とある宮古芳香の悪戦苦闘   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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西暦49年~ ネロ有能

〔西暦49年春〕

約2ヶ月でネロもだいぶここに馴染んだようで、ここの和風と洋風、ローマの一部を融合した独自の文化を褒め称えた。

しかし道の舗装技術と上下水道の技術、家に対する技術は不満のようで、すぐに改善案を出してきた。

 

「・・・若いの自分で集めてやるんなら資材は出すぞ。・・・ただ家だけは無理じゃ。ローマ風にすると地震で崩れるからな。」

と言って家だけはいじるのをやめてもらった。

地震は彼女もすでに経験しており、その時は震動4くらいだったが天変地異の前触れとか叫んでいたためか、無理してまで改善使用とはしなかった。

 

(影でこそこそと耐震を備えたローマ式の建物を作ろうと頑張っておるが・・・諦めてくれんかの?)

彼女の努力が実るのかはまだわからない。

 

〔秋〕

収穫期が過ぎたためネロは動き出した。

まず現在舗装してある道のくぼみを利用し、そこに鉱山や炭鉱の採掘中に出た砕石を道に敷き詰め、このときまでに私が手伝って作ったある程度の量のセメントを流し込んだ。

そして表面だけ平らで分厚い石をセメントが固まる前に並べ、最後に横を止め石を並べて完成させた。

 

「金は払う。どんどん敷いていけ!!」

そんな金を渡した覚えはないが、彼女は私が自由に使ってよいと許可した窯を使って紅花を使った紅色磁器と吹き技法と呼ばれるガラスの加工法に薄い青色をつけた湯飲みと皿を市場で売って資金にしていたようだ。

 

(あれ、あやつが作っていたのか。)

私にも気づかれることなく作り、そして自身がしたいことのために金をふんだんに使う。

それは本当の政治家であり、芸術家でもあった。

経済を担当する水銀燈と真紅はまた金が足りないデフレになるかと怖がっていたが、そんなことはおこらず、金の回り方はより速くなったので好調だった。

 

(たぶんこれも計算しておるのじゃろ。・・・すさまじいな。こやつに政務を任せよう。私は少し趣味に走りたいからな。)

改修工事は約6ヶ月で全部の道がローマ式になり、物流はさらに活発化した。

 

〔西暦50年夏〕

ネロは政務は断ったが、物流建築の部署には積極的に参加したいと言ったので部長にした。

理由は予算を与えればそれだけ見返りが大きいし、彼にはまだ上下水道の整備の拡大、ガラスの量産と磁器の量産のための工房の建築等々が残っているからだった。

 

「余は政治も芸術の一種だと考えている。現に芸術作品と同じで繊細に扱わなければすぐに壊れてしまう・・・それが政治だ。」

と部長就任時に名言を残している。

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