【雑賀衆の村】〔数日後〕
俺が再び村に行くと雑賀衆だけでなく根来衆も合わせた約4500名が俺を出迎えた。
「斎藤家の話を受けます。」
「ただ、根来衆としては仏教の保護を約束して欲しい。」
「大丈夫だ。キリスト教の扇動及び教会の建築を認めないとする。貿易は許してくれよ。」
「それは勿論。」
「道元、100人付けるからこいつらを青森に届けろ。・・・上杉領に家の貿易商人がいるからそいつらに乗せてもらえ。」
「は!!」
「追加だ。これで頼む。」
俺は1億円相当の金銀を雑賀衆と根来衆それぞれに渡した後、自陣に戻った。
【斎藤本陣】〔数時間後〕
「さて、俺は爆弾を抱え込んだ訳だ。」
「・・・豊臣は負けますかね。」
「お前もわかってんだろ?官兵衛。」
「ふふ、なんのことやら。」
「胡散臭いの何とかしないとマジで死ぬからな。」
「肝に命じときますよ。」
胡散臭い男・・・黒田官兵衛であるが、実力は本物である。
秀吉も後に
「官兵衛と龍興が組んだらどんな天下もすぐに終わるだろう。」
と言われた。
まだこの時、黒田は豊臣である。
「しっかしあなたと将棋を打つと本当に楽しいですね。どうやっても最後は負けてしまう。」
「将棋じゃなくて現実でしてやろうか?」
「おぉ、怖い。」
「とにかくすぐに終わるだろう・・・紀伊は落ちた。」
「確定ですか。」
「俺の家臣(表向き)は有能だから俺が指揮するまでもねーよ。」
実際雑賀衆と根来衆がいなくなった紀伊は残りは複雑な権威にどっぷり浸かった僧や山賊、忍び等なので甲賀と伊賀は雇い入れ、その他はすりつぶした。
「殲滅せよ!!敵対する者に青森の兵の力を見せてやれ!!」
司令官達は北邦由来の森林戦術を使って確実に倒していった。
【大坂城】〔数週間後〕
「天晴れであった。」
秀吉と俺の近くにいる秀次は不機嫌そうであった。
何かミスがあれば改易もしくはとり潰そうとしたのであろう。
「ははぁ。」
「よって奥州探題の地位を与える。」
(約束とちげえぞ。)
「は!!」
俺は頭を下げながら必死に媚びた。
「あ、そちの姫を大坂に入れるように。」
「!?・・・ははァ!!」
人質である。
愛弓を行かせないと俺や息子は辺境に飛ばされる。
(罰ばっかりじゃねえかよ!!)
俺は無表情のまま頭を下げた。
これには外様と呼ばれる豊臣政権に後から参加した者達から哀れみの視線が送られた。
中には家康もいた。
【廊下】
「大丈夫ですか?」
「家康殿・・・。」
「我慢の時ぞ。」
「・・・頼みますよ。」
俺は家康の懐に紙を忍ばせた。