「さ~、シャルるんの専用機が完成し~たよ~!!」
さらに数週間の朱鷺が流れ、フラフラと千鳥足になりながら、ウサギはそう口にした。
「あーお疲れ。とりあえず、今日まで何徹したんだ?」
「えっとね~、まともに眠ったのは二週間ぐらい前かな~……もうテンションがおかしくて、今ならどんなことでも出来そうだよ~」
「そ、そうですか……」
はっきりいって酷い状況だった。別にウサギが何徹しようと勝手だが、寝惚けて倒れたり、変なことをさせられたんでは話にならないし。
「ウサギ、とりあえず寝てろ。そんな状態じゃすぐにでも失神しちまうぞ」
「アハハ、大丈夫大丈夫、目の前にお花畑が見えるくらい絶好調なの~全力全壊なの~」
「それ絶好調違う!!とにかく寝ろ!!」
半分死にかけてるウサギをソファーに無理矢理横たわらせ、俺はとりあえず完成したシャルの機体を目に見る。
その姿は、基本的なフレームは『リヴァイブ』のそれに、まるで『ガンダムアリオス』のフレームを組み合わせたような、独特なシルエットをしており、またそれぞれが少しずつ特異な姿をしていた。
オレンジ色のカラーリングに、白をアクセントにした両腕に取り付けられた二つのシールドは、まるで『ゲイツ』のようなシールドクローへと様変わりし、攻防一体の複合装備へと変貌してる。
『リヴァイブ』の特徴的な非固定ユニットもなくなり、その代わりにコネクターらしきものが装備されている。
「これが…………私の機体」
「機体名は『ラファール・イノベイク V・Cカスタム』だそうだ」
「V・C?」
「『ベルフェゴール』のVと『シャルロット』のCだよ。ウサギも粋なことをするよ」
既に気絶したように意識を手放したウサギを見ながら俺はいう。
「とりあえず初期設定するから、さっさと着替えてこい」
「うん、わかっ…………」
シャルはそう言いかけた途端、何かを思い付いたように、少しだけ口角を吊り上げて笑う。うん、何かやるつもりだな。
「ねぇ、今日もクロト兄との模擬戦なんだよね?」
「お、おう…………」
「だったらクロト兄も着替えないとだよね~」
嫌な予感しかしない。とてつもなく嫌な予感しかしない。
「だったらここで着替えても…………」
「良いから早く着替えに行けぇ!!この変態が!!」
俺は怒鳴りながら、シャルの言葉の続きを遮り、そのまま首根っこつかんでぶん投げた。
シャルはブーブー言ってきたが、俺は睨んでそれを黙らせる。いったいどこでシャルの教育を間違えたのか、俺は堪らずにそう思った。
シャル視点
う~、私は唸るように肩を落とす。いや、別に面白そうだからやってみただけで、深い意味は無かったのだが、クロト兄は面白いように怒鳴ってきた。
(私って……やっぱり妹として見られてるんだよね)
私、シャルロット・フェブリエは兄が好きだ。家族愛とかの好きでなく、LIKEでもなく、LOVEの好きだ。
いつからといわれたら多分、あの誘拐事件のあとぐらいだと思う。まさか兄さんがISを動かしてまで私を助けてくれた、それは家族だったからという理由もあるだろうけど、それでも私がLOVEの意味で好きになったきっかけなんだと思う。
それ以来、クロト兄と二人っきりだったりすると、どこか顔がニヤけちゃったり、心が高鳴ったりと、私は変に緊張してしまった。
束さんにそれを聞いてみたら、やっぱりあの人にも、私がクロト兄に対して恋愛感情を抱いてるんだってきっぱりと言われた。しかも冷やかし混じりで。そのときは私自身がティーポットになったみたいに顔が熱くなってた。
けど、これはイケない恋だ。近親恋愛はどこの国でも御法度だし、何より堅物な兄が認める訳がない。
(あ~!!どうしたら良いんだよ~私!!)
顔を真っ赤にさせ、頭をブンブン振り回して考えを無理矢理に飛ばさせる。そして胸に手を当て……
(あれ、もしかしたら…………)
私は思い付いた。こんな気持ちにさせた兄に、責任を取らせる方法を。しかしそれは、
(だ、大胆過ぎるよね、でもこれくらいやらないと……うん、女は度胸!!)
私は心にそう誓い、とりあえずは自分のISスーツに着替える私だった。
オマケ③ ウサギの敵(夢の中)
???『疾風迅雷!!』
???『お前が死ねぇ!!』
???『白眼!!』
ウサギ「は!!なんだ、夢か…………何だか聞いたことのある声だったけど……うん、気にしたら敗けだね、うん」
クロト「いったいどんな夢を見たんだ?おまえは」
ウサギ「ん~?なんだか電気を纏わせ鎌?を持った女の子とか、ISより大きな機体で天使みたいな機体とか、なんか気弱そうな女の子に襲われる夢だったよ」
クロト(絶対それ水樹○々関係の人だぁ!!)
クロト、まさかの事実に驚愕するのだった。