〔西暦1212年春〕
義経は体調不良のなか無理を通して攻撃を続行した。
3月、4月は普通に指揮ができたが、ついに5月の初めに倒れた。
指揮は副官だったチンギス・ハンの弟に委託して義経は北邦で休養することになった。
しかし・・・
「だ、誰かいないか。」
「義経様どうしましたか?」
「すまん・・・私の命はここで終わりのようだ。・・・儀式の準備を頼む。」
「は!!」
義経は中央アジアのとある駅で息を引き取った。
53歳で、ほとんどを最前線で過ごす日々のストレスもあり、気管に異常がおこり、最終的に肺炎で死亡した。
「・・・戻るぞ。」
義経は儀式を終え、蘇生するとすぐに戦場に戻った。
身体は女性となったが、心はそのままだった。
道中で頭巾を被り顔を隠し、膨らんだ胸はさらしを巻いて隠した。
戦場に戻った義経は副官に言っていた合言葉を告げた。
キョンシーの秘術は北邦の人間にのみ効果があると他国には伝えていた。
副官は疑っていたが、指揮を再開し、卓越した戦術に義経が戻ってきたことを再認識した。
義経は白い頭巾を好んで使っていたためある物語が後生に残った。
赤ずきんはそのまんまであるが、白頭巾と漢字で題名は書かれており、内容は
馬に乗った白い頭巾は気を付けろ
人の首をかっさらう
槍を持った白い頭巾は気を付けろ
人の心を持っていく
剣を構えた白い頭巾は気を付けろ
人の体を割っていく
と恐ろしい歌で始まり、主人公は白頭巾に出会って生き延びた兵士が何度もやって来る白頭巾に仲間をどんどん失っていき、最後に自分を殺そうとする白頭巾の胸に主人公が剣を刺して終わる。
普通の物語なら◯◯と仲良く暮らしましたとかお金持ちになり、一生楽しく暮らしましたとかだがそれらの類いはどこにもなかった。
実際に義経は前線で指揮をしている際に暗殺者に襲われて胸を刺されるのだが、その暗殺者を切り裂いている。
これを見た別の暗殺者がこの話の作者と義経以下現場に居合わせた人は語る。
そんなトラブルがあったものの、翌年の夏には制圧に成功し、義経はここで記録的に死ぬことができた。
義経は佐天と新たに名乗り、チンギス・ハンの参謀としてチンギス・ハンが死ぬまで活動することになる。
【政都 参謀本部】〔西暦1220年冬〕
参謀本部・・・中を見ると美しい女性だけで構成されている軍の頭脳はキョンシーとなり、現場もしくは作戦立案で活躍してきた者と物資の輸送で功績があったもの達がここに集まっていた。
「モンゴルの遠征によりたくさんの経験と優秀な指揮官、熟練兵を得ることができました。」
「しかし、課題もありますね。」
「防御用の基地の改造と土木作業員の練度の未発達、攻撃力不足ですか。」
「そもそも要塞という概念が我々にはなかった。これを手に入れられたのは大きい。あと、歩兵もしくは現状の騎兵の集団突撃攻撃では攻撃力が不足しているため重装の騎兵の必要性もあるな。」
「我々は今攻める側だがいつ防御側になるかわからん。とりあえず要塞の研究から始めよう。土木作業員の練度は別の部署にも協力してもらわなくてはならない。で、研究施設はアラスカでおこない、一定の成果が出たら渡島に建設する。」
「賛成です。では解散ですね?」
こうして彼女達は動き出す。