とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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事情聴取と解放

吊るされた私からは縄の締め付けと体重からやはり血が滲んでしまい、床を汚したことに申し訳なく思いながらも誤解を解こうとした。

 

「・・・で貴様は逃げ出したところを保護されたと・・・。」

 

「そうじゃ!!札が貼ってないときもある札が貼られないと本来の感情、表現、行動できないようになっておったからのぉ。」

 

「本当かどうか調べればわかるんだぜ。」

白黒魔法使いは床に垂れた私の血を変な物(スポイト)で取ると紙に陣を描いて血を垂らした。

 

「・・・嘘は言ってないんだぜ。こいつ千数百年も自我を出さないで生活してたんだぜ!?」

 

「誤解が解けたようですなによりじゃ。・・・早く縄をほどいてくれないかの?」

そう言うと今まで黙っていた男が縄を切り裂いた。

 

ドテ

 

「痛いんじゃ!!」

今度は肩が外れたらしい。

いくら防腐の術をしても表面だけなので骨はだいぶボロボロだし、中はグチャグチャ・・・あの邪仙がさらに何かの術をし、私の肉体を強化していたのは明白だった。

 

(そこまで私を側に置きたいのか。あの邪仙は!!)

ふと思うとなぜあの邪仙が私に肩入れするのかわからない。

とある豪族に産まれ、才女として有名となり、高家に嫁ぐ際にあの邪仙が

 

「良いわ。最高の素材!!」

と言ったが最後、肉体という牢獄に閉じ込められた。

 

(わからない。・・・たぶん永遠に知ることはないじゃろう。)

そう思いたい芳香であった。

 

「大丈夫ですか?」

小傘の声で意識を戻し

 

「大丈夫じゃ!!」

と答える。

実際は大丈夫じゃないがそう言った方が良い方向に進むと思ったため、大丈夫と言った。

 

「・・・軟禁の上で様子見。橙・・・汚れても良い部屋にこいつを移してくれ。」

 

「はい!!らんしゃま!!」

結果、別の部屋に閉じ込められるのだった。

 

〔3日後〕

体が乾燥して手足が干し肉の様になった頃、九尾の女狐が

 

「もう出て良いぞ・・・と言われた。」

何か・・・異変が終わったと感じた。

 

「私はどこに行けばいいんじゃ?」

 

「ここの敷地内で待機しててくれ。・・・幻想郷の再生が・・・再構築をヤマメがするから。」

 

「ヤマメ?再構築?何を言っておる?」

 

「まぁ観ていろ。」

私は女狐が指差した方向を見ると空が暖かい光に満ちていた。

さらに空間が捻れ、遠くに何やら大きな塔が沢山はえているのが何となく見えた。

 

「あれは?」

 

「彼女が住んでいた国を持ってきたらしい。」

 

「神か?あやつは?」

 

「知っているのか?」

 

「襖越しに覗いたんじゃ。神々しかったぞ。」

 

「わかるのか。」

 

「多少の心得はあるのじゃ!!」

 

「たぶんヤマメがこの忘れられた空間を全く別の物に変えてしまう・・・良いと思うかキョンシー。」

 

「時代は水物・・・変わらなければ私のように腐るもの・・・。」

 

「そうだな。」

この変化が私の運命を大きく変えることとなるとは思わなかった。

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