とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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池田輝政の憂鬱

【朝鮮半島南部の山】〔西暦1593年夏〕

山に自生する食べ物や動物を狩ってなんとか飢えをしのいでいた。

手元には250名しかいなかったが、彼らは異国の中でも自分達を指揮して守る輝政が神にでも思えたのだろう。

出身国が様々だった彼らは輝政を守るということで団結し、ともに生活していた。

輝政もただ生活するだけでは武器が無くなるので、包囲(もう壊滅したと思い込んで補給拠点になっていた)が緩んでいる場所を探しながら、偵察兵を集団で殺し、鉄砲や剣、槍を奪っていった。

 

「我々は戦う相手を間違ったのだな。」

鉄砲は撃ちやすい、連射もできる。

剣は刀に似ている物も有れば、刀身が針のように細長い物、打撃に特化した物等があった。

槍も無名なのがもったいないと思う一品であり、持ち手も黒い物が巻き付いて

大抵は害獣用に打撃に特化した物だったが・・・どれも日ノ本なら良物として扱われている物だった。

 

「米・・・食べたいな・・・。」

輝政はたまたま周辺の村から略奪できた芋(じゃがいもやさつまいも、自然薯)を中心とした食生活を打開しようともしていた。

 

〔秋〕

苦難は続く・・・。

日ノ本では池田輝政が戦死したことになり、お家とり潰しとなり、そこに秀吉の小飼の者を入れていた。

秀吉はこの頃から政務よりも秀頼を可愛がることばかりするようになっていたため、その政策に反対することはなかった。

ちなみにこの政策を提示したのは増田長盛である。

 

「情報が全く無いとは恐ろしいことだな。」

このことを6年後に知る輝政の教訓である。

 

〔西暦1594冬〕

寒い季節である。

毎年この時期は山の一部を掘って身分関係なく体を預けあって生活する。

冬は恐ろしい季節であり、食料が尽きると餓死した者も泣く泣く食べねば生きれなかった初年度、蓄えができたが、凍傷により手足が腐り、死んだものが出た2年目・・・今年はそのようなことはなかった。

・・・ただ、男だけだとむさ苦しい。

それだけは不満だった。

禁欲が2年も続けば僧でもやれる時代である。

さらにいつ敵が攻めてくるかわからない恐怖に震える兵達は自らを鍛えたため、異常に強くなっていた。

熊や虎を1人で倒せるほどに・・・。

それを異常と思えなくなっていた。

それが常識となり始めていたのだ・・・。

とても恐ろしいことであった。

 

〔西暦1596年春〕

・・・俺は・・・俺らはもののけとなっていた。

半霊となっていた。

人を食らったからだろう。

閉鎖的な空間で生活していたからだろう。

そんな俺らの前に南蛮人が倒れているのは何かの試練だろうか?

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