〔15分後〕
先ほど生き返らせ・・・いや、キョンシーにした彼女は15分後に起き上がると真っ先にお腹を確認した。
一時的に青紫色に戻っていた顔は真っ白になり、手は震えていた。
「なぜ意識があるのかしら。・・・いや、なぜ知らない言葉を私は意識し、話しているのかしら。・・・カナの子を守らないと・・・。」
私と水銀燈は彼女から見えない位置でじっと観察していた。
「カナの子?水銀燈、彼女は誰かわかるか?」
「たぶん・・・糸だと思うわ。15の歳で村長の3番目の息子と結ばれたわ。口癖がカナと言うの。」
「旦那さんとの関係はどうなのじゃ?」
「村一番のおしどり夫婦だったわたしか・・・。」
「・・・。」
私はなぜ彼女が私の子と言ったのが気になった。
(そんなに愛し合っているのなら私達の子もしくは旦那の安否を気にするはず・・・ん?・・・は!?)
私は思い出した。
キョンシーになる弊害で自信は最愛の者を忘れてしまうと邪仙に操られていた時に聞いたのを・・・。
「水銀燈は誰か好きな人・・・大切な人はいた?」
「妹が一番大切よ。」
「わかったのじゃ。少し彼女と接触してくる。」
私は物陰から姿を表すと彼女はお腹を必死に両手で守ろうとしている。
「お願いかしら。カナはいいからこの子だけは助けてほしいかしら!!」
その姿は母親だった。
私が一生望んでもなれないあこがれだった。
「・・・安心するのじゃ。お主らに危害は加えない。」
「ほ、本当かしら!!」
「水銀燈出てきなさい。」
「はーい。お母さま。」
水銀燈が奥から出てくると水銀燈は糸という少女に
「久しぶりね糸。」
「久しぶり?カナはあなたのことを知らないのかしら?」
「・・・銀と言えばわかるかな?」
「・・・銀、銀!!」
糸は泣き出した。
「怖かったのかしら!!こぉわぁかぁった!!」
彼女はお腹から手を離し、水銀燈に抱きついた。
「どうしたの?あなたらしくないじゃない。」
「・・・地が割れるような揺れがあったのかしら。みんなの性格が変わったのかしら!!」
「地が割れる!?私がいた頃は平和だったじゃない!!」
私は第三者として糸と呼ばれた彼女の話を纏めると
《・春に巨大地震発生
私と水銀燈はその日牛が妊娠した喜びで神界から持ってきた缶ビールを飲んでいてほろ酔いで気づかず
・津波の発生
私と水銀燈は内陸のため影響なし
・糸の村はこれらを神の怒りとし、怒りが納めるため季節が変わるごとに娘を捧げることとなった
・本来なら糸は子供を授かっていたので外されるのだが緊急時として子供ごと捧げられた》
「あなたの旦那はどうしたの!!彼なら村長に頼んで止めるでしょ!!」
「だ、旦那かしら?カナにはそんな人いたかしら?」
「え?」
「のう、お主は銀・・・水銀燈の大切な人を妹以外に知ってる?」
「おじいさんかしら。銀はよくおじいさんから鹿を狩った話を聞くのが好きかしら。」
「え?私は妹の真が一番大切よ?」
「え?銀どうしたのかしら?いつもはおじいさんと妹のどちらか悩んでたのかしら!!」
「ストップじゃ!!落ち着け2人とも。」
一旦彼女達を落ち着けるのだった。