とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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大坂の陣 3

【大坂城 北側】〔数日後〕

烈火のごとく攻撃する家があった。

池田家である。

池田輝政は豊臣によって父と兄を失い、戦の最中に領地まで失っていた。

その怨みは恐ろしく、池田家は豊臣に怨みを持った者を積極的に雇い入れ、一兵に至る者まで反豊臣で団結していた。

 

「斬り殺せ。一兵も許すな。」

捕まえてきた兵はすぐに斬り殺されるか馬に引きずられて殺されるかと残虐な殺し方をしていたため徳川忠吉の家臣が止めに入るという程のヤバイことをしていた。

恐ろしいのはそれでは止まらず、地下を掘り進め、穴を開けて城内に侵入に成功したのだ。

しかし相手は名将明石であるためすぐに追い返されたが、侵入可能という実績を作ったのは大きく、大坂城の短期攻略が可能という戦略的選択肢が広がったのだ。

しかし、功績を上げた輝政は

 

「虚しいの。・・・戦が悲しく感じるとは。」

輝政は関ヶ原で大名に復帰して既に14年が経過していた。

憎しみのみで全てを動かしてきた男の寿命の蝋燭に再び火が灯る。

 

【大坂城内】〔数日後〕

 

「うって出ましょう!!このまま籠城しても勝てませぬ!!秀頼様の声で突撃を兵に告げさえすれば万に一つの可能性が生まれます!!」

 

「ならぬ!!秀頼は総大将・・・天守でどっしりと構えることこそが最高の士気をあげる方法!!秀頼はださぬ!!」

 

「淀君!!この期に及んでまだそのようなことを!!」

大広間では淀殿と浪人衆の頭達が連日秀頼と協力しての突撃許可を得ようと必死だった。

理由としては兵糧不足と火薬不足が深刻化したのだ。

 

(なぜだ・・・金は有るのに・・・。)

とある豊臣家の武将はそう思うが、東日本の市場をコントロールしていた斎藤家の商人衆は損害覚悟の大値引きと貨幣不足を誘発し、堺にあった大小何百もの商家を身投げに走らせ、大名の倉を扱う商人を買収し、堺の流通網を破壊した。

結果は値引きから一転した値上げと米倉等の戦略物資の秘密裏に江戸へ搬入、治安の悪化による年貢の搬入失敗が相次ぎ、深刻な物資不足になっていたのだ。

・・・この騒動の影には5歳の天才が潜んでいた。

 

「・・・ふふ、溜め込んでましたね。私にかかれば吐き出させることなど造作もないのです。・・・さて、私の商会の軍資金はできました。両替商をしながら北邦でも攻めましょうかね。」

千早商会会長・・・千早ちひろ。

1万両(13億円)を片手にタブーとされていた北邦との金レート交換を始めるのであった。

 

「争え・・・もっと争え・・・。」

 

 

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