〔西暦222年春〕
次に発展したことが味噌の量産である。
(各家庭で作っていた味噌じゃが・・・集団で作ることで味のばらつきがだいたいなくなったのじゃ。・・・一番の発見は味噌を大量に作ることで樽のそこに液体・・・溜まり醤油ができていたことじゃな。)
着々と保存食が充実していった。
「これで役人達が必死におこなっている開拓団が活動がやり易くなるじゃろう。・・・やれやれ、役人達もまだまだ詰めが甘いのじゃ。」
そんなことを呟いているとカタカタと机が揺れた。
「・・・地震か?」
すぐに揺れは収まったが、外が騒がしい。
外に出てみると渡島半島辺りで噴火のようだ。
「・・・救助に向かう。現地に近い渡島の被害はわかるか?」
私は近くにいた役人に聞いた。
「すみません長老・・・わかりません。」
すぐに私は考えを切り替えて風向きを調べた。
(・・・大丈夫じゃな北西から来る風じゃ。灰は全て海側に流れる。・・・あそこら辺にある山は・・・有珠山じゃな。)
私は救助に向かう人員と物資を集めてすぐに出発した。
(第二陣の指揮は金糸雀がその次は水銀燈が準備しておる。)
第一陣はすぐに出発したが道が整備されていても時間はかかる。
政都から渡島に着くのに1日かかってしまったが、到着してみると瓦礫の撤去まで終わっており、被害を纏めたレポートもできていた。
「これを作ったのは誰じゃ!?」
すると人混みの中から2人の男女が現れた。
「土間タイヘイです。で、こいつが・・・。」
「土間うまるです。キョンシーでタイヘイの祖母に当たります。渡島の都長が私で孫のタイヘイが札幌の救援隊の責任者です。」
「・・・すまない救援が遅れて。」
「ちょ、長老が頭を下げないでください。死人は出てないのですから。」
「うまる・・・タイヘイ・・・感謝するのじゃ。・・・で、復旧はどれぐらいになりそうか?」
「はい。札幌では今回の件で飽和状態の労働者をぶつけるので3ヶ月以内には片付くと話し合った結果そうなっています。」
「政都からも来るのですよね?救援部隊が。」
「第四陣も計画していたが要らなそうじゃな。私の第一陣と金糸雀の第二陣で十分と伝えておく。」
被害事態は土間一家の活躍により物的被害だけだったが、今回の一件で地震の観測、海の波の観測、天体を観測する3つの新たな仕事が生まれた。
天体観測は入れるつもりはなかったのだが、時刻の調整をおこなう時計屋のごり押しだった。
約320年が過ぎた今、職業の権力的バランスをとる必要性も出てきた瞬間だった。