【青森城】〔秋〕
「何でお前がいるんだ?池田?」
「それはこっちの台詞だし。」
死んだ池田恒興がなぜかキョンシーになって帰ってきた。
池田華菜という名前になって・・・。
「私の人生ついてないし・・・信長様の弟分だったから無理やり奇抜な遊びに付き合わされた少年時代・・・しかも信長様や仲間達がやらかした失敗をカバーするのはいつも華菜だし。」
「お、おう。」
池田は生前から真面目な人だった。
それだけに胃に結構なダメージを受けていたらしい。
しかも頭も良いので俺が仮初めな領主なこともわかっているらしく、俺と池田の関係も新しく雇われた殿の見回り衆の1人だった。
といってもいつも俺の愚痴を聞いてもらう人で、キョンシー限定の職種だった。
まぁ今は池田の愚痴を聞いているだけだが。
「くそ、あの猿も長可も・・・何で家康には奇襲は効かないと言ったのに・・・。」
「そもそも俺らを殺すことが目的だったのかもな。信長の血縁がある俺、古くから使える恒興、筆頭家老だった森の次男長可陰謀論になるかも知れないが・・・。」
「それだし!!・・・でも輝政が生き残ってくれたし。」
「まぁ待ってろ。もう少ししたら俺は家康につく。一族皆殺しにしてやるからよ。」
「ありがとうだし!!」
その後も色々な話をした。
お互い愚痴が大半だったが・・・。
〔冬〕
新九郎が元服し、道元という名前になった。
「どうだ?元服した気分は?」
「これから嫁達のことや親父の外交官としての仕事を引き継ぐとなると頭が痛くなるだろ。」
「そんなんだからこの年で禿げるんだよ。もっとどっしりしろ。」
「畜生!!」
ちなみに9歳だがさすが北邦の血である。
俺とも対等に話せるし、礼儀や茶道もたしなみ、領民からは大根様(色白の顔が細長い、体はがっしりしている)と呼ばれて親しまれていた。
「まぁまぁ、大根も気を楽しにして私の子を産みなよ。」
「そうよ。」
「産んでなんぼ。」
「畜生、俺の周りは肉食系しかいねーだろ!!」
道元は簡素な元服を終えた後、側室の北邦の娘達にお持ち帰りされていた。
「新九郎様はどこに行ったのですか?」
「駒姫もいずれわかるよ・・・あいつを慰めてやってくれ。」
「はーい。なぐさめるってなに?」
必ず駒姫を道元の憩いの場にしてやろうと決心する俺と横から見ていた愛弓だった。
【紀伊】〔西暦1585年春〕
秀吉からの命令で紀伊制圧を命令された。
制圧できれば奥州守護台を任命するとのこと・・・。
「あの猿・・・。」
奥州守護は伊達家が代々引き継いでいるものだ。
それを俺にやることで伊達家との仲を引き裂こうとしていることがわかった。
「親父・・・。」
「あと15年まて、お前が当主になる頃にはあいつはいない。我慢だ。」
俺は紀伊に密使を放つ。