〔18年目春〕
2ヶ月が経過し、私以外の人達は彼女らが帰ってくると思っていたが、何日たっても帰ってこない。
「・・・水銀燈と真紅はここで子供を見ていてくれ。」
私はそう言って金糸雀、翠星石、蒼星石の3人を連れてある場所に向かった。
【森の奥】
雪が薄く積もっていたが私はその木々の所々にある傷跡をたどりながら進んだ。
「彼女らも戻ってくる予定じゃったんじゃ。・・・しかしそれはできない。なぜなら・・・。」
私は洞穴の前で止まった。
「肉体の死じゃ。」
前にはバラバラになった数体の熊の死体と彼女らの肉片が落ちていた。
「「「う!?」」」
「私はここに行くように彼女らを誘導したのじゃ。実際にいるかどうか何回も確認に行った。見えないように監察も続けた。」
私はビデオカメラを取りだし、電源をつけ動画を再生した。
『1日目変化なし。私は彼女らを見せしめのために使うことにする。村が崩壊するよりは膿を切り捨てる方がいい。・・・何回もチャンスがあったが食料を持っていくときにその迷いもなくなったのじゃ。』
『1週間が経過したのじゃ。彼女ら体の変化に気がついたようだ。動きが鈍くなり、骨が軋む音がたまに聞こえてくる。』
『3週間が経過したのじゃ。神界から持ってきたてんさいを使った甘味類が尽きて数日が経過したのじゃ。・・・最初は反省したらまだ復帰させる予定じゃったが・・・食料配分も考えられんならいてもしょうがないのじゃ。・・・そうなると金糸雀、水銀燈、真紅は柔軟な頭を持っていたのじゃな。』
『1ヶ月と少しが経過したのじゃ。・・・あやつらは馬鹿か?体が動きにくくなっているのに熊に喧嘩を売るとは・・・あ、殺られた。体の内部が腐っているのもわからんのか?』
「これが彼女らがなぜ肉片になっているかじゃ。」
「・・・なぜ彼女らは体の内部が腐ったのですぅ?」
「実は教えてなかったのじゃが、神界の作物や動物は体を保護する働きがある。正確に言うと腐敗防止じゃな。だから数ヵ月たってもカビが付かなかったりするんじゃが・・・それが私達の体の腐敗化を抑えてるのじゃ。」
「・・・ねぇ、それって腐敗化したら戻らないの?」
「いや、食べ物をいつも以上に食べれば治っていくが普通の3倍食べないとなおらんぞ。神界から持ってきたものなら普通の量・・・いや、牛乳飲んでれば治るぞ。」
「・・・一歩間違えればこうなっていたのは私だったかしら。」
「・・・たぶんないと思うぞ。彼女ら・・・知らないと思うが時々美味しいものを隠したりしておったし、サボるし・・・。」
因果応報と言えば良いのか・・・結局彼女らは復活させることなく埋葬した。