問題児と精霊使いが異世界から来るそうですよ?   作:白ウサギ@FGO

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 ついに書き溜めがなくなりました。
 できるだけ、早めに投稿できるよう頑張ります。


第九話

 

「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん」」」

 

「え?」

「え?」

「………え?」

「え?じゃないわよ。だって今回のゲームで活躍したのって私達だけじゃない?貴方達はホントにくっ付いてきただけだったもの」

「うん。私なんて力いっぱい殴られたし。石になったし」

「つーか挑戦権を持ってきたの俺と朔夜だろ。所有権は俺達で等分、2:2:3:3でもう話は付いた!」

「僕は初耳なんけど」

「何を言っちゃってんでございますかこの人達!?」

 そう言った黒ウサギは完全に混乱しているようだ。

 ついでに言えばジンも混乱している。

 唯一、当事者であるレティシアだけが冷静だった。

「んっ………ふ、む。そうだな。今回の件で、私は皆に恩義を感じている。コミュニティに帰れた事に、この上なく感動している。だが親しき仲にも礼儀あり、コミュニティの同士にもそれを忘れてはならない。君達が家政婦をしろというのなら、喜んでやろうじゃないか」

「レ、レティシア様!?」

 そう言った黒ウサギの声は焦っていた。すると、飛鳥が嬉々として服を用意する。

「私、ずっと金髪の使用人に憧れていたのよ。私の家の使用人ったらみんな華も無い可愛げも無い人達ばかりだったんだもの。これからよろしく、レティシア」

「よろしく………いや、主従なのだから『よろしくお願いします』のほうがいいかな?」

「使い勝手がいいのを使えばいいよ」

「そ、そうか。………いや、そうですか?んん、そうでございますか?」

「黒ウサギの真似はやめとけ」

 ヤハハと笑う十六夜。

 意外と和やかな雰囲気を見て肩を落としていた黒ウサギは、こちらを見てくる。 

「諦めなよ、黒ウサギ。あの三人には何を言っても無駄だろうし」

 僕がそう言うと、黒ウサギのウサ耳は力無く垂たれるのであった。

 

          *

 

 ―――“ペルセウス”との決闘から三日後の夜。

 子供達を含めた“ノーネーム”一同は水樹の貯水池付近に集まっていた。

「えーそれでは!新たな同士を迎えた“ノーネーム”の歓迎会を始めます!」

 ワッと子供達の歓声が上がる。周囲には運んできた長机の上にささやかながら料理が並んでいた。

「だけどどうして屋外の歓迎会なのかしら?」

「うん。私も思った」

「黒ウサギなりに精一杯のサプライズってところじゃねえか?」

「そうだね、僕もそう思う」

 飛鳥は、苦笑しながらため息を吐いた。

「無理しなくていいって言ったのに……馬鹿な子ね」

「そうだね」

 耀も苦笑で返す。二人がそんな風に話していると、黒ウサギが大きな声を上げて注目を促す。

「それでは本日の大イベントが始まります!みなさん、箱庭の天幕に注目してください!」

 僕達を含めたコミュニティの全員が、箱庭の天幕に注目する。

 異変が起きたのは、注目を促してから数秒後の事だった。

「………あっ」 

 星を見上げているコミュニティの誰かが、声を上げた。

 それから連続して星々が流れた。すぐに全員が流星群だと気が付き、口々に歓声を上げる。

 黒ウサギは僕達や子供達に聞かせるような口調で語った。

「この流星群を起こしたのは他でもありません。我々の新たな同士、異世界からの四人がこの流星群のきっかけを作ったのです」

「え?」

 子供達の歓声の裏で、僕達が驚きの声を上げる。黒ウサギは構わず話を続けた。

「箱庭の世界は天動説のように、全てのルールが此処、箱庭の都市を中心に回っております。先日、同士が倒した“ペルセウス”のコミュニティは、敗北の為に“サウザンドアイズ”を追放されたのです。そして彼らは、あの星々からも旗を降ろすことになりました」

 僕達は驚愕し、完全に絶句した。

「―――……なっ……まさか、あの星空から星座を無くすというの………!?」

 刹那、一際大きな光が星空を満たした。

 そこにあったはずのペルセウス座は、流星群と共に跡形もなく消滅していたのだ。

 言葉を失った僕達とは裏腹に、黒ウサギは進行を続ける。

「今夜の流星群は“サウザンドアイズ”から“ノーネーム”への、コミュニティ再出発に対する祝福も兼ております。星に願いをかけるもよし、皆で観賞するもよし、今日はいっぱい騒ぎましょう♪」

 嬉々として杯を掲げる黒ウサギと子供達。

 けど僕達はそれどころではない。

「星座の存在さえ思うがままにするなんて………ではあの星々の彼方まで、その全てが、箱庭を盛り上げる為の舞台装置という事なの?」

「そういうこと………かな?」

 その絶大ともいえる力を見上げ、二人は茫然としている。

(すごい………な)

 レスティア達も驚きの声をあげている。

(僕達のコミュニティも、あんなふうに星に旗を飾ってみたいな………)

『朔夜達なら、きっと出来るわ』

 レスティアにそう言われ、少し微笑んだのだった。

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