道元がおめでたいことになっている横で龍興は魔王達を呼んで秀吉の動き・・・いや、行動理念を考えていた。
「わたしわかるよ~。」
明智ことこなたが手を上げた。
「魔王様は良くも悪くも彼の思考を読みきれなかったね~。私も油断したけど。・・・彼は信長というレールを進むのが行動理念だよ。・・・秀吉は信長の弟を殺したことを主君と家臣の形で実行した。信長ならどうする。どうやって天下を治める。これが秀吉の中身。」
「となると天下を治めることで信長というレールが途切れれば・・・。」
「必ず暴走するし。」
「・・・北邦に伝えるか。・・・三十郎!!大切な仕事だ。北邦に行き今のことを伝えてこい。」
「は!!」
「仁、甲斐で一揆をおこせ。不安定にさせることで時間を稼ぐぞ。」
「は!!」
数少ない俺の直属の家臣に命令した。
〔西暦1586年春〕
甲斐北部で震度7を観測した大地震が発生する。
天正地震である。
(旧)正月の準備を始めるために賑わっていた城下町は土砂崩れで飲み込まれ、仁はたまたま農村にいたので助かったが、すぐに青森に戻って地震の様子を伝えた。
「大地震です!!海の近くは溺死した死体で溢れかえり、城下町は土砂で埋もれました。最低でも3つの大名が家臣もろとも全滅しています。」
「なに!?」
「・・・豊臣政権の基盤に亀裂が発生しました。徳川家も今回の地震でダメージを受けています。」
「評定会に米の大量輸出をするように言え。稼ぎ時だ。服も売れるぞ。」
「すぐに手配を。」
「・・・今回はうちだけだな。他の4家にはお釣りで利益を上げればいいな。」
思考が金第一である。
恩を売りながら金を巻き上げる・・・まさに商人である。
今回の件で豊臣は俺に恩ができてしまい、無闇に改易できなくなってしまった。
〔夏〕
「人の不幸で飯が旨い・・・飯旨状態!!」
「道元残りの3人も産ませたからって現実逃避するなー。」
「甥よ、お前の息子大丈夫か?」
「魔王に言われたくないね。自分の息子に奇妙丸なんて・・・。」
「あの時はそう思っただけで・・・反省してます。」
「まぁ良いが・・・何を企んでる魔王?」
「なに・・・面白いことだ。」
〔数日後〕
そこには様々な芋が並べられた。
「実は困窮作物を生前から研究していてな。やっと量産できそうだ。」
さらに芋を使ったレシピ本や他にも肥料の配合率、船の設計図等が並べられていた。
「少々頭の中から引っ張り出すのに時間がかかってな。」
「・・・天才だな。」
俺は信長・・・今は魔王が天才であることを改めて理解した。
「ん?覚えたものはいつでも思い出せるだろ普通は?」
この価値観が本能寺の変を起こしたのではと言いたくなった。