はてさて、シャルのIS兼フリーデンの第三世代試作機の作成プロジェクトが始動してはや数十日、事態はかなり進むことになった。
まず試作機の方だが、ウサギが命名した『ラファール・イノベイク』の名は予想以上に開発陣営からも高評価だった。というのも第二世代『ラファール・リヴァイブ』が『疾風の再来』という意味だった事から、そのシリーズの発展機というのが一目瞭然となるとわかるからだろう。
そして俺があげたパッケージ換装、まぁそこまで新しいのは考え付かないとたかを括ってた俺には、予想の斜め上を行くこととなった。
というのも、それぞれが考えてきたのというのが、背部にミサイルポットとスラスターを組み合わせたパッケージだとか、収束レーザー砲を二門肩に付けたものだとか、はたまた収束ビーム砲と対艦刀をそれぞれ二つ装備した大型のウィングスラスターだとか、個人的にはどこからそんなのを思い付いたというようなものばかりだ。
しかめそれが、どれもこれも『SEED DESTINY』のザフト関連のパッケージだというのだから質が悪い。ていうか、『GX』の戦艦の会社名なのに機体らパッケージが『SEED』関連ってどういうこっちゃ!?それに俺が例に上げたの『ストライク』だぞ、ストライクがザフトのシルエット着けてるってシュールすぎだろ!?
とりあえず最初の二つは量産するに吝かじゃない性能だから何も言わなかったが、最後の『デスティニーシルエットモドキ』だけは先送りになることが決定した。だってあれ燃費悪いし。
また、他にも珍しいのでは『Vガンダム』と『V2』のパッケージを考えてくる奴までいた。ていうかこの世界にガンダムって無いはずだよね?そうだよね?と突っ込みたくなったのは心のうちに秘めておく。
そんなこんなで試作機の開発は開始され、コンペのある四月前には完成する予定だ。多分ウサギの頑張りでもっと早く完成するだろうけど。
そしてシャルの機体だが、これはウサギによる先行試作を独自カスタマイズする形式で了承をとった。ついでに俺の分も。
シャルの機体はコンペでの模擬戦用に造るという事なので、現在ウサギが設計図を見ながらほぼ徹夜で敢行してる。
ちなみになぜ俺の分もかというと、俺の機体『ルナーク』は『二人の騎士事件(原作の白騎士事件が、俺の介入でこう呼ばれるようになったらしい)』映像にはっきりと映り込んでいる。そんな機体を堂々と人前で出すわけにもいかず、かといってシャルを守るため、仕方なくこうするに落ち着いた訳だ。
そもそも今の第二世代も第三世代も装甲は絶対防御に頼りきって薄いからね。俺の機体みたいに全身装甲タイプの(見た目だけだか)第一世代型はお呼びじゃない。かのブリュンヒルデが乗ってくるなら話は別だが。
そんなわけで、あと約一年と数ヵ月で原作が開始されるので、俺は不自然が無いようにということだ。
そして現在、俺とシャルは機体操作の練習を兼ねて、第二世代『ラファール・リヴァイブ』で、互いに模擬戦をしていた。
「ほらほらシャル!!逃げてばかりだと蜂の巣になるぞ!!」
「クロト兄こそ、射ちすぎると後々苦しくなるよ!!」
俺は右手のサブマシンガンを射ちながら、シャルは両手のアサルトライフルを撃ち込みながらそういう。
シャルの原作での戦術、『ラピット・スイッチ』による『砂漠の逃げ水』は、やはりというべきか、まだ実際に動かして数日だというのに、かなり手こずることになった。これがあと数ヵ月ちゃんと訓練すれば、少なくとも一線級のパイロットになるだろう。
対して此方の戦術は、サブマシンガンによる牽制を主体とした、所謂追い込み漁をベースにしている。簡単に言えば、相手をマシンガンなど連射系の武器で牽制し、その実相手をフィールドの隅へと追い込む。そしてそこから肉弾戦や近接戦に持ち込むスタイルだ。ボクシングで相手に攻撃されてるのに、むしろ自分が追い詰めてるというのに近いことから、『威圧する暴風』……『プレッシング・トルネイク』とウサギに命名された。
俺もシャルも、相手を追い込むことに特化した戦術を使うものの、シャルの戦術が撹乱を主体とした技巧派の技なら、俺のは相手をとことん追い込み、圧迫し、何もできないようにする圧倒型のもの。どちらが上手と言われれば判断は難しいが、少なくとも有利となるのは俺の方だろう。
といってるうちにシャルの機体のSEが0になり、プシューと音を立てながらシャルのリヴァイブが固まってしまう。
「う~、また負けた!!」
「これで俺の18連勝~!!いやー、黒星無いとは味気ないもんだな~」
「こっちの弾も当たってるはずなのに……どうしてダメージが少ないの~」
「経験だ、経験」
俺はにべもなくいうが、内心、いつ負けるか分かったものじゃないとハラハラしていた。
(このままいけば、もしシャルの専用機が出来たらと考えると……)
最悪ゾッとする。あんな機体で今と同じような戦法をしてこられたら、まだ負けはしないだろうけど、少なくともギリギリのそれは免れないだろう。
「二人とも頑張ってるみたいだね」
「「父さん!!」」
と、いつの間にか現れた父さんが、俺らにペットボトルとタオルを投げると、自分も床に座るのだった。
さらに今日の模擬戦をモニタリングしてたウサギとジルダさんもフィールドに降りてきてる。
「珍しいね、父さんがこっちに降りてくるなんて」
「なに、偶々仕事に暇が出来てね。ついでに息子たちの試合を観戦してたというわけさ」
「おいおい、まるで出歯亀してるみたいだぜ。別に見るものでも無いだろ」
俺はスポドを飲みながらそう聞く。上司と部下(一応テストパイロットだし)以前に親子であるゆえに、俺やシャルは普段父さんとフランクに会話してる。
「それに、実の息子と娘が切磋琢磨して頑張ってるんだ。それを見守るのも親の務めさ」
「そう……、ありがとう……パ…………パパ////」
「!?シャルロットォ!!」
シャルのパパ発言に、父さんは滝のような涙を流して彼女を抱き締める。
「パ、パパ!!恥ずかしいって!!皆が見てるって!!」
「ウォォォ!!シャルロットォ!!」
「「「アハハ…………」」」
俺、ウサギ、ジルダさんの和やかな笑い声と、シャルの恥ずかしがってる悲鳴、そして父さんの号泣がフィールド内を木霊する。
こんな日常が毎日続けばいいな、俺達はそれぞれがそんなことを思いうのだった。
オマケ② 織斑家のとある日常
千冬「おい一夏、進路希望が就職とはどういうことだ?しかも飲食店とは?」
一夏「え、だって家の生活費がギリギリだし、それに料理するの好きだから」
千冬「進学にしろ」
一夏「え、でも入学金とか……」
千冬「進学にしろ」
一夏「それに……」
千冬「進 学 弍 死 露 !!」
一夏「………………はい」
???×2「姉貴(姉さん)怖ぇ…………」
翌日、織斑一夏の進路希望が就職から進学へとシフトされたのは言うまでもない。
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はい、適当なオマケです。本編にも繋がりますよ(ナニイッテンダコノヒトハ
最後の二人はいったい誰なんだ~(棒)