〔79年目春〕
冬の期間に北にある銅山を採掘する50人の選抜隊を選んでおき、春には採掘作業を開始してもらった。
そのために銅山までの道を舗装し、集落を建て、採掘した鉱石を精錬するための炉の建設、それらに平行して海沿いに向かう道の整備と慌ただしくなった。
この頃になると学校を建設し、金糸雀がまとめた教育の基本に沿った独自の学習が誕生し、10歳になるまでそこで色々教わった。(・・・ここに通うのは5歳からの5年間だがその間にだいたいの生徒は将来のパートナーを決定する。)
「忙しいのじゃー。」
「ホントだよ!!何で畜産関係の僕まで採掘作業の効率化を考えているのさ!!」
「ヒナの考えでは牛の力も動力にしたいの。だからそっちの専門家を呼んだの。私が蒼星石にお願いしたのは牛の引っ張る力と何時間歩き続けられるかだけなの。文句を言わないで欲しいの!!」
「その牛を使った歯車を回して採掘した鉱石を運ぶベルトコンベアの研究をしてるのは僕じゃないか!!」
「煩いの!!ヒナだってローマってところの水力採掘法について書かれた本を見ながら再現しようとしてるの!!そっちは弟子が一杯いるから良いの!!ヒナがやってるのはヒナ以外にはついてきてないの!!」
「そこまでじゃ。手を休めるな。文句を言うなら翠星石に言え。元を辿ればあやつじゃ。」
「クウゥ・・・!!翠星石は悪くないの。・・・蒼星石も言い過ぎた。ごめんなの。」
「僕も言い過ぎた。ごめんよ。」
「・・・思ったんじゃが私いる意味ある?採掘関係は無知じゃぞ?」
「「なら道の舗装をしてるの」なよ!!」
最近皆の当たりが強いため色々思うところがある芳香だった。
〔80年目秋〕
銅銭の鋳造が開始された。
猫ババする輩が出ないように使った銅、混ぜるのに使った鉱物の総量と出来上がった銅銭の重さが等しいか計り、誤差ではすまされないことがあれば私刑ということになった。
「そう言えばこの通貨の価値はどれぐらいですぅ?」
「米半斗(9キロ)で1銭じゃな。」
「あれ?磁器通貨は米2斗(34キロ)じゃなかったですぅ?」
「そうだよ。ただ銅銭だけ渡しても混乱がおきるだけだから村の皆に返却するときに磁器と銅銭どちらも渡せば銅銭の価値が認められるからね。」
「・・・思ったんだけど・・・通貨の掘られている文字・・・北海道銅銭はわかるですぅ。何で銅銭の名前を人類1号銭って名付けたですぅ!!」
「いや別に理由はない。何で呼んでも良いじゃ。」
後生でこの通貨を調べる運動で本当に人類1号銭と名付け直される珍事がおこった。