IS学園の言霊少女(本編終了・外伝スタート) 作:ひきがやもとまち
時間軸は原作9巻、アメリカ空母でイーリスとやり合った後の楯無さんと一夏がラーメン屋台に行った辺りからです。
シリーズ開始当初に想定していた内容にプラスαした程度の物なので、出来は期待しないで暇つぶしに読んで頂けると助かります。
この形式が好みだと思われる方がおられましたら、ストックしてあるネタから幾つか供出しますので遠慮なく仰ってください。
では、本来のギャグまみれな言霊ラーメン回の始まり始まり~♪
「えっと・・・ひとつだけお伺いしたいのですが、織斑さん。前から私を連れていきたかったと仰っておられたのは、このお店なにでしょうか?」
キョロキョロと、見ようよっては不審者あつかい間違いなしの挙動で左右を見渡しながら、私は目の前にある電車の高架下のラーメン屋台を指さしながら隣にたって自慢げに胸を反らしている同級生でクラスメイト男子に取うてみました。
明らかに女の子を夜に誘うお店じゃないところが、彼らしいと言うべきか何と言うか・・・。まぁ、もし仮に彼が私を普通の夜いく男女のお店に誘っていた場合には体格的にピンチ過ぎるので、内心では正直ホッとしてたんですけどね?
いくら、前世ぶりに男友達と夜の町を散策するという行為にノスタルジーを感じて連れ出されたとは言え、元男が年頃の少年相手に年齢制限ありそうな展開を強制されるとかマジで洒落にならないんで。
「おうよ! この店こそ我が王道、我が故郷。俺の書いてる作品『IS学園H×H』にしょっちゅう出てきてる、スープは濃すぎず薄すぎず、麺は硬くもなく柔らかくもない、トッピングもラーメンの定番を地で行くラーメン屋台『闇ラーメン屋』のモデルとなった店だからな。第1話連載を記念して連れて行くのには最高の場所と呼ぶべきであろう」
「ああ、なるほど。これは所謂、聖地巡礼と言う奴だったのですね。初めての経験なので、ちょっとだけ新鮮です」
「はっはっは、そうだろうそうだろう!食えなくもないが程良い不味さがなんとも言えないラーメン屋なんて、今時珍しいからな! 東京都内でもこの店ぐらいなものだ!
見るがいい、この閑古鳥の鳴きぶりを! 客など一人もいないではないか! まさに道楽経営ここに極まれり! 俺はこの店に神を見た! キングボンビーだけどな!」
「・・・・・・お前ら、店の営業邪魔しにきただけだったら帰れ。営業妨害ここに極まれりだぞ」
無精髭はやしたオジサン店主さんに凄まれたので、あわてて席に着く私。その隣へ悠然とした態度でゆっくり座した織斑さんは。
「マスター、いつもの」
「うちは小洒落た喫茶店じゃねぇってことぐらい、知ってんだろうが一の字!」
「無論、ジョークだとも。・・・と言うか、アンタどっちかって言うとラーメン屋店主より喫茶店でウェイターやってる方が似合ってそうなナイスミドルなのに、どうしてこんな裏寂れた場末のラーメン屋なんて開いてるんだ? ・・・・・・もしかしなくてもリストラされた、人生ドロップアウト組だったり?」
「殺したい! 客として来てさえいなければ、今すぐこの場コイツの首をへし折りたいぃぃぃぃっ!!!!」
「首は斬るに限るぜっ!」
・・・いつも通りマイペース過ぎて、相手を苛立たせまくってる織斑さんでした。
「はぁはぁ・・・あん? おいおい一の字・・・こいつはまた、うちの店には似合わない別嬪さんを連れてきたじゃねぇかよ。ついに彼女ができたァか!」
『『・・・・・・・・・・・・うわー・・・・・・・・・』』
「なんで今俺二人揃って、白い目で見られてる訳!? え? 何かまずいこと言ったか俺は先の出会いから短い間の今このときまでに!」
「いえその・・・拙いと言うわけではないのですが・・・」
うん。拙くはない。拙くはないのですが・・・」
「ちょっと以上にテンプレかなって・・・。二十世紀に入ってからのリアル屋台で聞かされる経験なんて予想もしていなかったものですからつい・・・」
「ーー俺が昭和テイストだとでも言いたいのかテメェェェェっ!!!!」
「いや、むしろ大正ロマンだろ。抜けば珠散る氷の刃、みたいな感じで」
「お前、それ『里見八剣伝』だから! 書かれたの江戸時代だから! 大正どころじゃなく大昔過ぎるから! 俺の感性は大江戸センスだとでも言うのかぁぁぁぁっ!!!」
「江戸は斬る!」
「いや、江戸は斬るなよ!? 悪を斬れよ!江戸の悪を!
なんで時代劇の主人公がテロリスト化してるんだぁぁぁぁっ!!!!」
答え:シマーヅさんちの息子さんだからじゃないでしょうか?
「まぁ、わかっていると思うが一応説明しておくとだな。この子は俺の心の嫁だ」
「いや、わかんねぇよ!? むしろ分かってたまるかと叫んで否定した方が俺のキャラ的に合ってる表現だよなソレ!?」
「・・・ふぅ・・・時代の先を行く者は、いつの時代も古い世代からの無理解に直面するものだな・・・。ふっ、老人たちにも困ったものだ」
「俺はまだ三十路に達してねぇよ!」
な~んだ、私よりも若いじゃないですか。・・・魂年齢込みではね?
「つか、この話題はなんか嫌だ! 話題転換だ! そうだ、あれだよあれ!あのネタがあったんだった!
一の字に彼女ができた以上は、千の姉御も弟離れができるってもんだァなあ!?
つまりは、俺にもやァっとチャンス到来っと」
「いや? 恋のお邪魔虫である想い人の弟が側にいたせいで手が出せなかったけど、いなくなったから俺にもチャンスが巡ってきたとか言ってるヘタレキャラが巨乳美人と結ばれる展開なんてフィクションでもほとんど見かけない、ご都合主義以上のミラクル展開でもない限りは不可能なのだが?」
「いつの日か・・・! いつの日にか俺はコイツを殴り飛ばしたい・・・・・・!!!!」
拳を握って目に涙を湛えながら、夜空を見上げて言う台詞かなぁ~?
「あの・・・ところで注文いいですか? お店に着いてから話してばかりで、私お腹空いちゃったんですけども・・・」
「ーーん、おう! そっち系の話題なら大歓迎だ! 何でも言ってくれ! 日本で一番美味いラーメンを作って食わしてやるからよ!」
ほう、これは大きくでましたね。そうなると試してみたくなるのがオタク気質の日本人男性(前世のです)と言うもの。
やはりここはラーメン屋ということで、“アレ”で行かせていただきましょう!
「では、お願いします。ニンニクラーメン、チャーシュー抜きで」
「おう!任せとけって・・・綾波ぃぃぃぃぃぃぃっ!? え、うそ、なんで・・・あ!そうか!無表情だから! でも、味に自信のあるラーメン店主の前でネタを真似するのはどうかと思うぞ!」
「いや、まぁその・・・一度やってみたかったので・・・」
「本当に真似してみただけだった!?」
いや~、これでも一応は元男子高校生なんで憧れくらいはあるのですよエヴァンゲリオン。無表情がデフォルトの女の子に生まれ変わったんですから、折角ですし・・・ね?
・・・しかし、碇司令みたいな服装も満足に整えられない人を頭に据えてるネルフって組織は、ほんとダメダメでしたね。精神的引き籠もりが、物理的にも穴蔵の底に閉じこもって一体なにがしたかったんでしょう?
いい歳して不良してると金八先生からバカって言われちゃいますし、早いところ卒業してほしいと心の底から願ってやみません。
「では、次は俺の番だな。ならばーー大ブタチャーシュー追加ヤサイニンニクアブラチョモランマでカラメでほうれん草と生卵つきで!」
「ねぇよ! そんな訳分からんメニューはうちには置いてねぇ!」
「なにぃ!? 深夜の時間帯で客に飯を出す、店主が一人で切り盛りしている飲食店なのにかっ!?」
「深夜営業なのに満員御礼商売大繁盛な食堂様と場末のラーメン屋台を同一視してんじゃねぇぇぇぇっ!!!!!」
うん、私も同意見なのですが、やはり期待はせずにいられないのもオタクならではの種族病という奴でしてね。これはもう、一般人の方には諦めてもらうしかありませんのでご勘弁の程を。
「もういい! とにかく食え!さっさと食え! 冷める前に食ってくんなァ美味いから!」
「はい。それでは頂かせてもらいまーー」
「なにぃぃぃぃっ!? バカな! この店には冷やしラーメンが置いていないだとぉぉぉっ!?」
「・・・もう、お前はしゃべんな一の字! 俺の忍耐と胃が限界点を突破して天元までもを貫いちゃいそうだから!」
・・・お二人とも仲良さそうなので、ボッチとしては少しだけ羨ましいですね。
では、改めまして頂きます。・・・ちゅるちゅるちゅる・・・。
「嬢ちゃん、ラーメンてのはぁ気取って食べるもんじゃねえぜ。本能だ、本能ォ。
なるべく音を立てないで啜る食べ方なんて邪道よ。盛大に音を立てまくりながら食べ散らかすのが真の王道!」
「国立学校の制服姿で来ていますので、汚すわけにはいかないんですよ。ラーメンの汁は、染みとかなりやすいし落ちにくいですので。ご不快かもしれませんが、税金の節約のためです。ご配慮していただけるようお願いします」
「・・・・・・そうなんですか・・・・・・。はい、わかりましたごめんなさい・・・もう疲れたんで隅っこの方に引っ込んでますね・・・。ほんとご免なさい、生まれてきてご免なさい生きてきてご免なさい、この世に生きとし生ける全ての生命の皆様方にご免なさーー」
「親父さん! 俺にも店で一番高いラーメンをくれ! 領収書を書くのを忘れるなよ!? メリケン戦艦沈めた件を黙っといてやる代わりに金支払わせんだからな。
その時に一緒くたにして計上させる為、わざわざ来てやったんだからな! 敵国から年貢米を巻き上げるのだっ! 孫子の作戦編にもあるだろう!? 『敵の穀物一鍾を食べるこのは味方の二十鍾分に相当する』だよ!」
「お前はいったい何様のつもりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
「人に聞いて分かろうとしてんじゃねぇっ! 俺をお前がどう思うかなんて自分で考えて決めることだろうがよ
日ノ本島津は世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」
・・・・・・・・・もう、何がなんだか訳分からん。
とりあえずIS学園は、色々あって混乱しまくった大運動会の夜であろうとも、いつも通りに平和なままなようです。めでたくなしめでたくなし。
今話の教訓:
シマーヅさんちの息子さんは人の話を聞かない聞く気がない。
空気を読まない、読む気もない。
一「言いたいこと言って、やりたいことやる。それが真の日の本オノコ!」
セ「じゃあ、私はいったい何なのですか・・・」