問題児と精霊使いが異世界から来るそうですよ? 作:白ウサギ@FGO
森の中、袴を着た髪の長い綺麗な人が歩いていた。
その人物の外見は十人中十人が振り返るほどの美少女だった。
その人物は袴を着ており、森を歩くのには適していない。
その周りには、たくさんの屍が転がっている。
そのどれもが、人の形をしていなかった。
「レスティア、エスト。ここらへんのやつらはあらかた片付いたし、ご飯にしない?」
そう呟く。周りに答えるものは誰もいない。
少しすると、その呟きに答える声があった。
『さすがにここでの食事は、衛生上よくないんじゃない?』
『私もそう思います』
そんな返事が帰ってくる。
「それなら、もう少し離れるかな」
そう言い、屍が見えない辺りまで移動する。
「フェンリル」
そう言うと目の前に、白銀の毛並みの狼が現れた。その人物にフェンリルと呼ばれた狼が口を開けると、中からさまざまな道具や食べ物が出てくる。
「ありがとね。フェンリル」
そう言うと、フェンリルは光の粒子となり消える。
「さて、さっそく作りますか」
そう言って料理を作り出す。
しばらくたち、料理が出来上がったようだ。
もう一度フェンリルを呼び、道具やあまりの食材をしまう。
「レスティア、エスト」
そう言うと、さっき狼が現れた時と同じように二人の少女が現れる。
「ご飯出来たから、一緒に食べよう」
そう言うと、二人の少女はうなずく。
そしていざ食べようとした時、空からなにかが落ちてきた。
「ん?なんだろうこれ」
そう言って、その落ちてきたものを拾う。
「これは………封書?」
封書には、達筆な字で『神代朔夜殿へ』と書かれていた。
「まあ、ひとまずご飯を食べてからにしよう」
そう言って、その人物………神代朔夜は食事を再開した。
*
「ふー、お腹一杯。すー、すー」
そう言った朔夜は手紙のことを忘れたように眠り始めてしまう。
「朔夜、さっきの手紙はいいの?」
そう聞くレスティア。それでも動こうとしない。
「朔夜、私もあの手紙が気になります」
そう言うエスト。
二人にそう言われ、しぶしぶ起き上がり手紙を読み始める。
その近くに行き、二人も一緒に読み始める。その封書にはこう書かれていた。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
「!?」
手紙を読んだ瞬間、周りの景色ががらりと変わる。
世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。
縮尺を見間違うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。
目の前に広がる世界は───完全無欠に異世界だった。