とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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カーニバル継続中

【江戸】〔噴火からすこし経過して〕

空前の好景気に世間は秀忠に一色であった。

 

青森の歩き巫女の情報

 

『大御所様と将軍様について。』

 

江戸の町人A

『将軍様だな、江戸の拡張で金が沢山もらえてな。大御所様の時より金が多くもらえるからな。』

 

行商B

『みんなの財布が緩いから沢山儲かりまっせ。』

 

オフレコ 御家人C

『大御所様は戦に関係することは確かに凄かった。智謀や戦略、戦術、指揮能力・・・ただ、治世となれば秀忠様だな。』

理由は簡単・・・戦が無いため各大名が自領の内政をおこなえたことに・・・公共事業による金のサイクルが出来上がったことと、輸送網の発達により魅力的な商品が各地で売買できるようになったため金を使うことが増えた等だった。

 

【とある建物の中】

 

「貿易商としてもこれは美味しいですな。」

北邦貿易会社の幹部、青森の貿易商人、幕府の重役が薄暗い部屋で話し合いがおこなわれていた。

 

「本多正信殿は苦しそうですな。」

 

「ククク・・・全く理解してない幕府の他の重役達がな。」

 

「経済をですかな?」

 

「しかり。後50年から60年で好景気は終わり、貿易の制限をする馬鹿が出そうで怖い怖い。」

本多が言うことは的を獲ていた。

土地は有限である。

無限に開拓出来るような土地はないのだ。

例外は北邦くらいだろう。カナダの一部も開拓してアラスカに編入していたりしている。

 

「それはまだ先の話・・・北邦での噴火により不味いことが起きるかもしれません。」

北邦の社員が話す。

 

「詳しくお願いします。」

青森の貿易商人が食いつく。

勿論本多正信も聞いている。

 

「海流・・・いや、波の流れが変わりました。」

 

「何か問題でも?」

 

「波の流れは熱を運ぶのです・・・焚き火に団扇で風を送ると風の方向に火が向かい、一緒に熱も移動するでしょ。・・・その団扇が壊れました。来年から数年にわたり冷夏が予想されます。」

 

「ケケケ・・・幕府的にはありがたいな。大半の大名が没落するからの。・・・前田、伊達辺りは危ないかもしれんな。」

 

「大名貸をするでしょうな。」

 

「利子で商人は儲かるの。・・・一枚噛ませろ。」

 

「では許可が降りたと見ますね。」

 

「ケケケ・・・任せろ。」

大名貸とは大名に対しての借金であり、年利率10%から20%という現代なら暴利の借金である。

許可は要らないのであるが、借金が莫大になると踏み倒し(お断り)が発生するため、それを押さえるための手段として幕府を使うことにしたのだ。

これは八代将軍吉宗の時代に崩壊するがそれまでは有効な借金の取り立て方法であった。

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