今回はかなりの長文になってしまいました。
茅場によるデスゲーム開始宣告から、もうすぐ一ヶ月が経とうとしている。
私はアスナとコンビを組んで、第一層のボスの住む迷宮区近くの町を拠点にしていた。
レベリングを頑張ったおかげで、私のレベルは13、アスナは12まで、あげる事に成功した。
後、アルゴからクエストの情報を買って、そのクエストのクリア報酬のレイピアをアスナに
持たせている。
そして、今日は私達が拠点にしている町で、ボス攻略会議が行われるという情報をアルゴから
聞いた。
会議は昼過ぎからなので、私達は近くの洞窟でコル稼ぎをしている。
「ユカ、そろそろ町に戻りましょ」
「そうね」
私達は洞窟の入り口に向かった。
しかし、途中で大量のモンスターがポップして苦戦を強いられてしまった。
「数が多いわね・・・」
「・・・どうする?ユカ」
私達のレベルなら、倒すのにはそれほど苦労しないが、数が多い下手をすると背後から
攻撃される恐れがある、さて、どうしたものかしら・・・
「・・・、・・、行くぞ!」
私達と対峙しているモンスターの背後から三人の人影が武器を手に駆けて来た。
「ハッ!」
「やあッ!」
「せいっ!」
その三人の攻撃で、モンスター達の注意が私達から逸れたので、私達もモンスターに攻撃を
開始した。
三人の加勢のおかげで、どうにか窮地は脱した。
その三人組の一人が話かけて来た。
「君達、大丈夫?」
黒に紫が入った長い髪の少女が聞いてきた。
私が答えようとしたが、
「あ、藍子!」
「えっ?・・・明日菜!」
「何、アスナ。知り合い?」
「ねぇちゃん、知り合い?」
流石にこれには私も驚いた。
敢えず、私達は洞窟の外に向かった。
「えーと、二人は知り合いなのか?」
アスナとランは、外に出るまで楽しそうに話していた。
外に出て来て、開口一番にキリトが聞いた。
「リアルの学校で同じクラスです。」
「そうなのアスナ?」
私が聞くとアスナは頷いた。
その流れで、私達も自己紹介をした。
「それにしても、二人とも強いね。今レベルいくつ?」
「私が13で、アスナが12よ」
私達のレベルを聞いて、ユウキとランは驚いていた。
ただ一人、キリトを除いて。
「それじゃ、あんた達も攻略会議に参加するのか?」
「ええ、そのつもりよ」
「なら一緒に町まで行こうよ」
ユウキが提案してきた。
別に反対する理由が無いので、一緒に町に戻った。
町に戻って、ポーション系のアイテムを補給してから会議場の噴水広場に移動した。
広場には、私達(アスナ、キリト、ユウキ、ラン、私)を入れて“48人”ものプレイヤー達が
思い思いの場所に座って会議の開始を待っている。
正直言って少し以外だった。祖父母の話だと、二人を入れて“44人”だった
「凄いわね。こんなにいるなんて」
アスナがこの人数に驚いていた。
しかし、キリトの顔は優れなかった。
私とアスナは、フードを被って最上段の端に座った。
キリト達は、私達から少し離れた所に座った。
ちなみにキリトは周りのプレイヤー達から睨まれていた。
まぁ、両サイドに美少女が座ってるからなぁ・・・両手に花よね。
しばらくして、青い髪の男性が広場の中央に立って周りに呼びかけた。
「時間になったから会議を始める。俺の名は“ディアベル”職業は気持ち的にナイトやってます」
その発言で、周りが笑ったり指笛を吹いたり、彼の仲間が茶化したりした。
「・・・今日、俺達のパーティーが迷宮区でボス部屋を見つけた!ここまでおよそ一ヶ月
かかったが、俺達はようやくここまで来た。今も始まりの街で怯えているプレイヤー達に、
このゲームはクリア出来ると言う希望を与えよう!」
その言葉に広場に集まったプレイヤー達は皆頷いた。
「それでは、ボス攻略の為に六人のパーティーを組んでくれ」
さて、どうしたものかしら・・・ここまで、私とアスナはあくまでもコンビであって、
パーティーは組んでいないのである。まぁ、この際だから組むのも手よね。
「アスナ、パーティーを組みましょ」
「ええ、わかったわ」
私がパーティー申請を送ると、アスナがOKのボタンに触れた。
「なぁ、あんた達もあぶれたのか?」
キリトが話しかけてきた。
ユウキ、ランとはパーティー状態のようだ。
「別にあぶれてない。周りが知り合い同士だったみたいだから遠慮しただけ」
「アスナ。それを、あぶれたって言うのよ」
私はアスナに突っ込みを入れた。
キリトからパーティー申請がきたので、OKに触れた。
これで、5人パーティーになった
「すまないが、ボクもパーティーに入れてはくれないかな?」
とキリトと同じくらいの歳の男性プレイヤーが話しかけて来た。
「どうする?キリト」
「別にいいぜ」
「ありがとう。僕はアオ、よろしく」
これで、丁度六人パーティーになった。
大体パーティーが組み終わったのを見て、ディアベルが会議の続きを始めようとした矢先に
待ったの声が出た。
「ちょっと待ってんか、ナイトはん」
いきなりサボテン頭で大阪弁の男が乱入してきた。
「わいは”キバオウ”っちゅうもんや。会議の前に一言言わせてもらうで、こん中にここまでに
死んでいった2000人に、詫びいれなあかん奴がおるはずや!」
「キバオウさん、あなたが言っているのはβテスターの事かな?」
キバオウの発言にディアベルが質問した。
「きまっとるやろ!β上がりどもがニュービーを見棄てよったから、2000人も死んだんや!
奴らがちゃんと情報を提供していれば、ここにはもっと沢山のプレイヤーがおったはずや、
他のゲームでトップを走っとった上位プレイヤーがな!」
その発言で、場はお互いを疑いだした。
「せやから、この場におるベータは出てきて持っとる金、アイテム、情報を全部出して謝らな、
ボス戦で命を預けれんし預かれん!」
私は横目でキリトを見た。
彼はキバオウの言葉でかなり精神にダメージを受けていた。
私は手を上げて言葉を発した。
「発言いいかしら?」
広場のプレイヤー達が一斉に私を見てきた。
「私はユカ、ニュービーよ。キバオウさん、あなたの言い分は概ね正しいわ。でも一つ賛同
できない事があるわ」
「なんや?」
「アイテムを全部って、装備品も含まれるわよね?」
「当たり前や!」
「はっきり言って、装備品まで出す必要はないわ。もしも独占した情報で手に入れたアイテム
なら、私も提出を進言するわ、でも、ここに居ると言う事はそれなりに強化されているはずよ、
それはその人が努力した証拠よ、それを取り上げるのは、謝罪ではなく、アナタの妬みよ!」
「な・・・」
私の発言に、キバオウは怒りで言葉が出て来ないようだ。
ならアルゴから買ったあの情報をここで言おう。
「それに、アナタが詫びをいれろと言った2000人の中にβテスターもいるのよ?」
私のこの言葉に周りのプレイヤー達が激しく動揺した。
当然である。ここに居る人達のほとんどは死んだ2000人はニュービーだけだと思って
いるのだから。
「何人いると思う?」
「分かるわけないやろ!」
「500人よ」
「な!?」
周りのプレイヤー達は皆、今私の言った事に固まった。
「それに、ゲーム開始日にログインしてない人も居る。この世界に居るテスターは800人」
「わかった?今この世界にいるテスターはせいぜい300人程度なのよ」
私とは違う所で手が上がった。
「発言いいか?俺の名は”エギル”。キバオウさん、あんたはテスターがニュービーの面倒を
見なかったから1500人が死んだ、とそう言いたいんだよな」
スキンヘッドで筋肉もりもりで身長二メートルのエギルに若干怯えながらだが、キバオウが
返事をした。
「そ、そや!」
すると、エギルは懐から一冊の本を取り出した。
「あんたもこの攻略本、貰っただろう?各町の道具屋で無料配布されていた」
「も、貰ったで。けど、それがどうしたんや」
「これを作ったのは、βテスターだ」
エギルの発言でまた、広場に居る人達が動揺した。
「いいか、情報はあったんだ。なのに沢山の人が死んだ。それはなぜか?このゲームを従来の
ゲームと同じ物差しで測って、引くべき所で引かなかったからだ。俺はそれを踏まえた上での
話し合いだと思っていたんだがな」
「ちっ、分かった・・・でも、ボス戦の後で白黒つけさせてもらうで!」
キバオウが渋々引っ込んだ。
「さて。話が脱線してしまったが、会議の続きをさせてもらう」
そう言うとディアベルが懐から先ほどエギルが見せた攻略本を出してきた。
「先ほど、この攻略本の最新版が配布された。これには、ボスの名前や取り巻きの数などが
書かれている。そして、ボスは体力がレッドゾーンになると、武器を刀カテゴリーに持ち
変えて強力な範囲攻撃をしてくるとの事だ」
「この情報のおかげで、危険な偵察隊を派遣しないで済む。明日の10時にこの広場に集合
それでは、解散!」
ディアベルの解散の声でプレイヤー達はそれぞれ、広場を出て行った。
しかし、キバオウがわざわざこっちまで来た。
「何か用?白黒はボス戦の後、と言ったのはあなたでしょ?」
「その事やない。自分、なんでテスターを庇う様な真似したんや?下手したら、自分が不利
になるだけやんか」
「このゲーム始めるきっかけだった友達が、βテスターだったからよ」
「・・・てことは、後ろ五人の中におるんやな?」
「いいえ、その子は死んだわ。初日の茅場の各メディアが報道って時に写っていた映像に、
その子の家が写っていたもの」
「・・・すまんな、辛いこと思い出させてもうて」
そう言うとキバオウは広場から出て行った。
次はオリジナル回の予定です。