とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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松平忠吉

【江戸城】〔西暦1592年春〕

俺は単独で江戸城に来ていた。

 

「家康のじーさんいるか?」

 

「・・・相変わらずお主はお供も付けずによく行動するな。」

 

「お?鳥居のじじいじゃねーか。殿様はいるか?」

 

「はぁ。・・・こっちだ。面会届けを出すのも自身ではなく家臣にさせれば良かろうに。」

 

「君臨すれども統治せず・・・俺の領土ではそういう統治方法だから直臣も数がすくねーし、その少ない直臣は息子や孫の教育で忙しくてね。」

 

「全く・・・。」

 

「元忠は相変わらず堅いのう。」

 

「家康様。」

 

「よう、たねきのじーさん。元気か?」

 

「ピンピンしとる。で、今日はどうした?」

 

「豊臣崩壊後に領土安堵の代わりに金儲けの話と伊達と最上がお前に密書贈ってるが、その返事を回収しにな。」

 

「じーさんじーさん言うがお主と5つしか変わらないのじゃぞ。」

 

「お互いにじーさんだろうが。・・・あぁもう右手が動かねーんだ。元気なたねきじーさんが羨ましい。」

 

「久しぶりに一杯やろうや。家臣達も異国の話は貴重な経験だからな。」

 

「料理はそっち持ちな。代わりにこれを渡すわ。」

 

「おぉ!?見事な・・・。」

 

「蒼と紅がシンプルに直線で重なりあって出来た紫を現した大皿だ。」

 

「良物だな。これはどうした?」

 

「職人が5ヵ月弟子と共に作り上げた一級品だ。・・・俺の国力を表している。」

 

「ふむ・・・面白い。」

 

「国を豊かにする方法ばかり習ってきたからな。」

そのまま客間に行くと徳川四天王と呼ばれる面々や、次期当主の秀忠、俺の孫の夫である松平忠吉(数日前に元服 現在10万石の領土を持っている)、その母親である西郷局、孫の箒姫、他の重鎮も集まり計30名が座っていた。

 

「楽にせい、徳川の新領の安泰を願っての宴会じゃ。徳川の家臣や一族しかおらぬ。・・・良いな。」

 

「「「は!!」」」

そこから宴会が始まった。

 

〔数分後〕

他の者達が酒を飲んでいる横で、俺と秀忠は地図、資料、貿易額、裏帳簿を全てさらけ出していた。

 

「これは・・・最高機密ではござらぬか。」

 

「そうだ。・・・おそらく徳川の政権になれば秀忠、お前が主役だ。俺の領土から大量の米が取れるのはこの米のお陰だ。まぁさすがに肥料は特殊な配合と何年も研究してきたからただで渡すことはできないが・・・まず忠誠の証としてこの米を渡します。」

 

「すぐには信じることは出来ぬな。」

 

「それと、手っ取り早く収穫量をあげるために米の育て方についての本を渡しておきます。その代わりに貿易の保証をお願いしたい。天下が徳川に行き次第に利益の1割りを納めるでどうだ?」

 

「・・・いや、それよりも東北の細々したやつらを転移させ、松平忠吉に徳川分家を作らせる。そこでも貿易はできるか?」

 

「無論だ。・・・というか北邦は国が大きすぎて物流が時間がかかるから品薄のところがある。それを解消するためにこちらからの貿易はとにかく必要らしい。」

 

「何が売れる?」

 

「三河で取れていた綿花、日本酒、刀、布、芸術品、食料全般だな。」

 

「それで金や銀が手に入るなら良いな。」

 

「それも良いが銅銭の技術を買えば経済を支配できると思うぞ。俺も協力する。」

 

「助かる。成功すれば譜代扱いにすることを約束しよう。」

 

「いや、それよりも火縄銃や大砲の研究をさせてくれ。結果は逐一徳川に報告する。」

 

「それでいこう。」

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