【北邦 芳香宅】〔西暦1617年春〕
芳香は政府から離れ、再び隠居生活をしていた。
「プラクティビギナール・・・。」
シーン
「やっぱり神界の魔法は私には才能が無いようじゃな。」
生活に必要な金は政府持ちなので、魔法の練習や書道、盆栽、歴史書の修正作業をしながらのほほーんと生活していた。
「やはり私は仏教的な仙術を使う方が良いな。」
蒲原の魔法研究所から様々な魔法いや、術が発見されていたが、芳香に適正があったのは仏教の逸話や伝説を元にした物だった。
「紫電。」
紫色は最高位の色であり、雷は様々な逸話にのっている。
そのため紫色の雷を手から出すというものや
「導引術。」
特殊な呼吸で体調を整えたりすることができた。
「便利は便利じゃが・・・地味じゃな。まぁ邪仙のように悪用する気もないし、茨木華扇殿のように元が鬼から来る力が有るわけでもないからの・・・それよりも神力を宿したこの筆の方が凄いか。」
芳香の愛用している筆は5本一組となっており、それらで字を書くとキーワードの物が現れるようになっていた。
ただし、二文字までという制限があった。
《柚子》
ポン
柚子の実が現れる。
「今日は柚子風呂にしようかのー。」
ただ、芳香は乱用しようとはしなかった。
「乱用するほど何かがしたい訳じゃないのじゃ。しかも・・・こんなのごろごろしてるのじゃ。」
聖水が勝手に溜まる湯飲み、仙桃が実る庭の木、悪を断つ刀、イギリスではエクスカリバーと呼ばれている剣の強化版の剣、今は亡き中華の遺産の一族の繁栄を約束する金印等々、芳香の家には様々な物が置かれていた。
別に集めているわけではないのだが、農産物の神力が浸透した茶碗等が勝手に神聖化していくのだ。
川の水も神聖化してその水で冷ました刀や剣も神聖化するという状態であるため、市場で物を買えば1/2の確率で神聖化した物を買えるというなんとも贅沢な状態になっていた。
「・・・青森にでも旅行に行こうかの。ハクでも誘って。」
【ハクの醸造所】
その頃ハクは自分専用の醸造所を経営していた。
約30種類にもなる様々な旨い酒を造ることで有名であった。
「おビール様を崇めなさい!!我々の聖水!!命の源なり!!アハハハハ!!」
完全に酔っているが、これが今のハクである。
龍興が見たら発狂しそうだが、本来の姿はこちらである。
ちなみにこの姿を見た蒲原や小鍛治、フレンダ、佐天は天皇家がこんな酒に溺れて良いのかと頭痛に悩まされたりしていた。
ガラガラ
「ハクいる?」
「アヒャヒャヒャヒャ・・・。」
「まーたラリってるのか・・・これ、日ノ本に行くのじゃ!!」
「JAPAN!!JAPAN!!」
「これけれ、・・・ダメじゃな。」
芳香は酔っぱらいを気絶させると拐っていった。
「これ借りるのじゃ。」