【諜報部 テレビ及びラジオ室】〔6月5日〕
長期戦となり、現状有利に戦っている北邦軍は気持ちに余裕が出てきていた。
この調子で頑張ってもらうため、また士気を上げるために芳香は苦手ながらに国民のために演説をおこなった。
ピピーガガ・・・
『私は元を辿れば裕福な少女であった、次は長い期間奴隷であり、次には自由を喜ぶ農民になり、最後は指導者となった。・・・戦争・・・善か悪かで言えば悪であり、正義か悪かと言われれば正義であり、正義か善かと言われれば正義であるのじゃ。・・・どこにも善などないのじゃ。・・・私は指導者として全ての悪を被る覚悟はできている。故に前線にて戦っている兵士諸君は後ろを守るために戸惑うことなく引き金を引け。故に工場で武器を作る者は前線にて戦っている兵士のために働け。農家も、輸送関係も、第三次産業者も漁師も・・・ありとあらゆる職は悪を気にすることなく自身の正義を持って行動するのじゃ。・・・しかし、絶対に戦争中は善を犯していることを考えるな。・・・村民よ、市民よ、国民よ!!アメリカ、イギリス連邦諸国、日本は強い。故に手を抜くな。誰が世界の最大にして強国かを教えてやるのじゃ。北邦2000年の歴史!!その技術力と生産力を!!奴らに叩き込め!!』
次に金糸雀がその場にたった。
そしてこう発言した。
『欧洲陷入混乱吧。我们被友好国家。・・・以上かしら。』
それは中国語で欧州は混乱に陥るだろう。我らが友好国によってという発言だった。
北邦でも極僅かしかしらない言葉にラジオを聞いていた敵の諜報員はこれを新型の暗号として何かのメッセージととらえた。
しかし、アメリカもイギリスも解読不能と解るやいなや、この事を上層部の間で秘蔵した。
〔7月1日〕
東條内閣が辞職。
日英安保破棄を通告し、北邦と和平を締結。
《・25名の戦争指導者を北邦の収容所にて隔離
・陸軍を一部解体
・治安維持法の撤廃
・北邦に一部技術の公開
・憲法の一部改正
・共同技術研究所の設置》
鈴木新内閣はこれにサインして日北の戦争は終結した。
北邦軍は一部治安維持目的の部隊を除いて撤収した。
北邦は日本の優れた戦車や戦闘機、海上戦力と日本が誇るトラック技術を手に入れる。(北邦の車両はタイヤが無いため初めてタイヤのついた車両を作れるようになる)
【参謀本部】〔8月2日〕
アメリカ、イギリス連合軍も北邦軍も大きな動きが無いまま月日が流れていた。
アメリカはM4シャーマンの量産による波状攻撃をするため、イギリスは大敗による戦力回復をはかるため、北邦は日本の技術を応用した新型兵器の開発を急いでいた。
日本は本土決戦用に六式戦車チル(61式戦車)を開発していたのでそれを押収し、バラして解析、改造をSBが中心に進めていた。
「戦車の分類をしっかりした方がよろしいのでは?」
これが参謀の誰かが囁いたのが始まりである。