問題児と精霊使いが異世界から来るそうですよ? 作:白ウサギ@FGO
突如として白夜叉の全身が黒い風に包まれ、彼女の周囲を球体に包み込む。
「な、何ッ!?」
「白夜叉様!?」
サンドラが白夜叉に手を伸ばしたが、バルコニーに吹き荒れる黒い風に阻まれた。
「きゃ………!」
「お嬢様、掴まれ!」
空中に投げ出された十六夜が飛鳥を抱きかかえて着地する。
僕も風の精霊魔術を使って、十六夜の方に降りる。
「ちっ。“サラマンドラ”の連中は観客席に飛ばされたか」
ジン達が舞台袖から出てきたので、黒ウサギに質問する。
「魔王が現れたってことでいい?」
「はい」
黒ウサギが真剣な表情で頷く。
十六夜が真剣な表情で、黒ウサギに聞く。
「白夜叉の“
「はい。黒ウサギがジャッジマスターを務めている以上、誤魔化しは利きません」
「なら連中は、ルールに則った上でゲーム盤に現れているわけだ。………ハハ、流石は本物の魔王様。期待を裏切らねえぜ」
「どうするの?ここで迎え撃つ?」
「ああ。けど全員で迎え撃つのは具合が悪い。それに“サラマンドラ”の連中も気になるからな」
「では黒ウサギがサンドラ様を捜しに行きます。その間は十六夜さんとレティシア様と朔夜さんの三人で魔王に備えてください。ジン坊ちゃん達は白夜叉様をお願いします」
「分かったよ」
レティシアとジンが頷く。今回は自由に動くわけではないみたいだ。
「ふん………また面白い場面を外されたわ」
「そう言うなお嬢様。“
「お待ちください」
声がした方向に振り向くと、“ウィル・オ・ウィスプ”の二人がいた。
「おおよその話は分かりました。魔王を迎え撃つというなら我々“ウィル・オ・ウィスプ”も協力しましょう。いいですね、アーシャ」
「う、うん。頑張る」
「では御二人は黒ウサギと一緒にサンドラ様を捜し、指示を仰ぎましょう」
僕達は視線を交わして頷き合い、各々の役目に向かって走り出す。
「見ろ!魔王が降りてくるぞ!」
上空に見える人影が落下してくる。
十六夜はそれを見るや否や両拳を強く叩き、僕達に向かって叫ぶ。
「んじゃいくか!黒い奴と白い奴は俺が、デカイのと小さいのは任せた!」
「分かった」
「了解した主殿」
僕にレティシアの返事を聞くと、十六夜は嬉々として身体を伏せ、舞台会場を砕く勢いで境界壁に向かって跳躍した。
*
白い人物は、飛鳥達の方に向かったのでオルトリンデに行ってもらう。
レティシアに陶器の巨兵を任せ、僕は斑模様のワンピースを着た少女の方に行く。
「ふっ」
両手に剣を出して少女に切りつける。すると、少女の手から黒い風が出てきて防ごうとする。だが、黒い風は
「へぇ………貴女、面白いわね。いい手駒になりそう」
「それはどうも」
少女は剣を避けると、黒い風を出してこちらを捕まえようとしてきた。
「っ」
嫌な予感がしたので、少女から離れる。
そして、また攻撃しようとした瞬間、紅い閃光が巨兵を撃ち抜いた。
「BRUUUUUUUUUUM!!」
撃ち抜いた中心から溶解する巨兵。
「………そう。ようやく現れたのね。待っていたわ。逃げられたのではと心配していたところよ」
「………目的はなんですか、ハーメルンの魔王」
「あ、ソレ間違い。私のギフトネームの正式名称は“
「………。二十四代目“火龍”、サンドラ」
「自己紹介ありが
「はっ」
少女が言い切る前に
「話の邪魔をするとは酷いじゃない」
「油断はしない主義なんで」
その攻撃は、黒い風で受け止められる。
轟々と荒ぶる火龍の炎を、黒々とした不気味な暴風で受け止める。
二つの衝撃波は空間を歪め、強大な力の波となって周囲を満たし、境界壁を照らすペンダントランプを余波のみで砕く。
砕けたペンダントランプの残骸は、僕達の戦いを彩るかの如く煌めきを放って霧散した。
しばらく戦っていると、激しい雷鳴が鳴り響いた。
そちらを見ると黒ウサギが金剛杯を掲げ、高らかに宣言した。
「“