IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート)   作:ひきがやもとまち

72 / 115
本当は最終話のつもりが思っていたよりずっと長かったので慌てて自戒を最終話にし直すという馬鹿をしてしまった作者です。
正直、戦後アメリカの話だけで7000文字を超えるとは想像もしておりませんでした・・・。申し訳ございません。

前回まで散々にIS無双をやった反動か、今話はISが一切出てきません(きっぱり)
・・・本当に今作はIS二次創作を名乗っても良かったのでしょうか・・・? 今更過ぎる疑問に苛まれながら戦後アメリカ回スタートです。


66話「最終話としてまとめられなかったから、戦後アメリカの話を先に」

「ーーー閣下。デラーズ・エイノー提督が戦死したとの報告がありました」

「そうか」

 

 ヒルアデブの艦橋にある指揮官席で部下からの報告を聞き終えたマイントイフェルは一言だけ応じ、殿艦隊が壊滅させられた方向に向かって敬礼し、異国の海で散っていった英霊たちの御霊に哀悼の意を表した。

 

 形式的な儀礼でしかなかったが、儀礼でしかないからこそ儀礼だけで済ませようとするマイントイフェルの実利主義は徹底する。これ以上、無能な死者たちを相手に無駄な時間を浪費するつもりはないーーー。

 声に出したわけではなくとも、部下たちには彼の心の声がはっきりと届いていて(イヤな以心伝心だなぁー・・・)と例外なく誰も皆等しく同じ思いを共有させられていたのである。

 

 

「・・・帰国してからは葬儀が続きそうですね・・・。エイノー提督はもちろんのこと、2世たちだって一応は貴人です。きっと、政治に利用するためにも盛大に執り行わせることでしょう。無意味に死なせまくった挙げ句、罰当たりなことです・・・」

「同感だ。これほど多くの若者たちを無為に死なせておきながら、まだ殺したりないと叫ぶ人々がいるのは罰当たりきわまりない。

 彼らが現世に未練を抱かずにすむよう、害虫どもを燻り出すための炎は盛大に焚いてやらねばならんだろうな」

 

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

 副官が気をきかせて換気しようとした意味を無効化し、更なる追加ダメージまで与えてきた上官の発言を部下たちは職務に集中することで賢明にもスルーした。

 

 今となっては彼らも理解している。自分たちはマイントイフェルにはなれないのだと。

 たとえ世間や他の部隊に所属する者たちから同類として見ていられようとも、自分たちが彼と同じになれることは決してない。

 影響を受けて昔よりも遙かにヒトデナシと化した自分を自覚こそすれ、彼と同じ考え方に至れる日は未来永劫おとずれないだろうし、彼の発言にドン引かないで済むようになるには何十年も先のことだろうと確信している。

 

 

 それでも彼らは今の職場から別の場所に移る気はない。胃の安定のため転属願いは出し続けるだろうけど、それさえ出して人事局からくる断りの手紙に一通りの罵倒を並べ立てれば昨日と同じように出勤してこれてる自分を、彼らは不思議とも歪だとも思おうとはしない。

 

 だって、それが今の自分なのだから。

 戦争を経験してヒトデナシな上司の元で悪い影響受けまくって人格が一変していたとしても、それでも今の自分自身が選び続けてきた選択肢の結果なのだから受け入れるしかない。

 異論があろうと無かろうと、自分たちはそう言う風に生きていくのだと彼らは既に決めていたのだから・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーその後の歴史について、数十年分をまとめて紹介させていただきます。

 私が第2の人生で知ることが出来た範囲まで。見ることが出来た範囲だけ。限られた狭い知識と、偏見に凝り固まった偏屈なガキの思考を基準にしたものですが、ご了承いただきたくお願いします。

 

 

 派遣軍が敗残の体を装って帰国してから、世界は今まで以上に素早く熾烈に血生臭い形で再編と再統合を急ぐことになりました。

 

 まず、敗戦の責任を取るとしてアメリカの現政権は閣僚全員が辞表を提出し、国防委員長は前大統領を勤めていた米国最大の女尊男卑政党の党首を後任に指名されると野に下りました。

 マイントイフェル准将も左遷され、春風満帆だったエリートコースから脱落したこともあり、彼等の野心は絶たれたかのように人々の目には見えていたのでしょう。

 邪魔者が自分から転げ落ちてくれた王座に棚ぼた気分で嬉々として座った大統領でしたが、その椅子が王座どころか茨の冠でしかなかった事実に気づいた時には手遅れになっていたのです。

 

 彼女は今まで通りに、元の女尊男卑主義でアメリカを治めるつもりでいたようです。男性たちがどう言おうとも、十年以上続いてきた社会通念は政治をおこなう上で大きな力を有しているのですから当然です。

 女性優遇の社会構造をすぐにも変えることは出来ない以上、不満はあれども今までよりヒドい経済状況に陥るよりかは、これまで通りの生活に戻る方がマシだと市民は考えている。

 彼女はそう信じていましたし、フォーク准将のそれよりかは余程に現実的で実現性のあるものだと感じられたのかもしれません。

 

 しかし結局のところはそれも予測や推測ではなく、希望と願望の入り交じった誇大妄想の域をでる物の見方ではなかったようです。

 

 女尊男卑を根底から支えていたものは、『ISへの信仰心』です。

 白騎士事件で見せた圧倒的な力と実績、にも関わらず一人の犠牲者も出すことのない鮮やかすぎる勝利と美しすぎる乗り手たち。

 人々は彼女たちIS操縦者とISにたいして知らず知らずのうちに『困っている人を力付くで助けてくれる正義のヒーロー』を見出し、『世界中が束になっても敵わない最強戦力なら、現代社会にはびこる悪すべてを駆逐しうる』という幻想を抱かされ、ISの現実を知る操縦者たちをIS学園と軍で独占することにより真相を知らされることのないまま生きていてくれたからこそ成り立っていたもの。

 

 夢で紡がれていた秩序による平和と繁栄は現実の戦渦と貧しさの前にもろくも風で吹き飛ばされ、政権を譲渡された女尊男卑政党は正義の復活より先に『戦後復興』と『戦時下での経済偏重による悪影響』にたいして現実的に対処するための政策が求められたのです。

 

 心に響くだけで空きっ腹には何も響く物がない『夢』しか与えてくれないIS信仰と女尊男卑思想の現実を目にした市民たちは一瞬で夢から覚め、昨日まで国防委員長を貶めて女尊男卑の復権に祝辞を述べていた直近の過去こそ夢幻であったかのように手のひら返して女尊男卑政党を非難する声で巷は満ちあふれました。

 

「無能!」「お役所仕事!」「給料泥棒!」「俺たちはおまえ等を養うために税金払ってるわけじゃねー!」

 

 ・・・日本では聞き慣れていた常套句がワシントンD.C.の至る所から響き渡って聞こえてきたのも今となっては良い思い出です・・・。

 

 

 唖然呆然としている私の前で議長が意味深に笑って見せたのも併せ、今生前世を含む私の人生の中で一番イヤな瞬間が訪れたのはその日の午後。

 

 半ば以上暴徒と化していた市民たちの前に何台も何台も列を連ねて乗り入れてきたのは大型トラック。機械による自動操作でゆっくりと開かれてゆく貨物の中身はーーパンとミルクと長らく不足していたアメリカ国内では自給できない、もしくはし辛い嗜好品の山、また山。

 比喩でも何でもなく慢性的に空腹を抱え始めていたアメリカ市民たちの主観で見た場合には紛れもなく食料の山が重ねられ、「食べたいだけ食べてよし」とばかりに警備兵も運転手すらも乗り入れる寸前で逃げ出していた無人のトラックは一瞬の間をおいて餓鬼たちの餌場に変わり果てます。

 

 やがて適度に満腹になるよう、量ではなくて食べ物の種類によって調整されてた末のエンディングに国防委員長が颯爽と登場し、動けるけど動きたくはない程度にまで腹八分目になってた市民たちは彼の煽動演説に共感して心酔して熱狂し、やがては自ら彼の私兵に志願したがる若者たちでアメリカ中が満たされたのです。

 

 戦争で物が不足しまくる戦時下にあって、予算を勝ち取り必要な物資を調達し、将来のための計画の認可を取り付けることにかけては定評のある議長の凄みを見せつけられたことにより、思想を理由に戦っていた自分自身に対して忸怩たる思いを抱かされた私が微妙すぎる表情で相手の薄ら笑いに視線を向けると、その日私を非公式に招待していた彼は、

 

「見たまえ、セレニアちゃん。これが市民の強さだ。彼等は自分たちを支配している思想や支配者に合わせて着ている服を変える柔軟性と優れた適応力をも有している。

 人類が、変化する状況と環境に合わせて進化していく生き物であるとするならば、彼等こそが新人類とやらに一番近い存在なのではないか、と私は考えている。

 どこかの『自分だけが正しいと熱心に信じたがっている、力で思想を押しつけることしか知らない子供たち』より遙かに人の可能性を体現している存在だとね。

 君はどう思うかね? セレニアちゃん。是非とも君の意見を聞かせてもらいたいものだな」

「・・・・・・//////(恥入り)」

 

 

 ・・・・・・本当に、今生と前世合わせて今まで生きてきた中で一番恥ずかしい思いをした瞬間でしたよ・・・。セレちゃん、もうお嫁にいけそうにありません・・・(; ;)ホロホロ

 

 ーーいや、別にいいな行けなくても。

 だって私、元男ですから(復活するため割り切りました)

 

 

 

 これがアメリカ国内における政治的方面での主な出来事。

 この後、現政権は市民たちからの支持を失い、女尊男卑は思想もろとも過去の遺物となり果てて、博物館の片隅にでもヒッソリと展示されるようになる日まで長い永眠につくこととなったのです。

 

 

 

 では次に、アメリカ国内での軍事的な出来事についてです。

 

 帰国した残存艦隊が「愚行と浪費の象徴」として揶揄されて議長たちが退陣し、力を失ったなかで執り行われた盛大すぎるお葬式は勇戦して戦死したエイノー提督たちを弔うためのもの・・・・・・ではなくて、新たな女尊男卑社会を築いていくために野合した既得権益層と現政権の女尊男卑主義者たちにとってのみ大事なⅡ世の皆様方を慰めるためのもの。

 彼等としては互いが互いを一時的に手を結んだだけの捨て駒としか認識しておらず、『経済危機』という目前の強敵を打倒した後にはどちらかが主となり従となることを前提とした利己的な握手に過ぎなかったようですが、そんな事情は彼等を滅ぼしたい敵にとっては関係ありません。利用できるものは利用するだけのこと。

 

 彼らは国防委員長と議長を最大の政敵と見なしており、野に下っただけでは安心できないと一部過激派が主張し暗殺という暴挙にでて失敗に終り、口実を相手に与えただけの結果を招いてしまう致命的な失態を犯したことによりアメリカでも内乱が勃発するのです。

 

 

 大恩ある議長たちが暗殺されかかったことを知らされた『憲兵隊参事官』マイントイフェル大佐は、前線勤務しかしたことがない上に降格され左遷までされた『国内の治安維持を担う部署の実質的権限はないが行動の自由度は高い』お飾りに過ぎない身でありながら政府の対応の遅さを公然と非難し、新聞やマスコミにも隠すことなく真実を語り、アメリカ政府が長らく隠し続けてきた嘘と虚像を引っ剥がすことに邁進し、初代FBI長官フーバー氏もかくやと言わんばかりの恫喝をテレビや新聞を通じてやってのける図太すぎる神経を発揮しまくって政府とⅡ世の親たちを追いつめまくります。

 

 堂々としすぎた謀略によって窮地に陥らされた政府とⅡ世の親(面倒くさいからⅠ世で統一)たちは、ロゴスさながらに一大軍事拠点へと逃げ延びて再起を図ろうと企てたのですが、そこはそれ。

 国防委員長の愛人でもあるらしいスコールさんが毎度のごとく暗躍しまくり、すべての情報は議長たちに筒抜け状態。

 

「確かに民衆は愚かです。トリューニヒトの見え透いた人気取りと巧言令色にやすやすと騙されるほどに。ですが、いえ、だからこそ我々はなんとしても奴らを討たなければならないのです!

 我らの息子たちの死が、何のためのものであったかを忘れさせないために!」

「ーーーまさしく仰るとおりですな、ジブリル・アズライール卿。拠点を提供することしか出来ぬ無能非才な若輩者の身ではありますが、せめてもの心遣いとして最上級のビンテージワインを人数分用意させました。戦勝を祝う乾杯にお飲みくださいませ」

「おお、ランフィールド少将。気を使っていたことに感謝を捧げる。ご病気がちなお父上の代理として地位を継いだばかりの貴公に出来ることが多くないのは皆も承知のこと。気に病む必要はないし、拠点の極秘提供だけで十分すぎるご支援であった。戦後は必ず報いさせていただく。

 ーーでは、諸君! 己が危険を省みることなく大義に基づき我らを支援してくださったラインフィールド卿に敬意を表するためにも有り難く頂戴させていただこうではないかね。

 ・・・・・・乾杯!!」

 

『乾杯!!!』

 

 ゴクゴクゴクゴク・・・・・・。

 

 

 

『ぐほおおっ!?』

 

 

「ち、血がぁぁ・・・・・・! 喉が焼けるように痛いぃぃぃぃっ!!!!」

「い、医者を呼んでくれ・・・、早く! 早く医者をぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

「ま、まさかラインフィールド卿・・・これを狙って我らを招き入れたのか・・・? 貴族の血を引く尊き血統の血筋である貴公が!」

「ふっふっふ・・・つくづくバカな方々だ。正しき血統による支配権の継承なんて時代錯誤きわまりないでしょうに。沈みゆく泥船を見捨てて、故あれば寝返るのが正しき支配者の在り方というものです」

「ーーー貴様には、誇りというのもがないのか!」

「誇りでお腹は膨れませんよ、ご老人。よく言うでしょう? 命あっての物種だとね。

 誇りだの名誉だの綺麗事ばかり言っているようだから、あなた方は政治的に無能なんだ」

「おの・・・れ・・・裏切りもの・・・め・・・。地獄に堕ち・・・ろーーーーーー」

「ふん。負け犬が。死に際まで定番の負け犬台詞を残して逝くとはね・・・」

 

 

 ーーーカツ、カツ、カツ・・・。

 

 

「ーーどうやら、終わったようですな。ラインフィールド中将閣下?」

「おお、マイントイフェル大佐・・・いえ、大将閣下とお呼びすべきでしょうか? 遅くとも三年の後にはアメリカ軍のトップに立っているであろうあなたの側についていくことを選んでおいて本当に良かったと、自分の選択の正しさに自画自賛したい気持ちでいっぱいです。

 今後ともあなたの為ならどんな汚れ仕事でも請け負いますので、末永いおつき合いをお願いいたします」

「ふっ・・・」

「・・・・・・???」

「ああ、ラインフィールド卿。君は本当に愚かだ。古来より裏切り者を歓迎して厚遇し、滅びなかった王朝などありはしないのに」

「!!!! は、謀ったなマイントイフェル!」

「だから何だというのかね? 裏切りは先に君の方が彼等に対しておこなったこと。味方を生け贄に捧げて保身を謀ろうとした裏切り者が、裏切り者として裁判に掛けられ処刑されようとしているのだ。本望と言うものではないのかね?」

「・・・そんな事をしてみろ! 俺は自分が知っている全てをぶちまけてやる! 全米中からマスコミとテレビが集まっている裁判の場でだ! 俺は終わりだが、貴様たちも地獄へ一緒してもらうからな! 覚悟しておけ!」

「ーーーーくっくっく・・・・・・」

「・・・・・・??? な、何がおかしい? 何を笑っている?」

「まったく・・・小心者というのはどうしてこう自分の基準だけで世の中と他人を見ようとするのか。理解し難い愚考だよ、ラインフィールド君。

 ーーー敗色濃厚な時勢に焦りを覚え、親族を含む友人知人すべてを非公式に自らの基地へと招き入れ、騙して毒を飲ませて殺した旧友たちの首を手みやげに敵陣へと駆け込むことで保身を謀ろうとした卑劣感でしかない君が、求めてもいない商品を高値で売りつけにきた悪徳商人でしかない君が、嘘つきだと誰かを非難したところで一体誰が信じてくれると思っているのかね?」

「!!!???」

「仮に信じる者がいたとするなら、それも良い。犯罪者をかばい、女尊男卑勢力と癒着した既得権益層のお仲間として市民たちの敵に仕立てあげるまでのこと。

 一時の客に過ぎない独裁政権の既得権益層など、千年を生きてもまだ滅びることを知らない市民たちという不滅の生物たちを敵に回してしまった後では滅びる以外にないのだと歴史から学んだ方がいい。ーー彼を拘束してくれたまえ、スコール君」

「はっ、了解しました」

「ーークソがっ!」

 

 ズルズルズル。

 

「それとだが、私の元部下たちに連絡を付けてもらって構わないかね? 各地に配されている敵反乱分子が武力放棄した際には各個に包囲して降伏勧告をするようにと」

「はい、了解です閣下」

「・・・それに先行して、君が率いる特殊部隊が潜在的な敵兵たちに噂を流しておくのも忘れてくれるなよ?

 『上官一人の首を持っていけば、士官一名、下士官二名が助命されるらしいぞ』ーーとな。

 ここでの一件を伏せておきたい敵軍首脳がどのような言い分で部下たちを納得させるのか・・・・・・なかなかに興味の尽きない課題だ」

 

 

 ズルズルズル、ズリズリズリ。

 

 

「覚えておけマイントイフェル! 今おまえたちに万歳と叫んでいる群衆が、いつか同じ口からトリューニヒト打倒を叫ぶだろう! 連中は白騎士事件が勃発する前まで男尊女卑を唱える大統領に万歳を叫び続けてきた過去を持っているんだからな!

 自分たちの手のひらの上で転がっている愚かな連中だと、せいぜい笑い続けてろ! 今の俺の姿が未来のお前らなんだという事実を認めることすら出来ないままになぁ!」

「犯罪者の分際で閣下に対して無礼な!(バシィッ!)」

「ーーーマイントイフェル! トリューニヒト! ゴップ! テメェらが来るのを先に地獄に逝って待っていてやるぜ! 早く追って来いよな! ひゃーはっはっはっは!」

 

 

 

 ズリ、ズリ、ズリ、ズリ、ズリ・・・・・・・・・・・・ばたん。

 

 

 

 

「・・・その事実を知ることだけが、政府と権力者の長生きを可能とする。古来より民衆を支配しえた者など一人もおらず、権力者は常に民衆のご機嫌伺いをするための政策を実施する。

 支配者は臆病でなければならないのだよ、ラインフィールド卿。いつか自分たちにも没落する日が必ず訪れることを承知している者だけが勇敢に足掻くことを美徳と感じられるようになる。

 政治とは、戦争とは、弾圧とは、謀略とは、必然の滅びを先延ばしにするための手段にすぎぬことを、この世界の人々はまだ気づいていない。だから貴官のように策に溺れて溺死したがる愚か者が後を絶たんのだ。今はまだ、な・・・・・・」

 

 

 

 ーーーこうしてアメリカはトリューニヒト・ゴップによる二党独裁政権が成立し、戦乱で傷つき疲れ果てた世界をリードしながら、平和的に少ない流血で以て効率よく新秩序を作り上げていくことになるのですが、長くなり過ぎましたのでこの辺で一旦お開き。

 

 次回は私たち日本のお話! たぶん本当に最終回になると思いますよーっ!

 

つづく

 

 

簡単な補足。

 日本はアメリカとの正式な国交回復までは、野に下った議長と国防委員長の支援の他に伊能のおじさんが国外逃亡中にあちこちから騙し取ってきた大量の物資で食いつないでます。大して長くはないですけれども(長いと日本が持ちませんしね)

 

 

 束さんは白騎士事件以前に計画されていた宇宙軍をNASAの傘下に組み入れさせて武装を完全に放棄させた『宇宙開発局』の開発局長に指名され、大喜びで渡米しちゃいました。

 彼女の求めるとおりの金を取ってくるだけしか役割のないお飾り局長職は胃痛が理由により短期間でやめていく人が後を絶たず、いっそ筆木さんにやってもらえないかと議長から要請されてガチで困ってるペンウッド卿。こっちの世界でも頑張れ。




*次話の最終回では戦後日本で平和が訪れた後のIS学園で、普通じゃない女子高生やってるセレニアと一夏とのちょい恋愛話が少しだけ入る予定でいます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。