とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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西暦30年~

〔西暦30年春〕

若者達の間で黒曜石を加工するのが流行っているようだ。

流行っている理由は前にあった火山近くでの砥石の産出量の増加、マグマが固まった地域で黒曜石が大量に産出、鉄製品の値段の高さが理由だった。

たたら吹きの改良がされたといっても鉄製品のほとんどがシャベルや鍬、ノコギリ等に加工されてしまうので家で使う包丁や貝の口を開けるためのナイフが不足してしまっていた。

困った彼らは代用品として黒曜石を選んだらしい。

しかし、力が強い男性陣が荒削りをし、女性陣が仕上げをすると包丁として普通に使えるほど綺麗な物に出来上がった。

ブームというのは時に新たな物を産み出すこともあるというものわかった。

・・・黒曜石を使った鏡だ。

 

「これは・・・見事じゃ!!」

まるでウォーターカッターで斬られたかのように真っ平らの半径10センチの円盤が光を反射していた。

私の顔もはっきりと写せるくらい綺麗な鏡が・・・50枚ほどあるのだ。

 

(これは良い拾い物をしたかもしれんの。)

私はこの鏡のようにを磨ぐ技術を推奨した。

 

(今は効果が薄いが、鍬等の日用品も日頃から磨くようになれば道具の寿命も延びよう。

それが正しいのじゃ。)

神界で芳香が受け入れられないものもあった。

それが大量生産大量消費である。

 

(もったいない。多少の損傷なら修理すればまた使えるのに・・・。)

芳香は古くから引き継ぐ日本人特有のもったいない精神が特に強かった。(神界では貧しい部類に入っていたことも関係ある)

そのため大量生産大量消費は必要とわかっていてもどこか嫌な気持ちになることがあった。

 

(まぁ使い捨ての物は仕方ないのじゃがな。)

 

〔西暦40年冬〕

・・・人が進化しました。

9世代目となる子供達が大人になったことでその異常性が見つかった。

男女共に真冬でも半袖で普通に生活し、霜焼けにも凍傷にもならないのだ。

おそらく耐寒性を身に付けたと見える。

ただ、目に見える違いは女性の髪が伸びるのが早いだけで、男性は屈強な筋肉が高速に震えることで体温を保っていると思われる。

 

〔西暦45年春〕

 

「人口も5000人を超えたところじゃ。そろそろ本格的に行政に関する施設・・・村から町いや、都市として機能できるようにするのじゃ。」

 

「でもお母さま。それだと区画の整備をしっかりしなければならなくない?」

 

「あのなー。私はそのためにあまり西側を空き地を多くしたのはその為じゃぞ。・・・で、作るに当たってレンガと生産量が増えてきたセメント、コンクリートブロックを使いたいのじゃ。だから改築する規模が少なくて済むように始めから部署を決めたいのじゃ。」

こうして政都の構想が始まった。

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