【平泉】
義経が兵士と共に訓練をしている頃
「・・・そうか。倶利伽羅峠で平氏は10万騎を失ったのじゃな。」
「平忠度が総大将でしたが崖から転落して死亡したようですよ。」
「・・・どうみるか?秀衡。」
「・・・京は陥落するでしょう。・・・ただ清盛が築いた西国の基盤と財力は絶大です。あるものがなければ再び返り咲くでしょう。」
「・・・あるものとは義経か?」
「彼の戦上手は天才とは違いますね。まさに神の域・・・。」
「神の域・・・か。ふふ、やはりやつが欲しいのじゃ。」
私が立ち上がり、秀衡から背を向けた時
「グァァガ!?」
心臓を押さえて倒れてしまった。
「秀衡!?秀衡大丈夫か?起きるのじゃ!!」
秀衡は起き上がることはなかった。
その後キョンシーとして蘇生させたが
「・・・病気で倒れてしまったことにしてください。うつると困るから私に近づけるのは基成と泰衡だけにしてください。この姿がバレると色々と問題がありますから。」
青白い肌と性別が女性になってしまったことから名前も小鍛治健夜と変えたが、政治的な問題で公にできず、自身の死と変化を隠すことにした。
「・・・なぜじゃ?最近なんかあったか?」
「・・・虫にさきほど・・・刺されました。」
「虫か・・・。」
結局何かはわからなかった。
〔夏〕
倶利伽羅峠で勝利した源義仲が都入りした。
対して平氏は都落ちとなり、西日本に逃亡。
「義仲の教養の無さは凄まじいのじゃ。」
「この報告には呆れます。」
政治顧問の基成と私は話していた。
「天皇の後継者問題にいきなり首を突っ込むか・・・。」
この時天皇には皇子が2人いたのだが、その2人を無視して王の子である北陸宮を即位させようとしたのだ。
皇統を無視しての動きだけに皇族、貴族の反感をかってしまった。
これだけで終わればまだなんとかなったのだが、さらに治安の回復を法王から命じられていたが配下の武士達が勝利に酔って略奪を開始してしまったのだ。
部下の責任を自分で受けるか、略奪を働いた部下を処罰すればまだよかったが、貴族や皇族に抗議された際に
「馬や兵に食べさせるものがなければ戦うことはできない。足りない分を徴収しただけである。大臣家や宮から徴収した訳ではない・・・。」
と言い訳をした。
これに後白河上皇は激怒し、義仲を平氏討伐を命令して京から追い出した。
ここに頼朝が気の効いた手紙と納税の申告により義仲討伐を頼朝に頼むことになる。
「義経が出陣したか・・・。」
その兵力3万騎と3万9000人の歩兵だった。