【浜松城】〔西暦1589年1月〕
「お前が箒姫か?」
「はい。私は箒と申します。」
「お前はまだ1つと聞いたが?」
「あってますよ。」
「何ができる?」
「家事全般と茶道、計算を少々。」
「計算とな?わかってないな箒よ、武士は腕っぷしが大切だぞ?」
「確かにそうですが・・・腕っぷしが強いのと豊臣の竹中殿や中国の孔明みたいな人物・・・どちらが歴史に残りますかな?」
「う・・・しかし・・・。」
「計算など女々しいものである。そんなもの商人にやらせれば良い・・・等と言う時代は終わりました。経済が全てです。・・・徳川には大久保忠世殿、井伊直政殿、本田正信殿・・・素晴らしい武将ですよね。武士から武将に昇格するには武だけではない部分が必要になるのですよ。」
「・・・なるほどな。」
福松丸も頭が良く、人の心を読む能力に長けていたため今回、箒姫を試したが、満点以上の解答をしたのだ。
「箒よ。そなたは私と婚約するであろう。5代も揃って化け物が産まれた一族に私は相応しいだろうか?」
「十分ですよ。」
「そうか。」
数週間後に龍興と道元、数名の家臣が嫁入り道具を担いでやって来た。
他の徳川家臣団は当主と次期当主が嫁入り道具を担いでいることに驚愕したが、家康と秀忠、正信はこの意味を正確に理解した。
「敵意無し・・・いや、下に付くことを明確に示した・・・か。」
「父上、前に貰った密書にも。」
「そうだな。」
《天下は回る。徳の有るものに流れ着く。》
(やはり我々徳川一族に天下がやって来ると言うメッセージか。野心は無いが臆病な革新的思考の持ち主が龍興、太平の世を願いながらも一族繁栄に尽力する道元、わずか1つの年にもかかわらず福松丸を感心させる度量を持つ斎藤家の最高傑作か。)
家康は勝ちを確信した。
渡辺の件も武士らしい一騎討ちという最高の場で起こったこと。
家康自身がどうこう思っても仕方がないと諦めた。
「クケケケ、この正信今日ほど嬉しいことはございませぬ。」
「なに?ということだ?正信?」
「最高の忍び集団を我々は手に入れたのです。」
「なに?」
「全ての忍び集団に必ず混ざり混み、全ての大名の家臣にも混ざり、大商人にも化けている北ノ衆・・・と呼ばれる者がいるらしいと。」
「見つけたのか?」
「どういう手を使ったか知らないが斎藤家は日ノ本一番の情報網は持っているのは確かですな。・・・殿には話しましたが先日北ノ衆を名乗る者に接触しましてね。貿易を打診していることを・・・。」
「条件は斎藤家との婚約。」
「松永の爺の時並みに面白くなりそうですな。」
ボンバーマン松永の技術的後継者・・・本田正信動く。