IS 月は出ているか?   作:ドロイデン

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Episode16 亡国機業

「元……亡国機業だと?」

 

 俺は奴の言葉に驚きながら聞き返す。

 

「そうよ。今はMs.シノノノの直属の部下として行動してるわ」

 

「ウサギのだと!!」

 

 俺はあり得ないと思いつつ、シャルにウサギへの連絡を頼む。そして数十秒経たないくらいに連絡が来る。

 

「束さんからも、自分直属の部下だって言ってるみたい」

 

「マジかよ……あの変態ウサギめ」

 

「ちょ、お待ちになってください!!束?それはISを産み出した篠ノ之束博士ですわよね!!いったいどういう繋がりを!!」

 

 セシリアが訳がわからないように聞いてくる。まぁ確かに、こんなこと知ったらこうなるのは当然か。

 

「……とりあえず三人とも、今は急を要する事態よ。私に着いてきて」

 

「お、おう」

 

 俺はとりあえず彼女の前に出て危険が無いかを確認し、二人を先に行かせる。

 

「坊や、君も早く!!」

 

「わかってるよ。けど、その前にやることがあるだろ?」

 

 俺は警護の際に念のために支給されていたプラスチック爆弾を壁に二つほど、90秒後にタイマーをセットする。

 

 それの起動を確認すると、俺はすぐに彼女達の方向へ走る。そしてドアを出て数十秒ぐらい経って爆発し、壁が崩壊。瓦礫で進路を塞いでしまった。

 

「あなた、随分と手慣れた扱いだったわね」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!あの瓦礫だって、ISが来たら何分と保つか分かったもんじゃないんだからよ!!」

 

 俺はそう言って国道方面へと走り出す。と、そこに大きめのリムジンが2台やって来る。

 

「セシリアお嬢様!!」

 

「チェルシー!!無事でしたのね!!」

 

 どうやらセシリアの専属メイドであるチェルシーさんが運転するリムジンが一つ、そして、

 

「悪いわね、オータム」

 

「良いってことよスコール。とりあえずここは危ねぇから、さっさと嬢ちゃん達を乗せな!!」

 

「オ、オータム!?」

 

 これまたビックリ、原作で白式のコアを盗もうとしたオータムまでも、まさか運転手として現れたのだった。

 

「セシリア、とりあえずここはそれぞれが別れて脱出することにしよう」

 

「…………無事に戻れたなら、10時間後に此方からフリーデン社の方へ連絡させて貰いますわ」

 

「いや、別にISの通信回線使えば分かるだr「ISは携帯ではありませんのよ!!」……はい、すみませんでした」

 

 俺氏、産まれて(転生前も含めて)始めて台詞の途中に割り込まれたし。しかもウサギとか変態の部類じゃなくてチョロイ…………もといセシリアにという、少しだけ悲しい事態に陥った。

 

「ともかく、此方から連絡いたしますので、きっちりご返事をくださいな!!」

 

「セシリア嬢がメアドをちゃんと残しておいてくれてればな」

 

 俺がにべもなくそういうと、憤慨しながらセシリアは暴れていたが、チェルシーさんに宥められてリムジンに乗せられる。

 

 そしてセシリアを乗せたリムジンはすぐさま会場駐車場を後にし、すぐに見えなくなってしまった。

 

「とりあえず俺たちも……って訳にはいかないようだな」

 

 俺はため息を付きながら振り返ると、既にあの瓦礫を突破してきた機体や、さらには上空から現れたIS、総計13機もの敵が現れてきた。

 

『そちらのISを寄越せ!!さもなければこちらは武力を用いてでも奪わせてもらう!!』

 

 なんともお約束の台詞を吐く敵さんにため息を付きながら、

 

「はぁ……仕方ない、やるぞシャル」

 

「了解!!」

 

 シャルが自分の機体、『ラファール・イノベイク V・C』を展開し、そして俺も、

 

「いくぞ、ルナーク!!」

 

『な!!男がISを!!』

 

 やはりというか、俺がISを展開しただけで驚かれている。

 

「やれやれ、それじゃあ私たちも戦う他ないようね、オータム?」

 

「いいぜ、スコール!!私も久々に戦いたくてうずうずしてたんだ!!」

 

 そしてスコール、さらにオータムもリムジンから降りて機体を展開……って、

 

「な!?」

 

 スコールのそれは、まるで巨人のような黄色のボディーに、特徴的な手持ちのライフル、さらに特徴的な角のような兜を持ったそれは、『Zガンダム』に出てきた『ジ・O』のフォルムと酷似していた。

 

 さらにオータムの方は、白と紫のフレームに掌のような4対8本の非固定ユニットの鉤爪、さらにアサルトライフル型の銃を持ったその姿は、まさしく『Gのレコンギスタ』に出てくる『ジャイオーン』にこれまたそっくりだった。

 

「へ?は?嘘だろ!?」

 

「何を驚いてんだ?私にとっては男のお前がIS動かしてる方がビックリなんだが?」

 

「い、いや…………(どういうことだ?スコールの本来の機体は『ゴールデン・ドーン』、オータムは『アラクネ』だったはず……いったいどうしてガンダムの機体を専用機にしてるんだ?)」

 

 俺は驚きながらも平静を保とうとする。とりあえず敵の方を向き、自分の機体のサーベルを抜く。

 

『ち、たかがIS4機だ!?さっさと奪っちまうよ!!』

 

『そ、そうね!!あっちが元幹部いるからって、私たちには数があるし!!』

 

「やれやれ、私達が居なくなっただけで亡国機業も堕ちたものね……」

 

「こりゃ、私達がどんなに強かったか、再教育してやらねぇとな!!」

 

 オータムはポキポキと拳を鳴らしながら、さらに首をコキコキと鳴らしてる。顔の怖さも相まってなおのこと恐い……って、こっちにサーベル向けないでくれません!!

 

「なんか失礼なこと考えてそうだからな」

 

「普通に心読むのやめて!!」

 

『アンタら……いい加減にしなよ!!この状況をわかってるのかい!!』

 

 怒り心頭の敵が、全くもって緊張感の欠片もない俺たちに叫んでくる。すでに機体数は30近くおり、完全に囲まれていた。

 

「うちの『リヴァイブ』にイタリアの『テンペスタ』、日本の『打鉄』に、はたまた『メイルシュトロム』まで、か。全くISなら見境なしかい」

 

「これじゃ、女権のやつらと大差ねぇじゃねぇか。……まあ今はどっちも同じか」

 

「とりあえず、一人頭7~8って感じですね」

 

 呆れる大人二人に、シャルが冷静に分析する。

 

「そんじゃ、お仕事といたしますかね」

 

 俺もディバイダーとビームサーベル構えて首を回す。久々の実戦に、少しだけ心が踊っていた。

 

「あ、坊や。ウサギから連絡預かってるよ」

 

「?ウサギから?」

 

「『星は予定通り空へと登った』って。どういう意味かしら?」

 

「……いや、分かったよ」

 

 そう言って俺は装備を『Xパック』へと換装した。さらに『0024モデル』も展開し、再びシールドを構える。

 

「さて、ここからがこいつの……ルナークの本当の初舞台だ。景気よく行こうか!!」

 

 俺は叫び、スラスターを吹かせて敵めがけて突っ込むのだった。




オマケ⑦ ポニテさんの葛藤

箒「む?姉さんからの手紙?珍しいものもあるな……どれどれ」

ウサギ『箒ちゃんへ、私は今、とある会社で働いてます』

箒「………………ハイ?」

ウサギ『箒ちゃんのことは、最近いっくんの事を思って料理の勉強をしてるって聞きました』

箒「誰から!!誰から聞いたのだ!!誰一人として一切言ってないのだぞ!!」

ウサギ『え~それは教えてあげないよ』

箒「手紙で私の心を読むな!!」

ウサギ『そんなわけで来年ぐらいに一回顔を出しに行くから、そのときにお姉ちゃんにも箒ちゃんの手料理を食べさせてね』

箒「いや今年に来ないのですか!!色々と聞きたいのに…………まぁ料理くらいなら、姉さんにも食べさせてあげても……」

ウサギ『追伸 最近その近辺だと女の人の胸を揉もうとする子狸とか、笑顔の白い魔王が出るらしいから、十分に気を付けてね~』

箒「…………その子狸と魔王の家の近くに住んでいる私は、いったいどうすれば良いのでしょうか……」

 箒は自分が無事に来年まで生きていられるか、不気味になるのだった。

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次回は戦闘回
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