《親父》
皆さんにとっては父親とはどのような存在であろう?
一般的に職業は多々あれどほとんどの父親に共通するものは収入を得て、一家の暮らしを守る、なーんて事をイメージとして持っているだろう。
しかし、それは決めつけではなかろうか?今時は女性の社会進出も進み外に出てはたらくのは妻、家を守るのは夫、なんて事も数は少ないものの珍しいことではない世の中に変わっている。
“主夫”なんて言葉があるくらいだから男が働く!というのはただの思い込みであり、固定概念である。そんなものはなんの利にもならない捨ててしまいなさい。
仕事中のバリバリのOLに休憩時間があるように、家事に日々勤しむ主夫にだって当然休憩時間はある。毎日毎日埃1つ残さずに掃除する主夫もいるだろう、毎日の夜の献立に悩み時間をかける主夫も当然いるだろう、子供がいればその世話も主夫の仕事だ、赤ん坊の期間ならば妻も休みを取り世話をするかもしれないが、幼稚園の歳になるとそれ以降は主夫の仕事になる。
反対に家事を簡単にしかこなさない主夫もいるだろう。昼間から散歩に勤しむ主夫がいてもおかしくないだろう?
………つまり何が言いたいのかと言うと休日なんだから公園を散歩する『親父』がいてもおかしくはない、と言うことだ………何が言いたいのかわからない?
決して混乱しているのはきみだけじゃない……俺もです。
◇
「あー、いい陽気だねぇっと」
皆さんこんにちわ!四野災害です。休日です。『親父』です。公園です。『親父』です。散歩です。『親父』です。元気です。『親父』です。
です。……………『親父』です。
状況説明終わり!!
始まりは10分前くらい、家でゴロゴロしてたら体の内側から声が聞こえてきました。なんの声かって?『親父』です。
「こんな晴れた日にゴロゴロしてたらもったいねぇぞ!外出て……そうだ!公園でキャッチボールでもするか?」……整理する。まず1つキャッチボールとは最低2人の人数がいる。片方がもう片方の相手にボール、これはなんでもいいだろう、昔ながらにグローブ片手に野球ボールでもいい、昔のドラマではよく見る光景だ。
……想像してみよう、俺と『親父』がキャッチボールする姿を……無理である!!物理的にな!!!
あくまで『親父』は個性である!!これはすごく大事!正直個性なのかもどうか怪しいが、まぁ個性である、確かに『親父』は人格もなぜかあるし、会話もできる。だがしかし!体がない!俺の体を乗っ取ればあるとも言えるがそうすれば俺の体がなくなる、俺が出てれば俺は体があるが『親父』はない、逆に『親父』が出てれば俺の体はない。これは変更できない事である。
つまり!!この時点でキャッチボールの最低条件である2人以上という条件をクリアできない。
はい論破!的な事を思っていると『親父』が「ごちゃごちゃうるせー!!」と言いながら俺の体を乗っ取りました。そしてその足で着替え公園に向かったというわけです。
状況説明終わり!!その2!!
るんるんで歩く『親父』、なかなか俺はグッタリゴロゴロモード。正反対である。
◇◇
何が楽しいのかわからないが見た目おっさんの『親父』が軽くスキップしながら歩く、中に引っ込んだ……訂正、引っ込まされた俺はふと考えてみた。何をか?『親父』とキャッチボールする方法を。
まずさっきも言ったように人格は2つあれど体は1つしかない。どーすればいいか…………まぁ言葉のキャッチボールはいつもできてるし、
誰が上手い事言えと言った!、すまぬ『親父』
こーんな感じで言葉のキャッチボールは可能だ。
…………閃いた!、方法が1つだけある。
まずは『親父』がボールを投げる、どこに?上に決まってるだろう前に投げちゃキャッチできないじゃないか。話を戻す、上にボールを投げて直ぐに変身を解除。元に戻った俺は落ちてくるボールを更に上へと投げる。そして『親父』に変身。ボールを上へ投げる。そして元に戻る。
これの繰り返しだ。…………無理である。
そう、無理である。どんな羞恥プレイだよ!!ふざけんな!!一応?2人?だがそんな奴を見たら君はどうするだろうか?目をそらすか?爆笑するか?俺なら後者だ!!
二度見アーンド爆笑でござる。そう!大爆笑でござる!!
そ・し・て!!ボールもないぜ!『親父』着の身着のまま家を出たおかげでな!
ふはははっ!……っ!ちょっと待て『親父』!何をしようとしてる!?何を見てる!?『親父』と俺は視線を共有してるんだぞ!
『親父』が見ているものは花壇の周りを囲むように置いてある30センチ程度の石、いやこのサイズは岩といってもいいんじゃないか?っっとにかく!!それをボールにするかじゃないよね!?
『親父』はその岩を1つ手に取り
「ふむ、思ったより軽いな」と呟く。
いや無理だから!それでキャッチボールとか無理だからね!俺、キャッチできないよ!絶対に!!ちょっと待て上に投げようとするなー!!
俺の必死の懇願も虚しく『親父』は岩を上に放り投げる、そして元に戻るのを覚悟した俺は視界、そして下半身に意識を集中させる。体が戻るのを確認してからでは間に合わない、視界を上に向け方向を確認、体が元に戻るのタイミングは体がうずく感じを待つしかない。その瞬間地面を岩の降る方向から離れるように、全力で蹴る。
よし思考終了!!いつでも来い!!
…………戻らない?恐る恐る目を開けると岩を次々と上に放り投げ、それが10個を過ぎた頃に1番最初に投げた岩が落ちてきた『親父』は手のひらで受け止めまた上に投げる、次に落ちてきた岩を同じように上に放り投げる、それを繰り返す。
「1人でもキャッチボールはできるだろ」
それキャッボールじゃねぇよ『親父』、岩を使ったただのジャグリングだよ。
昼間の公園でこんな事したら注目が集まるだろうが。ほら周り見てみろ、人が集まってきてそれなりの規模になっただろうが、
「すげーぞ!あのオヤジ!!」
「動画撮ってSNSに上げよーっと!」
「もっと凄いのやってくれー!!」
大道芸じゃないんだから、ほらその岩元の場所に戻して帰るぞ。こら一回転するんじゃない!完成に答えてバク宙しながら岩ジャグリングするんじゃない!!
気づけば『親父』の周りにはいつも人が集まる。本当になんなんだろうか?『親父』って不思議だ
あ、そこ危ないんで離れてください。
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