【青森城】〔西暦1581年春〕
秋田領を挟んで南にいる政宗が暴れまわっている間にこちらはさらに内政をしていく。
「さて、貿易品にこれが混じってたが使えるなら使いたいな。」
混じってた物はトロッコである。
北邦では港と鉱山で大活躍のトロッコだが、青森ではそんな大規模な鉱山もなく、港も路線を引いていたら異様なのでおじに目をつけられるかもしれない(必ず目をつけられる)そんな政治的な理由もあり、革新的な技術は控えていた。
「しっかし・・・どこかに使えないものか・・・。」
「地下ならどうでしょう?」
「ん?地下?愛弓どういうことだ?」
愛弓とは妻の名前である。
「武器の輸送で使えますよね。」
「武器・・・密造か。」
「はい。地下に貯めておけばいざというときに・・・。」
「まぁ確かにな・・・。」
これが武器ではなく、飢饉用の食料庫や普通に金庫として息子の新九郎に使われることになる。
「良いんちゃう?」
評定会で賛成多数で地下の計画は賛成された。
特に軍の賛成が大きい。
戦が無くなれば食えなくなってしまうので、土木工事をすることで予算を貰おうと計画していた。
悲しいかな、ここでは軍よりも評定会の重鎮が予算を握っているので下手なことは出来ないのだ・・・。
北邦でもそうだが・・・。
〔夏〕
ちなみにだが、斎藤家の収入源は物件の売買と評定会からのお小遣い(ほとんど外交官としての給料)、実家からの援助からなる。
(もう少しほしいな・・・何か無いものか。)
その理由は子孫について少々思うことがあったのだ。
子孫が増えれば取り分も減っていく。
北邦との外交官として雇われるかもしれないが、大体は家臣の婿にしたり嫁がしたり・・・それができないと本家が抱え込まなければならない。
それだと最終的に破産するのではと恐れていた。
「となると・・・店を出すしかないな。」
捨て子達の中に料理屋をしているのがいたので、城内の厨房で働かせて一人立ちさせるか、専売として石鹸を作ろうとしていた。
高給石鹸なら需要も尽きないし、他の大名に対しても贈り物として使える。
「石鹸工場を城内に作ろう。」
「は!!」
「頼むぞ仁。」
「お任せください。・・・龍興最近よく座ることを見かけますが大丈夫ですか?」
「おう!!大丈夫だ。」
「日ノ本では寿命が50歳ですからね。もう11年しかありませんよ。」
「たわけ。・・・仁も成長したな。俺に戯れ言を言えるぐらいにな。」
「ふふ・・・日ノ本すべてがこの様な平和な場所になれば良いですね。」
「ああ。」