【大坂城】〔3月〕
俺は大坂城の留守を任され、2000名の兵士は蜂須賀家政が指揮することとなり、俺は戦で功績をあげることができなくなった。
しかも仕事は兵糧や弾丸等の物資の確保と普通の武将なら困る仕事を与えられた。
(残念だったな秀吉さんよ。)
俺は普通の武将ではないからだ。
スラスラスラ
「石田、これでいいか?」
「・・・おお、完璧だ。」
「腕っぷしは3の次。計算とかできんと太平では生きていけんからな。」
「斎藤家ではこうなのか?」
「まぁな。俺の検地表を見ればわかるが開墾しても寒いから米があまりとれねえ。豊かにするには工夫が必要だが、ある程度学がないとその工夫もうまれねえからな。」
「面白い考え方でごさるな。」
「大谷もか?」
「いや、三成以外の普通の武士なら前線で指揮をしたり、戦ったりしたいものだと思うでござるよ。」
「太閤様に目をつけられてるからな・・・俺、いかに領土を安堵させるか必死なんだよ。それだけだ。愚痴になったなすまない。」
「いやいや、人間味があって良いじゃないか。天下を狙ったりしないのか?」
「こら正家!!」
「石田も冗談だから落ち着けって。長束もお前らのおやじくらいの年齢の俺をからかうなよ。」
「実際どうなのですか?」
「はっきり言うが俺や息子の器じゃ2国の太守が限界だ。1国だと余裕ができるから1国なだけで・・・例え兵力があってもダメ。経済の中心地である関西まで遠すぎる。しかも例え天下が取れても内乱で終わる。だから日ノ本の最北なんかに城も1つしか持たないで細々とやってるんだ。」
「なるほどな。」
「どうしても斎藤殿が戦国の世を生き抜いてきた大名である限り豊臣政権は警戒し続けるでござるよ。」
「息子に家督を譲られては?」
「長束・・・あと10年・・・いや、あと5年待ってくれ。俺の息子はまだ10だぞ。家督を譲りたいのは俺も思ってるが・・・なぁ。」
「確かに厳しいな。」
そうこう話している間にも仕事は増え続ける。
必死に消化していく龍興達だった。
〔数週間後〕
「え。」
「嘘だろ・・・。」
俺と合流した道元は九州平定作戦の途中経過で自分の部隊が5割りという異常な損害を出していることに絶句した。
「部隊は勇敢に戦い・・・いや、肉壁とされました。生き残った者も五体満足の者は少なく・・・。」
ギリギリ
「おい、道元。」
「は。」
「この事を青森の評定会に伝えろ。あと北邦にもだ。豊臣政権との貿易停止を呼びかけろ。」
「代わりは?」
「家康殿で良いだろうよ!!」