前回までのあらすじ
魔王・カーンデジファーとの戦いを終え、直人たちと別れハイパーワールドに帰ってきたグリッドマン。しかし、故郷は奇怪な怪物によって壊滅しており、その怪物の正体は死んだはずのカーンデジファーだった!なんとか撃退に成功したグリッドマンだったが彼は力尽き、気がついたときは相羽タクミと言う少年に転生していた。慣れない人間の生活を過ごす中、グリッドマンの新たな戦いが始まろうとしている!
タクヤ自室
「さて、これからEDENにログインと・・・」
グリッドマンがタクミとして生活してから二年が過ぎた。慣れない人間の生活にもだいぶ慣れ、ジャーナリストでジャーナリストとして世界を飛び回っている母親や学校の友達とも仲良くできるようになってきていた(最もグリッドマンとしての口調は直らなかったが)。そんな生活の中で彼はパソコンで共通の話題で知り合った仲間たちと集うチャットルーム『BB』で突然意外な来訪者が現れた。それはEDENの公式マスコットキャラクターでありEDENネットワークでユーザーをサポートする運営アバター、『ナビットくん』だった。彼は自らをハッカーと名乗り、素敵なプレゼントを渡すと言って今日EDENにログインしろということだった。彼はこの話が怪しいと思い同じようにログインすると決めた『ブルーボックス』、『アッキーノ』と共にEDENで待ち合わせをすることにしたのだ。
「万が一の時にはこれがある・・・・。」
タクミは左腕のアクセプターを見つめる。転生してしばらく経ってから自分の意思で出現させることができると分かり、現実世界においてもグリッドマンとして活動できることができた。故に彼は密かに困っている人たちを助けるのが日常になっている。今のところはわかってはいないが人間サイズならエネルギー消耗はひどくないのでグリッドマンとして普通に活動できる。
「では行くか・・・・・EDENネットワークへアクセス!」
タクミの体はパソコンに吸い込まれていくように感じた。
電脳空間EDEN
それは大企業カミシロ・エンタープライズが運営する世界最大のネットスペースであり、EDENネットワークとも呼ばれている、次世代のWebサービスである。従来の自身で作ったアカウントを使い、顔も知らない人達と交流できる画面上のやり取りだけではなく、バーチャルリアリティーとしてWeb上の情報のやり取りなどを感覚的に体感することができるのが"EDEN"である。一言で言えばグリッドマンが戦っていたコンピューターワールドに近い。
EDENエントランスエリア
「ここが待ち合わせの場所だがブルーボックスとアッキーノの姿はまだないな・・・・早くきすぎたか。」
タクミはエントランスエリアを見渡しながら言う。
「考えて見たがリアルで顔を見せるのは今回が初めてだな。会えればいいが・・・・・」
タクミはしばらく待ってみたが来る様子はなく集合十分前になっても誰も来ないため仕方なく他のエリアに行って見ることにした。
コミュニティエリア
「どこにもいなかったな・・・・もしかしたら考え直していくのをやめたというのも・・・・ん?」
デジヴァイスが反応する。
「不在着信・・・・もしかして謝罪の連絡か?」
タクミは連絡に出て見る。
『やぁ! 僕だよ、ナビットくんだよ!ちょっとちょっと〜!遅いよキミ〜チコクだよ〜!はやく"クーロンLv1"の"ガラクタ公園"にきてね〜!』
「クーロン!?あそこは確かあのエリアはハッカーたちがうろついているいう下層エリアで普通は誰も近づかないはずだが・・・・しかし、問題はアドレスか。私はアドレスを持っていないからな。そういえばエントランスエリアでハッカーみたいな少年がいたが彼なら持っているかもしれないな・・・」
電脳空間EDENには、開放しているエントランスエリアやコミュニティエリアの他にハッカーチームが作ってあるエリアや"クーロン"のような危険エリアが存在している。そのためそれらのエリアに行くにはエリアへの"アドレス"が必要になる。かつてコンピューターワールドを戦ってきたグリッドマンにとってはアドレスというものは必要なかったが人間として生活していくためには大事なことである。タクミはエントランスエリアでハッカーらしき人物に話しかけてアドレスを受け取ると急いでクーロンへと向かった。
クーロンレベル1
クーロンとは、カミシロの運営側が放棄したエリアでハッカーたちが活動する無法地帯でもある。整備されていないため青いデータの塊が形をとってエリアとなっている。こっちの方がある意味コンピューターワールドに近い。ナビットくんが指定した"ガラクタ公園はゲームなどで捨てられたデータが集まりガラクタだらけの公園の形をしている場所である。
「確かクーロンのガラクタ公園か。二人とも無事であればいいのだが・・・・」
タクミは探しながら歩いていくと意外にあっさりとそれらしき場所へとたどり着いた。公園の中心にある電灯の下には、ピンク髪をしたキャバ嬢のような格好をしている少女が誰かを待っているようだった。おそらく彼女が『アッキーノ』だろう。タクミは少女に話しかける。
「君が『アッキーノ』かい?」
「あっ!お〜そ〜い〜よ〜! あなたが『AI◎BA』さんでしょ!? 遅いよ! 大遅刻だよ! か弱い女の子をこんなところに一人で待たせるとかも~~~!ちょ~~~怖かったんだからね!!」
「そのことについては謝罪しよう。まさかこんなエリアに呼ばれるとは思わなかったからね。ところで『ブルーボックス』は?彼も来ていると思っていたが?」
「ああ、アイツ? アイツなら此処に来るなり噂の"白い少年のユーレイ"が本当にいるかそこらへん歩きに行ったわ!信じらんないよね!こんなところに私をひとりで置いてくとか!ちょ〜イミフなんだけど!!」
「ユーレイか・・・・」
タクミは腕を組みながら考える。
白いユーレイ
それはEDENで出没すると噂されている者のことである。電脳空間内にユーレイとかなにわけわかんないこと言っていると思うが実際にそのユーレイに遭遇するとユーザーはアカウントデータを消去されてしまい二度とEDENへアクセスできないと言われている。タクミはそれをカーンデジファーが生み出した怪獣ではないかと考えていた。過去カーンデジファーは藤堂武史が作った怪獣を次々と生命を与え、コンピューターワールドで暴れさせた。それ故にこの噂も嘘だとは考えにくい。
「・・・・・(もしや、カーンデジファーは既にこの世界に来ているのではないか?もしそうだとしたらデジモンプログラムの噂も・・・・)」
「あの~ちょっと?大丈b・・・」
「わっ!!!」
「ぎゃああドゥワひょんぎゅわぁ!!?」
急に背後から声でアッキーノは驚いてしまいなにを言ってるすらわからない言葉を発した。
「はははっ!ビビり過ぎっだってんの。」
「な、なんだ~『アラタ』じゃん。普通のアラタじゃん・・・・・ゆ、ユーレイかと思った・・・・。」
「ったく、チキンのくせにイキがってこんなトコまでノコノコ来るんじゃねえーよ。」
アッキーノが言う『アラタ』と呼ばれる青年は青いツナギのような服の上に白いフードを着ている目つきの悪い青年でタクミはおそらく彼が『ブルーボックス』だと判断した。
「はぅあ!?そ、そのこんなトコに置き去りにして行ったのはどこのアラタよ!あんたの血は何色だぁーーっ!?」
「はあ、うっせうっせー。」
「君が『ブルーボックス』か。」
「ああ、こっちで会うのは初めてだな。俺が『ブルーボックス』こと真田アラタだ。テキトーによろしく。」
「私は『AI◎BA』でチャットやってた相羽タクミだ。よろしく真田君。」
「アラタでいいぜ。・・・・・なんて言うかそう言う呼ばれ方苦手なんだ。」
「そうか、では改めてよろしくアラタ。」
「ちょっと~!あたしのことを無視しないでくんない!」
「ああ、では君の名前は?」
「あたしの名前は白峰ノキア!ノキアっちでもアッキーノでも呼び方はなんでもいいよ〜!」
「じゃあ、改めてよろしくノキア。後、私のことはタクミと呼んでくれ。」
三人は自己紹介を終えるとアラタが会話を進める。
「-で、タクミを待っている間にこの辺りを少し探ってみたんだ。俺たちをここに呼びこんだ『ナビットくん』を探しにな。」
「え!?ユーレイ探してたんじゃないの!?」
「まっ、そのついでにな。けど、どっちも見つかんなかったぜ。それどころか人っ子一人もいねえ・・・・・いくらクーロンが危険エリアでも、ハッカーの一人や二人は・・・」
そのとき三人のデジヴァイスに同時に着信が来た。着信主はナビット君だ。
『お待たせ!ナビットくんだよ!集まってきてくれたよい子の君たちにプレゼントを贈るよ!これは「世界を変える奇跡(ちから)」だよ!』
3人のデジヴァイスに一つのプログラムが強制的にインストールされる。
「な、なにこれ!?」
「デジモン・キャプチャー?」
「どうやらナビットくんが我々をハッキングしてインストールしたようだ。」
「でもこれってハッカーが使ってるってやつでしょ!?じゃあ、あたしたちハッカーになっちゃたの!?やばいよやばいよ!すぐにアンインストールしないと!」
ノキアは急いでアンインストールを行おうとしたが『アンインストールができません』と言う表示が出るだけだった。
「ちっ、一体全体どうなっていやがんだ・・・。」
(デジモン・キャプチャー・・・・確かハッカーたちがAIプログラムで動き回るデジモン・プログラムを捕まえるために存在する為に必要なものと言われているが・・・もしかして、カーンデジファー以外の何者かが動かしているのか?)
タクミは状況が危ういと判断した。
「二人とも一旦ログアウトをしよう。このままここにいるのは危険だ。」
「それもそうだな・・・消せねえ以上、ここいるのも不味いしな・・・・ん?お前何やってんだ?」
アラタは隣で騒いでいるノキアに聞く。
「ない、ない、ない!」
「落ち着けよ、何がねえんだよ?」
「ログアウトボタンがなくてログアウトできないの!」
「マジかよ・・・・俺のもだ。タクミは?」
「私のもだ。こうなったら最初に来たアクセスポイントに戻るしかない。」
「そだ!最初からそうすればいいんだよ!・・・・って、えええ!?」
ノキアが元来た場所へ戻ろうとしたがいつの間にかセキュリティの壁が張られていて帰ることができなくなっていた。
「ウソ!あたしたち一生ここにいるの~!」
「アラタ、こうなったら奥にあるアクセスポイントを探して見るしかない。」
「同意見だ。そこをハッキングすればどうにかなるかもしれねぇ、タクミはどうする?」
「ここは二手に別れよう。アクセスポイントを見つけ次第、連絡で合流だ。」
「了解、んでアイツはどうする?」
アラタはノキアに指差ししながら言う。
「私が残って面倒を見ている。その間に・・・」
「わかった、じゃあ後を頼むぜ。」
そう言うとアラタはクーロンの奥へと走っていった。タクミは震えているノキアの近寄り落ち着かせる。
「大丈夫だノキア。すぐにも帰れる方法が見つかる、それまでの辛抱だ。」
「でも・・・でも・・・」
「大丈夫、心配することはない。・・・・ん!」
そのとき、タクミは後ろから人の気配がしたのを感じた。振り向いて見てみるが誰もいない。
(もしかして噂のユーレイか?だとしたら・・・)
「ノキア、私も周りに誰かいないかどうか調べてみる。君はここで待っていてくれ。」
「え~!?あたしだけここに残るの~!?」
「十分して戻ってこなかったらアラタに連絡してくれ。では。」
「ちょっ、ちょっと~!」
ノキアは泣きわめいている中タクミはクーロンの奥へと進む。
「・・・・ここなら誰にも見られる心配はない。」
タクミは周りに誰もいないことを確認すると左腕にアクセプターを出現させる。
「アクセス・フラッシュ!」
タクミの姿はすぐにグリッドマンの姿へと変わる。
「何としてもここから脱出をしなくては・・・・・ん?」
グリッドマンは目の前に何かがいるのに気がつく。それは白い少年だった。グリッドマンは警戒する。
「君は一体何者なんだ!・・・・・・っううう!!」
聞こうとした瞬間強烈な頭痛がグリッドマンを襲い、跪く。
「あ、頭が・・・・・ぐううう!」
グリッドマンは倒れると同時に白い少年は何かを語りかけているようだったがグリッドマンには何も聞こえなかった。
一方のノキアはと言うとどうしても心配だったのかクーロンの奥へと進んでいた。
「もう・・・・どうして二人とも戻ってこないの・・・・っ!」
ノキアは後ろから何かが来るのに気がつき振り向く。
「早く早く!」
「・・・・あっ!ちょっと待って。」
ノキアは角から聞こえる声を震えながら聞く。すると二匹の生き物が顔を出してノキアの事を見た。それはオレンジ色のトカゲのような生き物と毛皮を被った生き物だった。
グリッドマンのステータスは現在の所アシストウェポンがないぐらい。
どの辺で出すか・・・・。