【農南 上海】〔秋〕
国際都市上海・・・この地にはイギリス、オランダ、ソ連、モンゴル、タイ、ビルマ、韓国、日本そして北邦の国々の町が存在していた。
ここがあるため日本の長崎はただの1港まで価値が低下してしまっていたが・・・。
そんな上海に幕府の全権を持った1人の侍が降り立った。
「まさに異世界・・・。」
徳川道々・・・鳥取徳川家初代当主である。
彼が来ていた理由は台湾問題の決着をつけるためである。
台湾は地理的に北邦が近いが、東南アジアに進出するためにはどうしても欲しい場所であった。
なお、この問題は日本と北邦、韓国だけでなく、基地として使いたいイギリスとオランダも関わっていた。
しかし台湾には超戦闘的な原住民が存在していたため中々手を出すことが出来なかった。
港から徒歩3分の会議場に到着すると係員の案内で会議室に通された。
(いかに幕府に利益を残すかを考えなければ・・・。)
「少しよろしいですかな?」
「ん?」
【江戸城】〔冬〕
「ご説明してもらいますよ・・・道々さん。」
人は怒り狂うと逆に冷静になる。
今の家綱がその状態であった。
「イギリスは台湾での問題を有利にするために私に協力をする代わりとしてオーストラリアという土地の権利と交換することを条件に出してきました。」
「・・・で、素直に協力したと・・・馬鹿かてめぇは!!昔あった津波で作物が育たない不毛の大地をホイホイ受け取りやがって!!」
「し、しかしこの広さならば・・・。」
「・・・お前は発狂した。養子として綱吉を入れた。発狂したお前は浪人を雇い開拓地へと出ていった。」
「し、将軍様!!ご慈悲を!!」
「目障りです。」
ドゴ
家綱は道々を鞘で叩きつけた。
「知ってるんだよ!!お前は勝手に藩にあった全ての金銀だけにとどまらず幕府の利益の3年間分の借金手形まで渡しやがって!!これで死刑にならないだけありがたいと思いなさい!!・・・あ、参勤交代はあなたは不要です。あなたの息子が出来たらこさせなさい。」
【鳥取城】
「・・・ミスった。」
イギリスとの取引は秘密裏におこなったはずであったが全て兄である家綱にバレていた。
イギリスは彼を売ったのだ。
日本は大切な取引相手であるためオーストラリアの売却もだいぶ安く売られたが、実際はイギリス本国で革命中であり、革命派が資金を調達するために売り払ったのだ。
ただ売ると後々日本との貿易に響くので道々をスケープゴートにすることで悪影響を防いだのだった。
「・・・浪人を雇うしかないな。」