【原城】〔冬〕
数ヵ月を乗りきった五和は必死に今後のことを考えていた。
(日本の文明に混ざった魔術の回路を使って敵を無意識に誘導して罠にはめることでなんとかなってるけど・・・そろそろ私のキャパオーバー・・・逃げることも今はできなそうだから水中で呼吸できるのと自分の都合良く海流を操ることを覚えないと・・・天草先生なら教えてくれると思うけど・・・。)
「「「イエスキリストサンチアゴウ!!」」」
(信長様が手間取った本願寺もこんな感じだったな。・・・隣国の北邦共和国の本にあった宗教は薬という意味がわかった。・・・少量なら不平不満の解消となるが多量なら体を蝕む・・・か。)
五和は宗教関連に関して強い危機感を持ち続けることとなる。
〔西暦1643年春〕
約400の兵が壁を登ろうとしていた。
五和は自ら火縄銃を持ち、そして撃った。
パン
乾いた音がする。
・・・真下にいた武将が地面に落下していく・・・その武将こそ幕府軍の最高司令官だった男であり、彼が戦死したことにより一時的に幕府軍の包囲に穴ができることとなった。
〔夜〕
月は雲に隠れ、真っ暗な夜に何者かが海に飛び込む音がした。
見張りのキリシタンは誰かが海に落ちたと叫んだ。
海底ではそんな声も聞こえない。
五和は魔術と忍術を合成させた新術で海の中を時速50キロで進む。
(燃費が悪い・・・良くて萩辺りで効果がきれる・・・。)
五和はそんなことを考えながらもしばし海底散歩を楽しむのであった。
【青森】〔数日後〕
ガヤガヤ
城下では大感謝祭と呼ばれる春の祭がおこなわれていた。
そこでは剣道や柔道、弓道や射撃等の項目の他に蹴鞠や和歌比べ相撲やサッカー、野球等もあった。
「西~草津の村~東~青の森~。」
相撲ではその力士の出身の村を言うのがしきたりである。
その村や町の力自慢が集い大会賞金である北邦家族旅行(経費は藩持ち)を勝ち取るために予選を勝ち抜いた猛者達であった。
そんな力士達の中に仮面を被った大男がいた。
青の森・・・身長2メール29センチ、体重145キロ・・・予選ではその重量による突っ張りは初参戦した力士ではその肋骨を折ってしまい、力を分散させて耐えたとしてもその巨大なのに繊細な指により回しを掴まれたら一気に土場から放り投げられた。
・・・まぁ龍元なのだが、パフォーマンスの一種で家光もお忍びで龍元の相撲を見たときに感動して龍元を江戸に呼び出し、無双の2文字の直筆の掛け軸を与えたほどであった。
「さあ!!かかって来るんだな!!」
龍元38歳・・・まだまだ現役である。