【北邦共和国 政府】〔夏〕
情報を整理しているうちに欧州の2つの強国の姿を見ることができた。
ポルトガルとスペインである。
後世ではここから世界を盤としたチェスが始まったと言われている。
スペインとポルトガルは海洋国家であり、西欧州の大国となっていた。
1571年に北邦共和国が撒いた種から成長し大国となっていたオスマン帝国を海戦で圧倒し、その軍事力を世界に示した。
もうひとつの種から大国となったロシアの狂犬とは違い、オスマン帝国はこちらにとって唯一海軍力が高い国だったので少し痛かった。
そんな北邦の政治情報を面白く書いていた新聞社がグレート・ゲームと命名した。
プレーヤーは北邦、ロシア、スペイン、ポルトガル、オスマンの5国でプレーヤーの北邦の姿はカバでその後ろには友人達と書かれた狼のモンゴル、猪の大韓、小さな像のインドが書かれていた。
さらにカバの近くには抜け落ちた牙が剣山のように自分達を守っていた。
そんな状況下で世界を揺るがす大事件がおこる。
「なに!?スペインがポルトガルを併合した!!」
ポルトガルは北邦のことを断片的に掴んでいたので、国交を結ぼうか議論していた矢先のことだった。
スペインの姿は頭に火を着けた牛で、様々な場所で暴れまわるからという理由だった。
スペインがポルトガルを併合したことによりマンパワーの北邦共和国、シーパワーのスペイン帝国の覇権争いへと進むことになる。
【津軽城】〔冬〕
換金作物であるてんさいの輸出が起動に乗り始めた。
それにより石炭1本だった輸出に幅ができることになる。
また、龍興待望の嫡子の誕生である。
ただ、この喜ばしい時に龍興はまた不在だった。
【越後 春日山城】
俺は単身で軍神である上杉謙信と強力な戦闘能力を有する家臣団のいる大広間で対談していた。
「元美濃斎藤家当主、現日ノ本最北の国斎藤家当主斎藤龍興ともうす。」
「関東守護上杉謙信だ。単身でこの軍神の地に乗り込むとはいい度胸だ。」
「それぐらいやらなければこの時代生きれねーよ。」
ガチ
上杉家の家臣が俺の言葉で刀を抜こうとする。
「待たれよ!!・・・で、なぜここに来た。」
「未来を見越した一手だ。」
「ほう?」
「謙信殿は確かに軍神だ。しかも内政にも優れてる。・・・だが足りないんだよそれじゃあな。天下には。」
「なに。」
「俺のおじ・・・織田信長はあんたに足りないもんを持っている。それが天下に届く可能性を導き出す。」
「貴様!!我らの殿を侮辱する気か!!」
「待たれよ!!龍興殿・・・足りないのはなんだ?」
「戦略眼だ。戦は勝てるが国取りは苦手だろ。」
「・・・お前にはあるのか?」
「あるけれど、おじにもあんたにも有るものが俺にはない・・・だから日ノ本の最北なんかに領土を持ってるんだよ。」
「ほう?」
「俺にはしっかりとした家臣団が存在しない。国にいるやつらは武士という名の商人どもだ。だから俺は戦略で生き残らなければならない。あんたもだ。天下にたどり着きそうなおじでも転ぶかもしれない。あんたも足下を見ろよ。・・・説教みたいになったな。」
「いや、有益だった。」
「ささやかなプレゼントだ。絶対に俺から貰ったことを言わないでくれよ。」
俺は紙を渡した。
「これは・・・。」
「城の前に置いておいたぞ。あんたの後継者にでも渡しとけや。」
火縄銃2000丁と高濃度の酒、弾薬、アルコールを分解しやすいつまみを俵単位で持ってきていた。
「おい!!気分がいい。宴会だ!!」
謙信はその後後継者を景勝に指名するのだった。