〔西暦52年春〕
ネロは上下水道の工事の準備や自身が作っていた着色技術の伝授で1年が経過してしまったが、この間に各部署との摩擦をなくす努力をしていたようだ。
その努力によって畜産農業から牛のできる限りの貸し出しの約束を取り繕うことに成功したようだ。
「さすがじゃな。数年後に政務は渡すからな。」
「だから余はあまり政務はしたくない。人には向き不向きがある。余は趣味に全力をつぎ込むタイプだから全体の利益を考える政務は苦手なのだ。」
これだけ言っても首を縦に振らないので、人気もあり、全体をよく考えている金糸雀に政務を任せるように考えを変えた。
〔夏〕
ネロが本気を出した。
上下水道の整備を一気に始め、約2年契約の労働者を雇って1年中作業させることができる者を75人集めることで作業効率は格段に上がり、区画ごと15人のグループに分けた分担作業も彼女は提案し、実行。
その効率の良さに効率房の雛苺も
「何でこんな簡単なことを発見できなかったの!!」
と驚きながらもすぐにまねをするほどだった。
「手を抜いたら賃金を減らすが、頑張れば増やすことを約束する。」
と言って士気を高めたり、現場が欲している道具を事前に用意する姿勢は働いている者達が感激し、さらにやる気を出す好循環になっていた。
「すさまじいな勢いで上下水道が整備されていってるのじゃ!!しかも地震に耐えるように工夫されておる。」
よほど地震がネロの考えに変化を起こさせたのだろうと感じた芳香だった。
「・・・しっかし人口が1万人を超えたが、最近双子や三つ子が産まれた報告をよく聞くな?戸籍は昔から有るから良いが、書き直す作業が増えてきているから早めに行動しないとな。」
〔西暦55年夏〕
最初は政都のみだった上下水道の整備を住民達と、安定した賃金が貰える若い労働者達の希望で結局今ある集落まで全てで作業をおこなうことになった。
それら全ての作業が1年の延長を含めた3年間で完了し、今後は編み目のように各家庭に水を供給できるようにするようだ。
ただ、水道ができても井戸が無くなることはない。
井戸は農業用水と水道から離れている家では使われ続けることとなった。
〔西暦60年秋〕
今年は米と大豆が大豊作で通常の1.5倍、米は約2.5万石、大豆は約0.45万石と異常な収穫量となった。
〔西暦61年秋〕
今年も昨年と同じくらいの豊作・・・これにより始まった。
第二次人口爆発が・・・。
「じ、人口出生率が86じゃと・・・!?」
これは今年産まれた子供の数を総人口で割って1000をかけることで計算でき、現代日本は1.46である。
しかし人口爆発は始まったばかりだ。
人口 11500人
動力水車300基
共同風呂29ヶ所
窯 8基
たたら吹き施設 8ヶ所
銅山 2ヶ所
塩製造施設 7ヶ所
田16000畝
ジャガイモ3900畝
小麦3500畝
大豆3000畝
菜種500畝
他 各種400畝
牛5300頭
鹿8900頭
鶏1220羽