【水戸藩領】〔西暦1619年夏〕
「なんかなにもないところじゃな。」
「あれ?私が北邦に戻った時はここに美味しいキノコの料理を作る村があったんだけど・・・。」
私達はハクが小生瀬村と言う場所を目指して水戸まで来ていた。
「旅の人、ここは呪われておる。念仏を唱えながら立ち去りなさい。」
「お坊、どう言うことじゃ?」
「数年前までこの地には小生瀬村という集落があったが、村人とお侍さんが年貢で揉め、お侍さんを殺してしまったそうな・・・重鎮様が大層お怒りになり、村人を全て殺してしまったのだ。」
「じ、じゃあ小生瀬村は・・・もうないの。」
「ここがその小生瀬村の跡地ぞ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・。」
坊さんはそのまま立ち去っていった。
「どうするのじゃ?」
「・・・ここで生活しよう。村人達を供養したい。」
「酒に溺れたハクではなく、久しぶりに天皇としての安徳を見たのじゃ。」
「照れるし、もう私は死んでるから安徳じゃないし・・・。」
「さてと、久しぶりに腕がなるの~。ここを豊かにして寺か神社を建てることを目標にするのじゃ!!」
「おー!!」
〔数週間後〕
小さな家を建てた。
芳香も建築技術が上がったため、前のような竪穴式住居を少し良くした物ではなく、近場の素材でコンクリートをつくり、それを使った和風と洋風が合わさった家が建てられた。
「とりあえず持ってきた椎茸栽培キットで来年は椎茸の栽培でお金にするとして、今は山菜や二十日大根、川魚で生活するしかないのー。」
「・・・でもそれだと神力の補給できる食べ物である二十日大根ができるまでヤバくない?」
「いや、こういう時のために飴を3袋持ち歩いてるのじゃ。100個入りだから150日は大丈夫じゃぞ。」
「ほっ。」
「ハクは本当に酒が抜けると頭の回転速度が上がのじゃ。」
「でも、お酒は聖水だから!!」
「私もたまにの晩酌は好きじゃがな。」
【水戸】〔数日後〕
盗賊を撃退し、その遺品を売るためにハクを残して水戸の城下町に来ている時に、立て札が町の前に刺さっていた。
《徳川頼房様入城により祭りを開催する》
とのことだった。
(祭りか・・・まぁ今回は私には関係ないのじゃ。)
私はそのまま城下町に入っていった。
【城下町】
所々に壊れた建物や火事で半焼した建物があったが、比較的治安も良く、綺麗な町であった。
(そういえばここは旧佐竹の領地だったのじゃ。・・・争ったのじゃな。)
佐竹は旧宇喜多の領地のうち10万石となっていた。
理由は大坂の陣で無様な撤退をしたためだった。
25万石近くあったうち15万石を減らされたのだから、その分の家臣が追放され、ここで一揆を扇動したのだろうと色々考える芳香であった。