とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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経済戦争

【青森 千早商会】〔西暦1615年秋〕

青森藩は半譜代と呼ばれる地位に付いた。

この地位には伊達家も置かれ、家康亡き今、将軍秀忠の譜代改易の嵐が吹き荒れた。

その嵐が始まった頃から世界を巻き込んだ戦争が始まる。

・・・第一次経済戦争である。

始まりは青森藩にある大商会(主に北邦との貿易をしていた)千早商会からであった。

 

「慶長小判・・・1万両・・・使いましょう。」

まず北邦の銀行にてイギリスの銀に金1枚につき銀10枚に交換し、日本に持ち帰る、イギリスの銀1枚は日本の1分銀3枚と交換のため30枚の1分銀となり、それを金と交換する・・・日本の金と銀のレートは1分銀10枚で金1枚・・・気づいただろうか。

3枚儲けていることに・・・。

千早ちひろが単純であればこれで終わるだろう。

だが彼女は歴史に名を残す。

この取引は数日間続き、300万両という莫大な金を得ることとなるが、深刻な金不足となりレートが変わる、その瞬間に金を銀に交換し、1.5倍の価値の銀を入手。

凄まじい貨幣の混乱により市場はデフレとなる。

ちひろの攻撃は終わらない。

このデフレ時に船と北邦の最新技術の大量輸入をおこない、残った銀で北邦で金の買い戻しをおこなって青森経済を元に戻し、約100万両の財産と船、最新技術を千早商会は得ることとなり、自国内で鉄道をひくことが可能になった。

・・・初動の遅れた北邦は大量の銀と金、最新技術を自国の金でかっさらわれる結果となり、財務省の水銀燈は

 

「・・・仕方がないわ。貨幣経済に移行するわよ。」

怒りを抑えながら貨幣経済を脱却に向けて動くこととなり、青森藩は千早商会という第三の大企業(評定会と斎藤家が大企業)の出現に国内での商業活動は活性化することとなる。

 

【江戸幕府】〔西暦1616年冬〕

次期将軍の竹千代も譜代の不信感が募っていた。

教育係として付けられた3名以外で弟の国松を将軍に使用としていた輩を名簿に記入し、さらには母のお江のような武士の娘・・・いや、大奥を毛嫌いした。

お福と一部の外様、数名の教育係だけ味方の時期があまりに長すぎたのだ。

 

(父上が死んだら・・・大奥を潰してやる。)

 

「竹千代様、怖い顔をしないで。」

 

「すまんな・・・長門。」

側室として青森の町娘の長門がそこにはいた。

将軍秀忠とお福しか知らない絶体の秘密がそこにはあった。

・・・この長門が江戸幕府を化学変化のごとく一気に方向性が変わることになろうとは・・・今は誰も知らない。

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