とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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列車砲

【北海道】〔3月2日〕

日本は札幌制圧作戦、日の入り作戦を開始した。

通信量の多さから近々に日本の一大作戦が開始するだろうと読んでいた参謀本部は素早い対応をすることができた。

 

「85cm列車砲よーい。」

 

「気化弾装填。」

 

「角度調整中。」

 

「後続車両同様。」

 

「・・・本車両完了。」

 

「放て。」

 

ドゴォォォォンンンンン ドゴォォォォンンンンン ドゴォォォォンンンンン

 

3両の85cm列車砲による攻撃は20キロ先にいた日本軍航空基地、物資集積場、現地司令部をそれぞれ襲った。

3発の威力は200トン爆弾と同様であり、特殊弾とはいえ、戦略兵器となった瞬間である。

なぜ日本軍はこんな化け物を発見することができなかったかというと、この化け物は地下鉄を使って現地に運ばれたからであった。

何より恐ろしいのが、この列車砲が連射可能ということだろう。2分間の冷却後にさらに3発放たれ、日の入り作戦は完全に破綻し、4師団が降伏する大損害を与えることに成功する。

敵の死者は7万人、大将1人、中将2人も亡くなった。

対してこちらは損害は0である。

この損害に津軽海峡までの北海道南部の放棄を日本軍は決定し、残りは日本軍の損害が4割を超えた知床半島の一部と、北海道北部の一部であった。

 

「・・・その前に制圧作戦を開始しよう。アメリカが動き始めるとあかんからな。」

参謀総長は追加納入された3トン戦略爆撃機(爆弾の搭載量が3トンであって、爆撃機本体が3トンではない)3000機がR-1に守られながら3月11日、紅葉作戦が始まった。

 

【青森】〔3月11日〕

晴天のその日、基地のサイレンはなりっぱなしだった。

いつの間にか敵は日の入り作戦を頓挫させた列車砲を20門も揃えて津軽海峡の海上封鎖をしていた長門、金剛、陸奥、山城達を葬った。

いよいよ本土に海からやって来るだろうと兵士達の間では話されていたが、敵は空からやって来た。

レーダーを見ていた私は目を疑った。

白い塊がこちらに動いてくる。

パット見で6000は余裕で超える。

しかも9000メートルで飛行するなんて・・・。

 

「司令!!」

 

「慌てるな。我々には蒼萊がある。各基地からも援軍は来る。なに、我々は地下壕でこの編隊が壊滅した報告を聞けば良い。」

 

「そ、そうですね。そうですよね。」

しかし気体は裏切られる。

蒼萊200機は敵の護衛機の異常とも言える防御力により、中々本体に攻撃できなかった。

空から人が降ってくる。

パラシュートでゆっくりとではない、いや、パラシュートのもあるが、それは箱だけである。

 

ベチャ

肉片が落ちてきた。

 

ムクムク

形を形成する。

 

「う、うわぁぁぁあ?!」

驚いて拳銃の引き金を引くが、

 

「遅いのよね。」

 

ゴキ

私は暗転する視界で化け物を見つめていた。

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