体ごと振り向かせて指先の上から手を握ってバンバンバン! ・・・片づいた、と。
『わ、私自身の手で部下の命を・・・・・・この悪魔め! 地獄に落ちろ!』
「人んちがある国に占領目的で攻め込んできた奴らに言われたくねーよ」
『・・・・・・!!!』
「あと、心配しなくても俺たちは一人残らず死んだら地獄行き確定組だ。これだけのことやらかして死後の安楽な生活まで期待してたら図々しすぎるじゃねぇか。
俺たち日本人は謙虚なんでな。殺戮で勝利と平和を得ておきながら、「正義のための戦争だ。単なる人殺しじゃない」とかほざいて死んだ後の幸せまで望むような欲深さとは無縁なんだよ」
『・・・・・・』
「だから安心して先に逝っとけ。ーーまた後でな」
ーーーパチンッ!!
盾を手離した右手と最初からあいてる左手で、柏手を一発。相手の頭をパンケーキにしていたところで耳元から「ううう・・・」と女のうめき声が聞こえてきた。
クロエの奴・・・見なくていいと言っておいたのに、まったくあのバカは。
「(ピッ)・・・おい、クロエ。聞こえているな? 聞こえていたら早く映像を切れ。
お前の役目は船内を撮影している映像と、俺の白式に取り付けたガンカメラで撮ってる動画をネットにつないで全世界強制同時生放送することであって、俺が主演の殺戮劇を鑑賞することじゃねぇだろ。出撃前にも言っておいたじゃないか。
悪いことは言わないから、さっさとこんな気色悪い映像はブッた切れ。死ぬぞ本気で、体じゃなくて心がな」
『う、うううう・・・・・・大丈夫、まだいけるから・・・。私は見届けなくちゃいけないと思うから・・・。見届けなきゃいけない側にいる人間だと思っているから・・・・・・』
「・・・・・・ちっ」
女は変なところで頑固になるし、覚悟を決めたときには男よりも血に耐性ついてるから性質が悪い。必死に耐えれるところなんかは最悪としか言うべき言葉が無いほどだ。
『耐えること』と『慣れること』は違うものだし、『平気になる』ともだいぶ違う。『受け入れる』に至っては全くの別物な上に『この道を行くと自分で選んだ人間』の壊れた心と一緒くたに思われてたのでは俺の方が困るんだけどな。
『私は・・・殺戮の当事者側の人間だから・・・。
こんな狂った終わり方をしちゃう時代をつくった側に立ってた人間だから・・・』
「・・・・・・わかった。気持ちは尊重してやる。問題ないと判断できるところまでは見ていていい。
ただし、少しでも我慢できないと感じたら直ぐに切れよな? 別にお前がいくら自罰したところで死者は生き返られないし無念の思いも晴らされることは決してない。遺族たちにしてみたら自己満足の極地でしかない感情論だ。
罪償いしたいなら、今の時点での負担は最小限に抑えとけ。わかったな?」
『う・・・ん・・・・・・。わかっ・・・た・・・』
「ーーいい子だ」
会話は終えたが、通話は切らないまま俺は再び走り始める。
次からは出来るだけ爆発による爆殺でしとめることにした。こっちの方がIS操縦者のクロエにとっては見慣れてる光景に近い分だけ負担が少なくて済む。敵兵の生き残りが少なくなってきてからの事で良かったぜい。
『・・・戦争を終わらせるためには血が流れていなければならない。そうしないと人々の心に降り積もった恨み辛みの垢を洗い流すことは出来ない。
その為の犠牲を殿艦隊だけに担わせることで結果的に犠牲を少なくして戦争を終わらせるためにも、白式に白騎士の醜悪なカリカチャを演じさせる・・・・・・今回の作戦はそういう趣旨のものだと出撃前にあなたから聞かされました』
しばらくして落ち着いたのか、普段の敬語口調に戻ったクロエが詰問口調で俺をなじりだす。
『・・・・・・でも、本当にこれが必要なことなのですか!? こんなに野蛮で凄惨で非人道的なおこないが、戦争という悲劇を終わらせるためには必要不可欠なのだと、イチカは心から信じて断言することが出来ると言われるのですか!?』
クロエの絶叫。殺戮という不条理に対して怒りの声を上げられてるところを見るに、心が壊れることも慣れることも無かったようだな。・・・強い子だな、コイツは。
ーーーただ、疑問の内容そのものは非常にお粗末すぎるものではあるけどな。
戦争を終わらせるのに殺戮は必要か否か? はん、バカバカしい。そんなもの聞くまでもなく答えは阿呆にだって分かるだろうによ。
だから俺は答えた。分かり切っている答えをハッキリと一言だけ。
「わからん」
ーーーとだけ、単純明快すぎる事この上ないお言葉で。
「わからんし、わかるはずもない。俺たちはこれを見せて世間に『こう思ってほしい』と願うビジョンがあるが、それを世間の連中から共有してもらえるだけの義理はもっていない。
俺たちの勝手な願望の押しつけを向こうがどう捉えるかなんて、わかるはずがない。そんなものは向こうが決めることであって、俺たちが決めていい事じゃあない。
俺たちに出来るのは『そうなると信じて行動すること』ただそれだけだ」
断言した俺の言葉に衝撃でも受けていたのか、しばらくのあいだ沈黙していたクロエが猛然と反発しはじめて、
『そんな無責任な! これだけ多くの犠牲を払わせてまで実現しようとしている平和な世の中なんですよ!?
それなのに実現するかどうかを決めるのは会ったこともない数十億人の赤の他人たちだなんて、そんなこと・・・・・・!!!!』
「だとしたら、どうすればいいと言うんだ?
人の心をマインドコントロールするために全世界洗脳マシーンでも束さんに頼んで開発してもらうか? それとも無人ISを大量生産して全世界征服し尽くして全人類から自由意志と決定の権限を奪い取って支配する、人類家畜化計画でも実行してみるか?
人が死なないディストピアも、戦争が続く世紀末も不幸度は似たようなものだと俺は思うんだがねぇー」
『・・・・・・・・・ッ!!!!』
ヘッドセットの向こう側で声を飲む気配を感じた俺は、そう言えばコイツは機械みたいに育てられてきたと聞かされてたなと思い出していた。
なにかフォロー入れた方がいいかな、と考えていたところで司令官室ぽい部屋の前にたどり着いていた。・・・ひとまず会話の続きは後回しだな。
「たーーーーーのもーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!!!」
どっがーーーーーーっん!!!
扉を蹴り破って不法侵入する戦国城攻め風「お邪魔します」をしながら入室した俺を激しい憎悪と共に睨みつけてきているオッサンを中心に円陣を組んでた連中がお出迎えしてくれた。
「やはり来たか! 白い死神!」
オッサンが吠える。
「貴様らはいつもそうだ! こちらの手が届かない場所から一方的に攻撃してきて、反撃しようとすれば逃げ出して姿を消してしまう!
勝ち逃げを誇る卑劣さを恥じない度胸はあるのに、正々堂々戦おうとする勇気はない! 一方的な敵を殺せる殺戮劇がそんなにも楽しいか!? 愉悦だとでも言いたいのか!?」
「圧倒的多数で逃げ道を失った島国を包囲殲滅しようとするのは、そんなに名誉で誇りに感じられる行為だったか? 覚悟を決めての侵略戦争は愉悦だったか?」
「・・・・・・ッッ!!!!」
「戦に名誉も栄光もない。あるのは生と死、勝つか負けるかがあるだけだ。強いか弱いかも絶対的なものではない。
運が悪ければ死に、運が良ければ生き残れる。俺がここまで生きてたどり着けたのは、運良くISを動かす才能に恵まれてたから。そして敵であるお前らの誰にも同じ才能の持ち主が居なかったから。それだけだ。楽しいだの、つまらないだの感傷的な付属物が戦の勝敗に関係するかよ阿呆めが」
「き、貴様・・・・・・貴様はぁぁぁっ!!!」
オッサン、再び吠える。
「貴様ら極東の猿どもには、命懸けで立ち向かってくる戦士に払うべき敬意すら存在しないのか! ジャップめが! 蛮人めが! 原始人にも劣るイエローモンキーめらが!
貴様等はいつもそうだ! 我々アメリカ人が命懸けで敵と戦っている最中に、金だけ払えばそれで義務は果たしたとばかりに遊びほうける! なにか問題があればアメリカに頼るしか出来ないくせに口先だけは一丁前に対等対等、同盟同盟、平和平和とほざきおる!
貴様等に正義など無い! 貴様等にアメリカの正義のもとで統一された平和な世界に生き残る権利など存在してはいないのだからなぁーーーーーっ!!!!」
「正義は無いという点には同意する。尤もな意見だ、耳が痛い。
ーーだが、お前に平和を語る資格はない。平和をもたらすために戦争という手段を選んだ者たちが平和を語る舌など持っていることは許されない」
「黙れぇぇぇぇっっ!!! 私の誇りを! 名誉を! 米国海軍軍人としての意地を見るがよい!」
「・・・・・・相、分かった。貴様に将器はあらず。将で無き首は手柄首になる器にあらず。ただ、首切られて死ぬだけの下郎成り。・・・・・・参る!」
「・・・・・・っ!! 今だ! 押せ! 艦ごとコイツを巻き添えにしてしまえ!」
「えい」
ひゅん。ーーガツンッ!
オッサンが囮になって俺の注意を引いているあいだに部下の一人が動いていたので注視していたら案の定だ。自爆するつもりだったらしいな。
まぁ、おかげで俺に対する注意は完全に削がれていて隙だらけな背中丸出しだったから、海中で拾ってきた石投げてやっただけで後頭部を穿ち、そのまま昏倒。
石突きでも人は殺せるとはいえ、さすがに死んじゃいないとは思うが放っておけばそのうち死ぬ。そう言う投げ方をしているし、そうなる急所に当てられるよう狙い撃つ訓練をし続けてきた。
「ISを動かすのと、自分の体を動かすのは似て非なるものだ。弱かった素人のときには気づかなかったが強くなってくると僅かなズレでも気になって仕方がなくなってしまう。
他人から与えられた道具を使いこなせるよう努力するという一点において、貴様と俺は対等だ。策を磨いてきた貴様が、俺の磨いてきた剣に敗れ去っただけのこと。
ISがあるから負けました、などと言い訳を並べている暇があるならISを殺す術でも考え続けるべきだったな、ナマケモノ提督殿?」
「き、き、き・・・・・・きぃぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁのせいでぶわらはうぇっ!?」
シーーーーーーーッン
何かを叫ぼうとしていたオッサンが口を大きく開いたので、俺はその中へと零落白夜を投擲して突き刺し、刺し貫いてみた。
普通ににオッサンは死んだ。なにを言おうとしていたのかは永遠に分からなくなってしまったが、分からなくなったのなら悩む必要もない。分からないことを分かろうとしても自己満足の妄想にしかならないのだからな。
・・・・・・それにしても・・・・・・。
「俺が体験できる最後の戦で最後に殺した男がゴミとはな・・・・・・。これが人を殺めるための術を磨き抜いてきた一年間の結末か・・・。
やはり兵器に魅せられて見る夢など、覚めてしまえば空しさしか残らんものでしかなかったか・・・」
最終話につづく