私は水銀燈と糸を落ち着かせ、椅子に座らせた。
糸は椅子に慣れてないためクッションを置き、彼女達にこの現象を教えた。
「カナ「私は大切な人を忘れたの」かしら。」
「今の会話を聞いているとそうじゃ。」
「そ、そんな・・・。」
「お母さまなんとかならないの?」
「・・・すまないのじゃ。」
「思い出を・・・彼との思い出を返してほしいのかしら!!」
「糸やめなさい!!」
「銀は止めないでほしいのかしら!!」
「・・・お主らは良いな。」
「「!?」」
私の雰囲気の変化に気がついた。
「・・・私は知らないのじゃ。その大切な人が・・・。」
「お母さま・・・。」
「・・・お主らは知り合いと入れるから良いのじゃ。・・・この術は本来なら奴隷を作る術じゃぞ。」
「「え?」」
「カナは自由に動けるのかしら?」
「どういうこと?」
「私は1000年以上も人格を封印され、知り合いもおらず、肉体は死んでいるのに酷使された。お主らが自由に動けるのは私が奴隷・・・体の自由を奪う権利を放棄しているからじゃ。」
「「・・・。」」
「糸じゃったな。お主は私と水銀燈より恵まれておる。子供を産むことができるのじゃ。中が死んでいても私が復活させてやるからじゃ。」
「・・・すまないかしら。」
「大切な記憶を失った者同士仲良くしよう。それが私達にできることじゃ。・・・よいか?」
「お母さま・・・。」
「カナはいいのかしら!!生き返らせてもらっただけでもありがたいと思うのかしら。」
「糸・・・お主は家族として迎えたい。今日から金糸雀と名付ける。金は豊かを表す。雀は声が高いからじゃ。」
「金糸雀・・・いい名前かしら。・・・カナはあなたの名前を知らないのかしら?」
「宮古芳香じゃ。」
「カナは芳香と呼ぶのかしら。」
「家族にようこそ金糸雀。」
「お世話になるのかしら芳香!!」
二女である金糸雀が誕生した。
その後・・・
〔夕方〕
夕食を金糸雀に出すと驚いていた。
「・・・美味しい、美味しいのかしら!!」
「良かったわ。私の鹿肉のハンバーグとお母さまのパンを喜んでもらえて。」
「銀・・・いや、水銀燈、芳香ありがとう!!」
美味しくて泣きながら完食する芳香だった。
その後字を読めるようになった金糸雀は私が持ってきた料理本を農作業の合間に読むようになり、半年後には私より金糸雀の料理が美味しく、材料も少なく使用することからコックさん、カナ料理長と台所で呼ばれるようになるのだがこの時はまだ知らない3人だった・・・。