〔西暦1576年春〕
斎藤領では生糸と木綿の製糸工場の誘致に成功し、多額の金額をかけて一大製糸工業地帯を作り始めることとなる。
生糸も木綿糸も農南が一大生産地であり、上東海道に工場群があったが、北邦の人口が9億人を超えてしまったので衣類の材料が不足気味だった。
神界の地獄から帰ってきた住民によりプチ産業革命がおこなわれていたが、軽工業の発展がやっとだった。
これに目をつけたのが龍興だ。
北邦の政府に許可を取り、ハクの働く東雲グループと龍興の嫁の実家の工業を誘致したのだ。
誘致するにあたり、一部税の免除や土地代を格安にしたりしてとにかく必死のロビー活動の成果である。
最初の数年は現地登用で技術を培ってもらい、それを後から作る斎藤家主体の工業の指導的立場に立ってもらおうとした。
限られた土地でできる限りのことはしようとした。
また、この時期に領内に4つの港が拡張工事が終了した。
【北邦共和国 アラスカ 藤原財閥本社】
一方、重工業も少しだが発展してきている。
製鉄業と薬品業界だ。
その製鉄業界のトップシェアを抑えたのが藤原財閥である。
もとからあった改良型反射炉を大形化、熱伝導計算を含めた新型反射炉の効果によるもだった。
それにより世界の製鉄の割合では北邦が70%と圧倒的だった。
「結局最後は私がトップになるって訳よ。」
さらに蒲原の研究グループと提携して魔術の利用にも積極的だった。
特に筋力活性化の魔術は藤原財閥以外にもありがたい技だった。
いくらコーディネーター並みの肉体があっても怪我をするときは怪我をする。
しかしこの魔術は不慮の事故による怪我を最小限に抑えてくれたり、仕事効率を上げるには最高だったのだ。
発動条件は食事の作法と味噌汁(神力が宿っている食材を使った)を1杯飲みきることだった。
それを毎日繰り返して2カ月後に効果が出始め、1年後にフルパワーになる。
「よく見つけられたのじゃ。」
この件に関して後でそう芳香はコメントしている。
「そろそろ後継者を探さないといけない訳よ。・・・リストを持ってきてくれる?」
秘書にフレンダは後継者探しを始める。
「とりあえず幹部のやつを社長に引き上げて、私はそろそろ引退な訳よ。」
フレンダは会社をやめて政治に参加使用としていた。
親で今は小鍛治健夜と名乗っている外交部の部長から政府に来いと言われ続けていた。
官僚から部長になって政府に参加するのも良いかと思ったが、議会の与党自由党と野党第一党の国民党に少しだが膿が溜まっているらしいので人民戦線党に参加予定のフレンダだった。