とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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宗教戦争 上の下

広大な領土に素早く兵を移動する技術の開発が急務だった。

兵だけでなくその食料を運搬するのもだ。

これはトロッコに蒸気機関を搭載するものが実験より効率が良いことがわかり、さっそく実用品にするための研究に入る・・・。

 

【農北 前線司令部】〔秋〕

戦争が始まって5ヶ月が経過した。

前線で指揮をとる佐天は物資の略奪被害で頭を悩ませていた。

 

「吸血鬼・・・狼人間・・・夜に活性化する化け物が多いこと・・・。」

現状は地下に隠す方法をとっているが、それでも被害が減ることはない。

 

「・・・叩いて囲んで擂り潰すかな。」

佐天は部下に物資を中央に集めるように命令する。

 

〔夜〕

 

「しっかし馬鹿だよなここの司令官。」

 

「あぁ、物資を狙ってくださいっていってるものじゃないか。」

吸血鬼や化け物は個々で動くことが多く、また軍事教育を受けているわけでもない。

司令官に当たるのも脳筋なので突撃くらいしか指示を出さない。(いや、出せないのだ 個々で動くので)

頭の良い吸血鬼は初めからこの遠征にも参加していない。

 

「めちゃくちゃ今日は多くないか?」

 

「たぶん物資が到着したばっかりなんじゃないか?」

 

「そうだ・・・」

彼が言い切るとこは永遠に訪れなかった。

北邦の工作兵によって昼のうちに大きな穴を空け、中に大量のダイナマイトを仕込んでいた。

物資の表面は食料品だったが、残りは火薬である。

大量の物資に目が眩んだ吸血鬼達は導火線の火に気がつくことはなく、周囲500メートルを大爆発が巻き込んだ。

 

「突撃!!」

爆発を合図に一斉に北邦軍は突撃を開始した。

戦果は農北の戦線にいた吸血鬼の半数・・・2000人を討ち取る結果となった。

 

「これは使える・・・。」

以後佐天はダイナマイトによる大爆発戦術を多数使用するようになる。

ただし、それは今回のような敵そのものを攻撃するのではなく、遠征軍の基地からそこそこ離れた場所で爆発を起こして注意がそこにいった時に奇襲を仕掛けるなどの別の用途だった。

 

「削れる時に削る。攻めるときに削る。守るときは被害を最小限に抑える。粘り強く・・・。」

その後2回に及ぶ決戦を佐天と将軍達は勝利に導き、農北の北部地域から南下し始める。

 

【農北 南部】

 

「厳しいですね・・・。」

こちらはいたって普通の将軍が指揮をしていた。

 

「防御が有利になるのはこの戦争でよくわかりました。・・・しかし30万人が私の相手ですか。」

彼女は持久戦を選択し、初の塹壕戦術を採用する。

 

「機動力を捨てて、防御にガン振りする!!」

 

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