〔翌朝〕
夜に子供の名前をどうするか話しているうちに夜が明けてしまい、私達は睡魔に耐えきれずに眠ってしまった。
起きると金糸雀が男の子を抱いて泣いていた。
「金糸雀どうしたのじゃ!?」
「・・・。」
私は子供のことを見ると腕から血が流れていた。
そして・・・体の右側が干からびていた。
「・・・名前も決めてないのかしら!!カナより早く死ぬなんて・・・芳香!!芳香ならこの子を生き返らせることができるのかしら!!」
金糸雀の母親として子供を守ろうとする目に私は一瞬できると言おうとしたが、子供にもう一度目線をずらすと・・・体が灰に変わっているのがわかった。
(無理じゃな。・・・この子は消えてしまう。)
「この子はキョンシーとして復活させるのは無理じゃ。・・・しかし、彼の体を双子の女の子の体の補強として産まれてきた証を残した方が男の子も喜ぶのじゃ。」
「ほ・・・本当かしら!!」
「早くするのじゃ・・・その子が灰に変わる前に・・・灰になった部分を切り離すのじゃ。」
「・・・カナがやるかしら。」
ガクガク
金糸雀は震えていた。
涙を流しながら・・・。
私も悲しくなるが・・・金糸雀の震えた手を両手で握り、男の子の灰に変わった部分を切り落とした。
男の子は体の半分を失い絶命した・・・。
「金糸雀・・・よくやったのじゃ。」
金糸雀は今にも倒れそうだった。
「・・・女の子を強くして・・・。」
バタ
「後は任せるのじゃ。」
私は倒れた金糸雀をまだ寝ている水銀燈の隣に運び、横にした。
運び終わると私は生き残った女の子と半分になった男の子を抱えトラックの中に連れていった。
【トラックの中】
(・・・。)
私は男の子に八意の医者からもらった液体を体に投与するとスライムのようにネバついた青白い液体に男の子の体が変化した。
私はその男の子を女の子に飲ませた。
飲ませるだけではなくならないので、注射器に入れて何回も身体中に投与した。
「保護液か・・・。」
量が多すぎたので余った液体を冷凍保存し、私は八意の医者に貰った液体を眺めた。
回想
「なんじゃこれは?」
「・・・うちの姫様が体を液体にしてある人物を殺したいんだと。」
「なぜ私に渡すのじゃ?」
「何かに使うことがあるかもしれないでしょ。これで液体にされた相手は万能薬になるのよ。」
「これを投与するのか?」
「成長促進、破損部修正、肉体の強化、何百種類の免疫の獲得・・・まぁ実験用だから数はないけどね。5本渡しておくわ。」
「これ違犯薬剤じゃ・・・。」
「使わなければバレないバレない。」
後に八意はヤマメから直接注意されたそうだが、それを知ったのは私が神界に帰る数百年後のこと。