【江戸】〔西暦1646年春〕
道々がオーストラリアに飛ばされるまであと少しというころ、軍事学者の由井正雪が反乱を計画していた。
「小笠原に浪人を送るだけでは全国の50万にもなる浪人を捌くには無理である。・・・反乱をおこし、浪人の困窮を訴えるしかない。」
という理由だった。
「松平さん。首謀者をここに口が聞ける状態で連れてきなさい。絶対に殺してはいけませんよ。」
将軍の情報網は並ではなく、忍び衆の報告により家綱は反乱計画を事前に知ることができた。
家綱は由井正雪に興味を持ち、そして話を直接聞いてみたくなった。
〔数日後〕
縄でぐるぐる巻きにされた由井正雪以下首謀者達が将軍である家綱の前につきだされた。
頬には殴られたような跡もある。
「縄をほどきなさい。」
「う、上様!!」
若年寄の1人が悲鳴のような声で言う。
(まだこいつは使えますね・・・。)
家綱は必死の声で縄を解くことを撤回して欲しい若年寄は使えると判断しながらも、縄を解かせた。
「幕府を揺るがす謀反人・・・大罪人のあなた。失敬、由井正雪以下首謀者の皆さん。ごきげんよう。4代将軍の徳川家綱です。・・・あなた方の行動力は実に素晴らしいものです。感動すら思えますよ。」
(下にいる無能どもよりね。)
「私はあなた達を旗本にしたい。いや、あなた達の協力者も御家人にしたいくらいですよ。・・・ただあなたは今は大罪人です。・・・どうでしょう?もちろん浪人の中でも学の有るものは北邦共和国の使節団が不足しているので学んでこの国を豊かに、力有るものは道々が開拓使用としているオーストラリアにて頑張ってみては。」
「・・・上様は謀反人ある我々を登用すると言うのですか?」
「上様!!何を言い出すのです!!幕臣ではダメなのですか!!」
「黙りなさい。私は由井正雪と話しているのですよ。あなたとは話していませんよ。」
(優越感が人を駄目にするのですかね・・・一定数は有能な人物もいるのですがね・・・。)
「どうしますか由井正雪さん。」
「お受けします。」
「でしたら、あなた方に浪人の選別と第二次使節団の責任者の仕事を与えましょう。資金はこちらから出します。有意に使いなさい。」
ホーホッホッホ・・・甲高い笑い声で家綱はこの場を締めた。
約半年後に道々と由井正雪の活躍?により浪人の9割りは何かしらの職に着くことができたそうだ。
「良い人材が転がっているのじゃ。水戸に引っ張ってきたのじゃ。」
「従業員が足りなかったので追加で雇うことができました。」
芳香とちひろの力もあったが・・・。