【大宰府】〔西暦902年冬〕
私は九州の大宰府に来ていた。
「長老・・・こちらです。」
「うむ。お疲れ様なのじゃ。」
私は大宰府の警備員になって情報を集めていた者達の協力を得て、夜に大宰府の南館に侵入した。
「・・・ここか。」
私はとある部屋の前で立ち止まった。
「長老・・・今日の警備の者は全て買収しています。」
「または協力者なのでここの近くを通ることはありません。」
「助かったのじゃ。・・・では行くのじゃ。」
私は襖を開けた。
中には顔色がすぐれていない男性が座っていた。
「何者か。」
「何者でもない。」
「藤原か?」
「断じて違う。」
「迎えか?」
「そなたが思うことならそうであろう。」
「なにようか?」
「そなたが藤原の凋落を見たいのなら私に力を貸せ。」
「汝何を求める?」
「求めるものは貴殿の学である。」
「学とはなにぞ?」
「口で言えるほど容易いものではない。」
「我は大宰員外帥であるぞ。」
「藤原に負けて左遷されて何を言う。」
「負けてなどおらぬ。」
「最初から勝負になってないからのー。」
「・・・。」
「人工的に権力闘争に巻き込まれた気分はどうじゃ?」
「最悪だ。私の元には田口春音しかおらぬ。」
「私と行けば田口春音と別れるか同化することとなる。」
「答える方法を述べよ。」
「自決か田口春音と心中せよ。しなければ否と思う。」
バシュ
それは即決だった。
男性は近くに置いてあった太刀で自分の首を刺した。
「藤原がそれほど憎いのか?・・・いや、貴族社会に愛想を尽かしたのが正確じゃな。・・・昔に邪仙と一緒に会ったときは悪霊じゃったしな。最終的に自分の魂を振り絞って自分と息子達を京から追放した関係者を呪いで殺したからのー。・・・かわいそうに。」
私は菅原道真の死体を持ってきた袋の中に入れるとすぐにその場を去った。
〔1か月後〕
本州から一番近い都市の渡島で菅原道真のキョンシー化をおこなった。
材料は本州で見つけた餓死した農民2人程だった。
「・・・さて、起きた気分はどうじゃ?」
「良くもあり・・・悪くもある。なぜ女の体なのだ?」
「解明されてないのじゃ。」
「・・・ワハハ、なるほど。見た感じ都より色々と進んでいる感じがあるけど・・・まだ謎があるのだな。」
「で・・・菅原道真とこれからも名乗るか?」
「ワハハ・・・冗談はよしてくれ。死んで生まれ変わったのだ同じ名前はさすがに・・・ねぇ。」
「蒲原智美と名乗ればどうじゃ?蒲と美は語呂合わせじゃが、原は菅原の字を残した方が良いじゃろう。智は上の知の部分を学問の神様として当てたのじゃ。」
「蒲原智美か・・・ワハハその名に恥じぬ活躍をしてみようか。」